平成22年予算特別委員会 書面審査 府民生活部

◯荒巻委員
 私からも消費行政に関して、多くの委員が御発言なさっておられますので重複部分は避けたいと思いますが、市町村の今後の相談窓口の充実の件に当たっては、市町村の自助努力だけでは相談窓口や消費生活センターの立ち上げは極めて困難であります。人口や財政規模、また地理的要因、いろいろな地域事情に影響されることがあると思います。それは当面の3年間の基金の措置や交付税措置などありますけれども、一律的にあるべき姿を規定するわけにはいかないという点を、その支援の中での検討の余地がまだまだあると思います。その辺の精査を行っていってほしいと要望をします。
 私としては、重複部分を避けますので、4年目以降のそこを見通した施策のあり方という点で、もちろん消費者目線での視点から監視していく強力な権限を発揮していくためには、そういう相談情報の一元化の後にしっかりした法執行ができる体制が必要ではないかと思うわけです。
 そういった意味で、市町村の相談窓口からの情報を入手していく仕組みであるとか、また逆に、市町村から府に申し出を行うことができる体制はどのように考えているのか。整備されている検討状況を教えていただきたいと思います。

◯府民生活部長
 まず、情報に気がつくところが発端でございますので、初めに御指摘のありました市町村の体制といったものも、そういった意味で非常に重要になってくると思います。それに対して、例えば少額の教材を買ってしまったのだけれども、少し損はしたけれども、でもいいかといって泣き寝入りをするといったような、1万円、2万円で裁判を起こすということにはなかなかならない。そんなケースも多分あると思います。
 ただ、恐らくその人一人をとってみれば少額な案件であっても、そういう人たちが実は100人も200人もいるかもしれないということです。そういった掘り起こしができるような仕組みを考えられないかというのを平成22年度の取り組みとして考えております。
 例えばそういう情報が入り次第、特設の窓口を設けるなり、ネットを使うのかセンターで直接窓口を設けるのか、いろいろなやり方があると思います。ほかにこういう被害を受けた方はいないでしょうかという掘り起こしを積極的にやっていって、それが一定たまって、そういう事例が多発しているようであれば、その業者に対して、必ずしも違法と言えなくてもそういったところにすかさず警告を発していくと。非常にグレーですと言っていって、プレッシャーを与えていくといった取り組みも必要になってくるのではないかと考えております。

◯荒巻委員
 まさに、消費者行政として確立していく目的の一つに、相談件数だけではあらわれてこない潜在的な消費者被害がある。これをいち早く掘り起こして顕在化して、それに対処していくかが基本だと思います。おっしゃるとおりだと思うのですけれども、そういった被害が広がりそうな案件をそういう波及していく前に未然に防ぐという意味で、執行能力、例えばきょういろいろな案件を出されていますけれども、サラ金やヤミ金とかの件においては、立入調査や処分であったり、また今多様化や複雑化してくる新手のそういったまさにだれも想定しないような消費者被害の案件に対しても、突っ込んで、踏み込んでいける体質が必要だと思うのです。
 もちろん、相談員のスキルアップも当然なのですけれども、法執行していく担当者との緊密な連携体制は今のうちから想定して、迅速なスピード感を持った体制づくりをしていただきたいと思います。
 では、その流れで、例えば捜査や規制の知識とか経験等が豊富な、きょうもお話が出てきましたけれども、警察官のOBだったり、また公正取引委員会のOBの方だったりといった方の例えば今後将来的に非常勤でそういう方をどしどし投入していくとかといった人員体制であるとか、またそういったスキルアップに関して、職員の能力開発とか、その辺に関してどうお考えしているのか。
 あとは、これにあわせて、大方のいろいろな関係機関があります。消費者生活安全センターとか、国の機関とそういう地方の個々の公共団体とのどういったその辺の人材開発とか、人員が、担当者が不足しているということは、そもそも今市町村においてのいろいろな立ち上げの困難さの制約になっていると思います。そういったやりとりが全く見えてこないので、あちらは内閣府が担当しているのでしょうけれども、今どういうふうにやりとりしているのか、その辺がわからないので教えていただきたいと思います。

◯府民生活部長
 まず、1点目の法執行の部分であります。
 こちらについては、警察のOBの方ももちろんありますけれども、そのほかに例えば建物の耐震偽装の話でありましたら建築士の方の能力も必要でしょうし、ITを通じたものであればそういったシステムエンジニアリング的な知識を持った方も必要でしょうということです。これも、私どもあんしんチームの法執行チームというふうな形で名づけております。それぞれの雇い込んでその固定のメンバーでというよりも、いろいろな案件に応じて、関係部局と、消費者部局である私どもと、それからそれぞれを所管する各部局と、それからそれぞれの専門家等が一緒になってチームを組んで、迅速に行動を起こしていくことが必要かと考えております。
 それから、国の機関との連携等についてでございます。
 先ほどの話とも関係があるのですが、相談員の資質を上げるというのは非常に重要になってまいります。今も、国のほうでは消費生活安全センターに相当する国民生活センターがありますけれども、こちらのほうのさまざまな研修ですとか、それからあといろいろな事例分析を向こうと一緒になってやると。要は、ケースは全国版になればなるほどいろいろなケースが材料として豊富になってきます。そこで、こんなケースが最先端で新手の犯罪の手口としてあるのだといったようなことについて分析をしながら勉強してくるといったような形で、相談員が定期的に参加をしておったりします。そんなことで、情報連絡を密にしながら資質の向上に努めてまいりたいと考えているところでございます。

◯荒巻委員
 本当に、この3年間の中での集中育成強化期間の中でしっかりそういった部分の洗い直しというのか、課題整理をして解決していただきたいと思います。
 4年目以降に負担のないような形で、消費者が頼れるわかりやすい体制づくりを心がけて、引き続き行っていただきますようお願いをして、質問を終わります。

あらまき隆三

荒巻隆三
(あらまきりゅうぞう)

  • 昭和47年10月27日
    京都市生まれ
  • 自民党府議団 代表幹事
  • 議会運営委員長
  • 京都地方税機構議会 議長
  • 京都実業団剣道連盟 会長
  • 京都府カヌー協会 会長
  • 元衆議院議員
  • 元株式会社ワコール社員

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