令和4年2月定例会 提案理由説明

京都府府内産木材の利用等の促進に関する条例 提案理由説明

自由民主党京都府議会議員団の荒巻隆三でございます。
 それでは、ただいま議題となっております議第1号議案京都府府内産木材の利用等の促進に関する条例制定の件につきまして、提案者を代表し、その提案理由を御説明申し上げます。
 皆様御承知のとおり、森林は土砂災害や地球温暖化の防止、水源の涵養や良好な景観の形成など、私たちに様々な恵みをもたらす公益的機能を有しております。こうしたことから、森林を私たち共通の財産として次の世代に引き継いでいくことは、今を生きる私たちの責務であります。
 こうした森林の公益的機能を将来にわたって発揮させていくためには、「切って」「使って」「植えて」「育てる」という森林のサイクルを適切に回し、このサイクルを途切れさせないことが重要であり、そのためにも特に「使う」の部分である府内産木材の利用を促進していくことが必要不可欠となっております。
 また、府内産木材を利用することは、府内の林業、木材産業等の発展や地域の活性化に大きく貢献するとともに、「木のぬくもり」という言葉もあるように、快適で豊かな生活環境の創造や木の文化の継承にもつながるものであり、こうした意味からも府内産木材の利用を促進していく意義は大変大きいと考えるところであります。
 しかしながら、京都府の森林に目を向けますと、府内の人工林の面積の約7割が利用に適した樹齢となり、その多くが伐採期を迎えている一方で、近年の都市化の進展や外国産木材の輸入の拡大により府内産木材の利用量は、この間、大きく減少してきております。
 こうした現状を踏まえ、いま一度先人が育んできた木の文化を見詰め直し、府内産木材の新たな需要の開拓を図るとともに、京都の木や森を利用することの意義を府民の皆様に共有していただくことにより府内産木材の利用等を一層促進していくため、この条例を制定しようとするものであります。
 次に、この条例案の内容でありますが、前文以下4章、全19条の構成となっております。
 まず、前文及び第1章の総則では、条例制定の趣旨や目的、条例全体の柱となる基本理念のほか、府や府民、木材等に関連する事業者など、各主体の果たすべき責務や役割を規定しております。
 第2章では、府内産木材の利用を促進するための施策として、府の公共建築物等における府内産木材による木造化や、住宅、商業施設、観光施設への府内産木材の利用の促進、とりわけ中高層や大規模建築物への府内産木材の利用の促進と、そのための人材の育成、また府内産木材の安定供給のための人材確保、需要と供給の見通しに応じた調整ができる仕組みづくり、そして調査研究、相談体制の整備等を規定しております。
 第3章では、その他森林資源の活用に関する施策として、未利用間伐材等の木質バイオマスとしての活用や、特用林産物の生産・振興を規定するとともに、第4章では、府内産木材の利用等の推進体制として、意見交換の場となる府民会議の設置、木や森と府内産木材の利用等の重要性や意義を府民の皆様が広く学ぶ木育の機会の確保等の普及啓発、優れた取組を行った者への顕彰、必要な財政上の措置等を規定しております。
 以上が条例案の内容でありますが、この条例案の作成に当たっては、京都府内で林業、木材産業等に関わる事業者の方々や、府民の皆様からお寄せいただいた御意見を参考にさせていただいております。その御意見の中では、府内産木材の利用等の促進に関する具体的な施策への御提案もいただいたところであり、府民の皆様や事業者の方々からの高い関心と、条例への大きな期待を感じているところであります。
 この条例が制定された上は、府議会としても知事などの執行機関の取組に対する点検や政策提言等、議会としての役割をしっかりと果たしていくとともに、府や関係事業者等の方々と共に、府内産木材の利用に関する府民の皆様の理解と関心が深まるよう取り組んでまいりたいと考える次第であります。
 議員各位におかれましては、ただいま申し上げました趣旨を御理解いただき、本条例案に御賛同賜りますことをお願い申し上げまして、提案理由の説明といたします。
 御清聴、誠にありがとうございました。

あらまき隆三

荒巻隆三
(あらまきりゅうぞう)

  • 昭和47年10月27日
    京都市生まれ
  • 自民党府議団 代表幹事
  • 議会運営委員長
  • 京都地方税機構議会 議長
  • 京都実業団剣道連盟 会長
  • 京都府カヌー協会 会長
  • 元衆議院議員
  • 元株式会社ワコール社員

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