◯荒巻隆三委員
よろしくお願いいたします。
私は当初予算案、主要事項の特殊詐欺被害撲滅総合対策についてお伺いをいたします。
事業内容の方針としましては、犯行の抑止、検挙の強化、そしてまた金融機関等と連携しての水際対策の強化とか、また府民の詐欺被害に対する防御力という言葉で、府民の地元の見守りとか、また人材育成、そういったことを基本方針にされておるというふうに理解をさせていただいておるんですけれども、まず府内の今の特殊詐欺の被害の現状についてお教えをいただきたいんですけれども、いかがでしょうか。
◯刑事部長(中野崇嗣)
昨年、令和4年中の特殊詐欺の被害でございますけれども、認知件数で言うと204件、被害金額にして約3億7,300万円ということで、認知件数、被害額とも令和3年に比べて増加しているという現状でございます。
以上です。
◯荒巻隆三委員
現在全国で相次いだ広域の強盗事件の背景が、特殊詐欺グループである疑いがあるという報道がなされておりまして、高齢世帯においては大変な不安を抱いておりますし、また高齢者を持つ家族の皆さんも大いに不安を持っておられます。独居老人の方も今本当に増えておりますし、我々京都においてもまさに影が忍び寄っているんだなというふうなことがお見受けされるわけなんですけれども、そういう意味で特に高齢者が多く被害に遭っているとの認識の中で、その特徴とか傾向はどのようになっているのかとか、高齢者に焦点を当てた対策というものはどのようなものを講じて取り組まれているのか、そのあたりをお尋ねしたいと思います。
◯刑事部長(中野崇嗣)
御指摘いただきましたとおり、被害者全体に占める65歳以上の高齢者の方の割合というのは全体の8割以上、171人ということになっております。その中でも8割以上の143人が女性であるということ、それからこれもまた8割以上になりますけれども、最初に被害者宅の固定電話にかかってきたことをきっかけとして被害に遭っているというところが、特徴として上げられるかというふうに思います。
その上で、被害防止対策というところに関しましては、まず固定電話に出ないという対策として、防犯機能つき電話等の普及促進ということ、それから留守番電話機能を活用していただくということであります。そのほかに無人ATM対策として、利用者自身によってATMの利用限度額自体を引き下げていただくということ、それからATMコーナーで電話をさせない対策に取り組んでいるというところでございます。
以上です。
◯荒巻隆三委員
例えばの話で申し訳ないんですけれども、私も高齢の家族がいるので、たまに実家に帰ると、電話等で聞いたことがないような不動産の名前で、まるで財産をどうも誘導して確認しているかのような電話とかを感じたことがかつてあって、もしかしたらそういう予兆だったのかなと思う節とかも身近に体感をすることがあります。そういったことも踏まえて、今、多くの府民の皆様が身近に感じ出していると思うんですけれども、事業内容のほうで、だまされやすさに注目した水際対策の強化というところで、高齢者に対する施策が記載されておりますけれども、そこら辺がどういったものなのか、説明をいただきたいと思います。
◯刑事部長(中野崇嗣)
お尋ねいただきましたことにつきましても、京都府立医科大学と連携をいたしまして、タブレット端末の画面で簡単な質問に回答していただくというだけで、だまされやすさを診断するというアプリを開発しております。それを高齢者向けの防犯教室等で活用して、高齢者の方にまず自覚を促していただいて、その上で各種の予防対策を進めているというところでございます。
以上です。
◯荒巻隆三委員
そういったいろいろな取組を今増やしていただいているなと思っておりまして、みんないろいろその状況に対する武装力というか、知識は増えておりますけれども、さらにそういう科学的知見を取り入れていただいたりして、1つだけの対策じゃなくて複合的に対策を持つということは、被害に遭う確率というものが小さくなるんじゃないかと思いますので、そういう意味では本当に大変評価をしたいと思いますので、ぜひまた鋭意取組を進めていただきたいと思います。
また、防犯の部分だけじゃなくて、京都府警さんにおかれましては、徹底的に犯人の検挙をしていただきたいなと思っております。昨年、烏丸通りで時計店が襲われた直後、私はあの現場にたまたまおりまして、何やろうなと思っていたんですけれども、後でニュースで見てこういうことかと、特殊詐欺グループが関与している疑いがあるということで報道なされておりまして、いや、ほんまに京都に影が忍び寄ってきたなだけじゃなくて、実際起こり出しているんやなという警戒感も高まって、同じような話も周辺で見受けられていたんですけれども、今はそういった形で検挙を強化していく上での今の検挙状況ですね、それとそれに対する具体的な取組や方策というものはどのような形で進めておられるのでしょうか、お尋ねしたいと思います。
◯刑事部長(中野崇嗣)
まず、検挙の状況でありますけれども、昨年中、検挙件数については137件検挙して、人員については44人を検挙しているという状況でございます。
それから、取締りに向けた取組方針というところに関しましては、取締り自体は現場周辺での職務質問あるいは防犯カメラ捜査等による受け子等の検挙を行っております。それに加えて、グループの中枢を検挙するということのために、押収した資料から突き上げ捜査を行い、また犯行拠点の摘発に向けた取組を推進しているというところでございます。
以上です。
◯荒巻隆三委員
まさに報道されている一連の事件では、宅配業者等を装ったり、複数の人数で民家に押し入るという残忍な手口が目立つということで、そういう形では本当にソフトだけじゃなくてハード面も含めて、両面での備えが必要不可欠だと思っておりますので、ぜひまたそこも強化をしていただきたいと思います。
その手口の最初の段階で、実行犯を募るとか、そういう形で今、闇バイトとかの話も注目を受ける中で、詐欺犯罪は単独での犯行ではなくて、そういった組織あるいはグループなどが行っているということで、その背景に暴力団の関与とか、そういった不安も皆高まっております。もちろん捜査の秘匿性を妨げることはしたくないので、その範囲でお話しできることがあれば伝えていただきたいと思います。
◯刑事部長(中野崇嗣)
先ほども申し上げた検挙数44人のうちで、暴力団関係者という位置づけがある者が14人ほどございます。特殊詐欺、暴力団の関与というものがうかがわれる状況があるかなというふうに考えております。
以上です。
◯荒巻隆三委員
今、警察庁も徹底的に頑張っていただいている決意をこの間なさっておられましたし、もちろん京都府警においても非常に頑張っておられるというふうに認識をしております。今、こういう闇バイトというのが警察庁の担当センターのほうで有害情報の削除とかは、えらい気張ってやっていただいているということも知っておりますけれども、そもそもが闇バイトを募集すること自体が犯罪ではないというところが、またネックになっているということも聞いていますので、我々議会としてもその辺の改正を国に要望するものだと心得ておりますが、そういった闇バイトを使っている現状についても、それらの中で何か関知していることがあったら教えていただきたいと思います。
◯刑事部長(中野崇嗣)
昨年検挙した被疑者のうちで、28人がSNS上の募集に応じて犯行に加担したということが分かっております。府警としましては、御指摘いただいたとおり、SNSを利用して実行役を募集するという実態がございますので、インターネット上に警告文を表示したりとか、プロバイダーに対する有害情報の削除依頼を行っているというところでございます。
以上です。
◯能勢昌博委員長
残り2分です。
◯荒巻隆三委員
今お話しいただいたことをすごく心強く思っておりますので、ぜひ府警本部の皆様と京都府警さんにおかれましては、ぜひこのことは重点的な柱として、また令和5年度も取り組んでいただきますよう要望をお願いしまして、質問を終わりたいと思います。よろしくお願いします。