・第75号請願「後期高齢者医療制度の廃止を求めることに関する請願」
審査結果…挙手採決の結果、賛成多数により、採択と決定した。
◯荒巻委員
委員長。反対意見ですが。
◯石田委員長
通常は、先に紹介議員などからの説明からですが……。
ないですか。ありますか。
◯光永委員
はい。
◯石田委員長
あるのでしたら。
◯光永委員
中身を聞いてから、よく考えて態度してもらったらと私は思いますけれども、そのために若干説明させてもらいます。
これは「後期高齢者医療制度の廃止を求めることに関する請願」となっていまして、さきの国会で野党4党で後期高齢者医療制度の廃止を求める法律案を提案しまして、参議院の段階では多数で可決することになり、衆議院に送付されました。本来、この衆議院で徹底審議もして賛否を問うことが私は必要だと思ったのですけれども、いろいろな事情から継続審議にもなっております。
それで、国会の状況を聞いていますと、8月末から再開される国会でまた徹底審議をしようと、与党からも意見として出されているようですし、国民の前で、この制度の根幹問題について徹底審議するのは与野党関係なく必要なことで、同時に、審議される上で私どもは廃止を求めているわけで、この請願でも廃止を求めておられるので、ちょうどタイミング的には今、この京都府議会として態度を表明するという点で、一番大事な、重要な局面だと思っております。
そこで、請願の趣旨はこの間論議されてきた内容がしっかりと書かれていますけれども、中を読んでいただいたらおわかりのとおり、自民党の元総務会長の堀内さんだとか、中曽根康弘元首相なども、この後期高齢者医療制度が実に冷たいと、つまり差別医療だということを、本質的な問題として指摘されています。これほど、この方が言われるほど、全国的にも大きな批判が巻き起こっている中で、後期高齢者医療制度の廃止を議会として請願されている限り、その意思を示すことが非常に大事だということで、ぜひ採択をお願いしたいと思っています。
なお、きょう見ますと、この委員会に、陳情・要望一覧表の中にも、京都府保険医協会から「後期高齢者医療制度の廃止に向け国に対する意見書提出を求めることに関する陳情」も出されておるようですから、京都府保険医協会もそういう立場でしょうし、いわば医療や社会保障に関する多くの団体が、京都府民になりかわって請願や要望をされているということで、ぜひ採択していただきたいと思います。
以上です。
◯荒巻委員
先ほどは前後しまして済みませんでした。しっかり拝読させていただいて、十分に考えさせていただいた結果ですけれども、本当にお話しのとおり、現行の制度に関してはいささか政府にも説明不足があったと思いますし、75歳以上の方を隔離するように見えてしまったやり方ですとか、まさにさまざまな点で説明不足、また改善すべき点が多々あったと思います。
ただ、この議論の上で、より現状を見ていただいて、国に改善をしていただくべきだと思います。議論していくことと、やっぱり廃止という点に関してはどうかなと私は思います。廃止にすることに関しては、私は反対を申し述べたい、そういう思いがございます。
そもそもが、このままでは国民健康保険(国保)財政が破綻してしまうということから始まった議論であって、やっぱり今までの老人保健制度にかわる新たな制度づくりを早期に検討して実施していかなければいけないと。もちろん今現行の制度に対しての反対は、参議院でも議決されたとおり事実でございますけれども、出だしの経緯から考えると、たしか平成12年のころですよね、衆議院で、これはもう与野党共通認識として、制度破綻するから新たな制度創設をという点は、民主党さんの賛同も得て方向づけはあったという経緯もございます。
ぜひ、その経緯を振り返るに当たって、ではどうしていくのか。いろいろな、一元化をしていかなければいけないとかの議論もありました。単一の保険観の中でお年寄りをしっかり皆で支え合っていく、1つのグループの中で保険を運営していくということもありましたけれども、やっぱりまだ市町村国保の中で、高齢者が偏在する構造も変わっていませんし、これから少子・高齢化が進んでいく中で、制度を整えていく上でのいろいろな不公平感とか、まだそちらは実現に向けては本当に整備しなきゃいけないことが多過ぎる。制度のあり方についていろいろな意見がある中で、ベストではないけれどもベターな、最終的に出た形であって、ただまだこの出た結果に対してもこれから改善の余地が僕もあると思っていますけれども、廃止というのは、そもそもの経緯からすると問題ではないかなという点で賛成をいたしかねます。