◯荒巻隆三委員
この間、議長をはじめ、議運で言うと、光永理事、平井理事、諸岡理事、池田理事、私とで、スコットランド、エジンバラの友好提携都市の訪問と、あとフランスのオクシタニ州の訪問をさせていただきました。エジンバラのほうは、今から25年前に、お互い文化的な伝統が似ているから交流しようということで、エジンバラで日本庭園をつくらないかという話から始まって、今から20年前に完成して今日に至るという、この四半世紀たった25年目に友好提携訪問して、お互いの友好関係や今後の互恵的関係を語り合いながら、そういう文化、芸術に関する交流というものを見てきたんです。
フランスに行ったときに、オクシタニ州で一番目玉的にやっていたのが、京都の堀場製作所のメディカル、測定器において世界的に伸びも強い、一番大きなハブ拠点がオクシタニ州のモンペリエにあるので、そういう経済的な友好提携という価値観で訪問したりしたんです。
これまで京都府の行ってきた様々な提携関係の中で、これはすごいなと思ったのが、その後に行った、ジュールゲード国際高校。オクシタニ州はエジンバラの25年と比べると6年目ということで、節目ではなかったんですけれども、ヨーロッパということで、国際的に近いところもあって行かせてもらったんです。私は大変有意義に感じたのは、子どもたちが、府立鴨沂高校と姉妹提携を結んで、相互の訪問をしたり交流をしたりというところから、日本語がすごく上手なんですね。すごく流暢に自分の自己紹介をしたり、今、何をしているとか、こういうことをしているとか、日常用語を超えた会話をなさっている姿を、今、コロナ禍なんで、ちょっとホームステイに行くとか、京都に来るとか、そういうことはできない数年間だったので、ビデオレターですか、今、メールでやるんでしょうけれどもね。それを30分ぐらい見せてもらったと思うんですけれども、すごいレベルなんですね。
フランス人って、基本、英語すらわざとしゃべらないような人がいるぐらい、自国の言語にプライドをお持ちなんじゃないかなという方たちが、偏見ですみません、日本語、ここまで生き生きと熱量を持って勉強しているのは何なんやろうかなとみんなで話していて、恐らく2000年初頭にジャパニメーションとかドラゴンボールとか何かをはじめ、様々なアニメというものが国際的に人気を博して、日本のコンテンツというものの評価が莫大に上がった、そのときの子どもたちの世代が学びをする高校生とか、そういう世代になったというバックグラウンド、土壌もあるんでしょう。日本の鴨沂高校の方と交流したという、その生身の経験もさらに相乗効果があったと思うんですけれども。
僕らで言うと、昔、ハリウッド映画を見て感動した子がそこから英語を習い始めて、かなり上達して、そういう英語で海外に行って、職業に就いたという人もいましたけれども、そういうやっぱり何か人間の学びのきっかけの原初的な体験というのは、そういう日常の中で楽しいとか、自分の世界観と合致するそういう作品を見て、日本語というものに触れようと思ってくれたんだったら、それは本当に日本文化のジャパニメーションとかの恩恵はすごいなと思ったんですけれども。
そういう意味で、フランスの彼らは、フランスだけにとどまらないですけれども、今、そういう試行的にお付き合いがあるのはオクシタニ州のジュールゲード国際高校ですね。そのつながりというのは、今後のいろんな試みの大事なプラットフォームになるんじゃないかなと思って、ぜひこれは温めていくべきやなと思って。パリとかあっちのフランスの芸術とか、そういう価値観的なつながりはいっぱいあったし、伝統産業で陶磁器とかも2000年前からやってきましたけれども、教育というのは、さっき申した経済とか文化芸術とか、そこに生きる職業的な人たちではなくて、一般の国民の人らが受け入れる交流・友好提携の恩恵というものは本当にすごく可能性があると思えたので、実はこの交流というのは、私は多面的に見て、すごく意義深いというのは、その直接行って、姿を見て、感銘を受けたので、そのことをどうしても伝えたかった。今さらながらなんですけれども、6年前からモンペリエのジュールゲード国際高校とは付き合い出しているんだなと思ったときに、改めてこれは府議会でも伝えていかなあかんなという使命感を持っているんですけれども、これまでの経緯と取組の成果等を教えていただきたいと思うので、その辺、整理して教えていただけないでしょうか。
◯指導部理事(高校教育課長事務取扱)(村田勝彦)
ただいま御紹介ありました、鴨沂高校とフランスのジュールゲード国際高校との交流なんですけれども、平成27年に京都府と現オクシタニ州の友好提携というのが結ばれまして、その翌年の28年に鴨沂高校とジュールゲード国際高校の間に姉妹校提携を結んだと。その後、訪日されまして、東京、京都に滞在されている間に、鴨沂高校との交流が開始されたというふうに聞いておるところです。
交流の中身は生徒同士ということですので、日本からはまずはおもてなしというようなことで、演劇の披露をしたり、部活動で美術部、それから弓道というのがございまして、そういったものの体験をしていただいたり、お話で紹介するだけではなくて、体験をしていただくことで交流をしているというふうに聞いております。その後、相互訪問という形でまた日本に来ていただく、こちらからフランスを訪れるという中で交流を継続しているというようなことでございます。
この一番の成果といいますのは、留学をはじめ、異文化理解、国際交流を推進しようというようなことで取り組んでおりますけれども、コロナ禍でなかなかできなかったという部分もあるんですが、オンラインなどを活用しながら、そういった交流が継続してきているというようなところにございます。一番見て取れるところは、異文化理解と思って進めていたんですけれども、実はそれを進めるには、自国のことを理解しないとそれは充実できないということに高校生自身も気づいて、まずは自分のところのことを調べる。自分のところの文化を伝えていくというようなことが必要だということで、異文化を知るだけではなく、自国の文化についても理解を深めているというような効果が上がっているところでございます。
残念ながら、今は相互訪問などはかないませんけれども、メールを中心とした交流を継続しているという状況にございます。
以上でございます。
◯荒巻隆三委員
ありがとうございます。
まさに、お互いの特色を学び合う中で、写し鏡のように逆に自分たちを知ることという、己を知るという精神は宿っていると思うんです。本当にそういうところから、あえて日本の強みとか分かりますし、その魅力を伸ばして強みを生かしていく中で、ではさらに評価をもらえるならという努力の中で、日本の存在感を示していってほしいなというふうにも思っています。
だから、逆にフランスの生徒の皆さんから日本の魅力を教えてもらったような感動が重ねてあったわけですけれども。
ちょっとそこで質問ですけれども、今度、フランスの子らが日本の鴨沂高校の皆さんに、「私は誰々です。何歳です。何月何日生まれです。今、こんなことをしています。こういうことをしようと思っています」と日本語をしゃべっているのを見て、日本の生徒は、逆に向こうの人たちにフランス語で、「私は誰々です。今、何しています。こういうことが好きです」とか、対等に語りかけているんでしょうか。その辺、どうなんでしょうか。
◯指導部理事(高校教育課長事務取扱)(村田勝彦)
学校に確認した範囲なんですけれども、以前確認したときに、私もその交流の場面に少しだけ触れる場面があったんですけれども、実のところ、当初は英語、日本語の併用などでメールなどもやり取りをしていたと。ですが、日本語での交流を相手さんが強く求められたということもありまして、あえてといいますか、日本語での交流を中心にしているというふうに聞いておるところでございます。
◯荒巻隆三委員
分かりました。逆に、日本語を理解したい人たちの言語をマスターすることもより伝えられると思うので、その辺の視点を置かれていると思いますが。それだけ日本語に魅力を感じてくれている彼らは本当にこれからのいろんな意味で日本の、名前どおりの友好を実現してくれる、体現してくれる、本当にこれから未来に期待する仲間であり、応援者だなと思うので、ぜひそことの接点は、これから大きく広げていくことと、末永くそういう関係を結んでいってほしいと思うんですね。それのもたらす恩恵というのはどのようなものがあるんだなと今感じられているのかとか、その辺の展望があればちょっと聞かせていただきたいと思います。
◯指導部理事(高校教育課長事務取扱)(村田勝彦)
いわゆるグローバル人材の育成という言葉が世の中に出てからかなりたつんですけれども、そういったことだけではなくて、今、高校の学習のメインとなりますのは、探求というワードがよくクローズアップされているんですけれども、自分の興味があるものに目を向けて、しっかりと相手のこと、自分のこと、まずはそこを知った上で、自分の考えを相手に伝えていくというのが、ここまでのプロセスをしっかり踏むというのが重要とされているところです。たまたま相手が異文化であったり、異国の方というような場合のことを、今、ここで触れようとしているんですけれども、今後はそういった人材の育成という視点だけではなくて、日常的に普通科の生徒もこういった交流を積極的に進めるというような形を取りまして、ぜひともその自分のことを知る、相手のことを知る中で発表する力を身につけていく、それが舞台が世界になった場合は、いわゆるグローバル人材として活躍する生徒も育てていくことにつながるというふうに考えておりますので、こうした取組につきましては、一層発展をさせていきたいというふうに考えているところでございます。
以上でございます。
◯荒巻隆三委員
コロナ禍もコロナとの付き合い方もWITHコロナでまた変容してきますから、また交流の手段も増える中で、ぜひ、これまで6年間ですけれども、積み上げてきた経験とか、いろんな体験された生徒の声とかを生かして、よりさらなる、いい交流ができるように、またその効果のほども、思いがけない、またさらなる可能性も宿していると思うので、そういう大きな成果を生み出す志を持って取り組んでいただきますよう要望いたして質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。