◯予算特別委員長(荒巻隆三君) 予算特別委員会に付託されております第1号議案令和6年度京都府一般会計予算を含む25件の議案につきまして、審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
本委員会は、予算特別委員会当初予算審査小委員会による9日間にわたる書面審査を実施するとともに、3月14日には、西脇知事をはじめ関係理事者の出席を求め総括質疑を行い、府政全般にわたる重要課題を中心に審査を行ったところであります。
審査に当たりましては、さきの9月定例会における決算審議を踏まえた「意見・提言」で示した内容がどのように反映されているか、また、人口減少や少子高齢化に伴う産業・医療・福祉などのあらゆる分野での担い手不足や地域社会の衰退といった構造的な課題への対応、激甚化・頻発化する自然災害への対応など、多くの課題が山積する中、様々な角度から厳正に審査を行ったところであります。
今回の当初予算は、府政運営の羅針盤となる京都府総合計画に基づき、「安心」「温もり」「ゆめ実現」の3つの視点を柱に、「あたたかい京都づくり」をさらに加速化させるために必要な予算が編成されたものであります。
審査の結果についてでありますが、精神障害者の医療助成制度の創設や、地震に備えるための耐震化支援制度の拡充、「まち全体で子どもを見守り支える」まちづくりを進めるために市町村が策定する計画を京都府が認定し、取組を支援する全国初となる制度の創設、京都企業人材確保センターの創設による人材確保や定着、労働生産性の向上への支援、産業創造リーディングゾーンの推進をはじめとする持続可能な産業社会の創造、文化庁と連携した地域文化の次世代への継承と国内外への発信、さらには、災害からの安心・安全対策にもつながる道路等の整備など、地域の基盤づくりに積極的に取り組むとともに、厳しい財政状況の中、行財政改革にも取り組まれ、新たな施策に必要な財源の確保にも努められているものであると、多くの委員が評価したところであります。
審査の過程におきましては各委員から様々な意見や要望が述べられておりましたが、その主な項目は、お手元に配付いたしております「指摘・要望事項一覧」のとおりであります。
それでは、付託議案25件に対する採決の結果を申し上げます。
第1号、第13号及び第16号の議案3件については、賛成多数でいずれも原案どおり可決することに決しました。なお、これら3件には少数意見が留保されております。
また、第2号から第12号まで、第14号、第15号、第19号、第20号、第22号、第23号、第35号から第37号まで、第47号及び第48号の議案22件については、賛成全員でいずれも原案どおり可決することに決しました。
今後の府政運営につきましては、おって、議長から知事に対し提出される予算審議を踏まえた「意見・提言」を十分に反映されますよう、この際、主な内容について申し上げます。
まず、重点事項としまして、子育て環境日本一の推進について、「子育て環境日本一」に向けて、市町村と連携したまち全体で子どもを見守り支えるまちづくりや、子育ての楽しさを広げ子育てにやさしい機運を高める取組等を一層推進すること。
次に、各部局別の事項としましては、まず知事直轄組織においては、多文化共生・国際交流の推進について、留学生や外国人住民に対する日本語教育や就労をはじめとした生活相談などの取組を充実するとともに、大阪・関西万博の機運を生かし、国際交流をより一層推進すること。
次に、危機管理部においては、防災対策の推進について、様々な危機事象に対し迅速・的確に対応するため、常設された危機管理センターを活用して、関係機関との連携強化により情報の収集や活用を図るとともに、避難者のニーズに応じた災害備蓄品を整備するなど、災害対応機能の向上に努めること。
次に、総務部においては、財政運営について、府税収入やふるさと納税などの自主財源を確保するとともに、将来を見据えた府債残高の適正管理や財政調整基金の積立など、持続可能な財政運営に努めること。
次に、総合政策環境部においては、温室効果ガス削減の取組の推進について、2050年温室効果ガス排出量実質ゼロの実現に向け、再生可能エネルギーの導入、家庭や事業者の脱炭素行動の促進、水素社会の実現に向けた取組等をさらに推進するとともに、府民や事業者に対する情報発信・啓発に努めること。
次に、文化生活部においては、文化の振興について、文化庁の京都移転を契機に、伝統文化等の魅力発信や子どもが文化に触れる機会の創出など、文化の振興・継承につながる取組をより一層推進すること。
次に、健康福祉部においては、障害者支援の充実について、障害のある人が必要とする医療や福祉サービス等を適切に受けられるよう、障害者施策の充実に努めること。
次に、商工労働観光部においては、中小企業等への支援について、京都産業の活性化のため、中小企業等に対し、きめ細やかな支援策を講じるとともに、商店街の活性化や伝統産業の振興等の取組を一層推進すること。
次に、農林水産部においては、農林水産業の推進について、農林水産業の担い手確保・育成に努めるとともに、農林水産業者に対し、きめ細やかな支援策を講じること。また、食糧自給率の向上に努めること。
次に、建設交通部においては、防災・減災対策について、道路や河川をはじめとした社会基盤の整備を推進するとともに、住宅や建築物の耐震化に関わる支援制度の周知に努めるなど、防災・減災対策に一層取り組むこと。
次に、教育委員会においては、学びを支える教育環境の整備について、体育館の空調をはじめ、府立学校の施設・設備の計画的な改修に努めること。また、教育現場におけるICTの効果的な利活用のための環境整備をさらに進めるとともに、外部人材の配置等により、教員の負担軽減に向けた働き方改革を一層推進し、学びを支える教育環境の整備に努めること。
最後に、公安委員会においては、府民生活の安全・安心対策の推進について、地域、学校、警察が連携し、地域の防犯力の強化に努めるとともに、特殊詐欺やサイバー犯罪等の未然防止に向けた取組を一層推進すること。
このほか、本委員会審議の中で各委員から述べられた事項につきましても御配慮いただくよう、願うものであります。
結びに、各委員の皆様には、連日、終始熱心に慎重かつ厳正な御審査を賜り、円滑な審議運営に御協力をいただきましたことに心から感謝と御礼を申し上げます。併せて、自民・磯野副委員長、府民・田中副委員長、公明・山口副委員長、共産・水谷幹事、維国・畑本前幹事には格段の御尽力を賜りましたことに厚く御礼を申し上げまして、委員長報告といたします。
御清聴ありがとうございました。(拍手)


荒巻隆三
(あらまきりゅうぞう)
- 昭和47年10月27日
京都市生まれ - 自民党府議団 代表幹事
- 議会運営委員長
- 京都地方税機構議会 議長
- 京都府実業団剣道連盟 会長
- 京都府カヌー協会 会長
- 京都府議会海上保安議員連盟 顧問
- スマートライフ推進京都府議会議員連盟 顧問
- 日米友好親善京都府議会議員連盟 副会長
- 日韓親善京都府議会議員連盟 副会長
- 京都府防衛協会 理事
- 京都ボーイスカウト振興会 評議員
- 世界遺産賀茂御祖神社境内糺の森保存会 理事
- 元 衆議院議員
- 元 株式会社ワコール社員