平成22年予算特別委員会 書面審査 教育委員会

◯荒巻委員
 文化財対策費についてお尋ねをいたします。
 今回、歴史的建造物等保存伝承事業費の中に、国指定文化財緊急防災対策費補助事業費ですね。こちらは文化財の所有者が行う防災事業や施設等に係る補助事業費だったりするわけです。本当に昨年のあの建仁寺の仏像の盗難があったり、またおととしは、これは文化財は焼失しませんでしたが、東山では長楽寺が火災に遭ったり、歴史的にたどれば、それはもう、京都ではないですが、法隆寺のお堂が焼けて中の壁画まで損失したとか、本当に文化財の保護整備というものに対しての世論が大いに高まって、本当に日本が抱いている歴史的な意義、そういうものの象徴として我々はこれを守っていく責務があるんだなという中で、本当にきめ細かい予算計上をしていただいているなと思いますけれども、多くの防災対策を含めて、今回どのような運用を考えて予算計上されているのか、お尋ねいたします。

◯文化財保護課長
 文化財建造物の防災対策についてでございますが、国指定の国宝、重要文化財建造物につきましては、国の補助と府の補助とございまして、府の補助は2,100万円ということで、これまで予算をお願いしてまいったところでございます。それから、府指定の文化財というものもございまして、こちらにつきましては府の補助額は4,700万円で、これは従来からこの額で、計6,800万円で来年度もお願いしたいと思っております。昨年9月に補正予算で、委員が先ほど申されましたように、近年の防災に対する大変な関心の高まりの中から、これは国指定の文化財に対する補助でございますが、補正で1,000万円の上乗せ分を措置していただきました。そして、これをまた来年度予算におきましても措置いただくことをお願いしているところでございます。
 予算的な概要は以上でございます。

◯荒巻委員
 それの防災対策として、具体的にどのように運用されているのか、教えていただきたいのですね。例えば建仁寺さんは、仏像は返ってきましたが、その後は防犯カメラを設置してしっかり監視をして、公共に対して大事な文化財を守っていかねばいけないなということを檀家さんや地域の皆さん含めて意識啓発されたそうです。
 あと、以前の予算特別委員会でも同じようにこの文化財の防災対策を確認させていただいたときに、自動火災報知機の設備は、国の指定のほうではほぼ100%いっているけれども、府の指定の文化財のほうでは8割程度だということだったので、その辺の進捗状況も、あれからどうなったのかを含めて、実績的なものと、そこから今現状の課題というのですかね、計画面を教えていただきたいと思います。

◯文化財保護課長
 防災と、それから防犯というものがございます。それから、近年、アライグマを筆頭とします生物による被害というものもございます。それで、御質問にありましたように、カメラ、センサー、こういったものでまず防犯対策を講じるということに取り組んでおりますほかに、従来から火災報知機あるいは消火栓、こういったものにつきましては、国指定文化財についてはほぼ100%ということではございますが、ただそうは申しましても、古いものでありますと機能が十分果たせないという場合もございますので、点検ということも非常に重視しております。また、その点検の結果、取りかえということも取り組んでおります。
 また、府指定のものにつきまして、進捗はその後しておりますが、パーセンテージまでは今ここに資料がございませんのですが、これにつきましても前向きに取り組んでいるところでございます。
 以上でございます。

◯荒巻委員
 あと、重ねてなのですけれども、防災面で本当に一番大きな損傷の原因になることなのですが、震災ですね。耐震性の対策については、ちょうど2年前のこの予算特別委員会で確認したときには、計画的にスピード感を持ってしっかりやっていくということで、府下で288の重文で、そのうち国宝が48件もあるわけですよね。花折断層上にある件数を考えたときに、もし本当に激甚災害が起こったら、重文で200から、そのうち国宝で50件は本当にもう取り返しのつかない被害に遭うだろうということで、これはもう本当に天文学的数値の被害に遭うと思ってしまうのですが、その辺を含めて、あれからどういう計画で耐震化を進めているか、教えていただきたいと思います。

◯文化財保護課長
 文化財建造物はほとんど木造でございます。木造の場合、耐震診断を行い、それを補強していくという取り組みにつきましては、鉄筋コンクリートの建物のようにはまいりません。一つ一つの建物の構造等につきまして、その強度につきましてはさまざまな見方もございまして、明らかな科学的な知見というものも確立していない状況があります。
 そういう中にありましても、保存、修理の事業を行う際には、基礎部分あるいは壁部分の補強を行う等の取り組みを進めながら、スピード感を持ってということでお答えしたわけでございますが、気持ちはそのつもりで取り組んでおりまして、そういう形での修理が全面的にできたところはまだ十数棟ではございますが、取り組んでおります。
 それよりもさらに脅威を感じますのが、火災であります。大地震のときに起こった火災の延焼によりまして、昔の京都よりも今の京都は、住宅が古来からのお寺、神社に非常に迫ってきております。そこからの延焼ということを一番恐れております。したがいまして、国でも平成20年7月に重要文化財建造物の総合防災対策検討会というものを招集いたしまして、立命館大学の土岐教授が座長となりまして、まとめ報告を出しております。その中には、市街地の大火災に対しての面的な対応ということを大きくうたっておりまして、文化庁、私どもも、点の防災から面の防災ということに意識を転換しまして取り組んでおります。
 具体的には、京都市の消防、あるいは府、市の文化財、あるいは府危機管理、こういった部局が集まりまして、所有者との協議とか、それから非常時の対応マニュアル、あるいは文化財被害緊急連絡体制の整備、あるいは文化財の建造物はどこにあるかわかっておるのですが、その他、文書などは、ここにあったはずだがということで、あやふやなものがございます。それについても所在地を明らかにしまして、いざというときの運び出しができるような体制を組むとか、こういったことについて具体的な取り組みを進めようとしております。
 以上でございます。


◯荒巻委員

 もちろん有形文化財ですから、構造的なものや、そういう芸術性がゆえに価値があるわけで、確かにそういったものの耐震性を守るというのは本当に大変なことだと思うので、いろいろな試みを総合的にまた対策をしていただきたいこと、それに重点化していただきたいことをお願い申し上げますとともに、今の火災の話ですね。本当に火災もそうですし、新たに出てきている盗難というのも含めて、そういう防災に対して、文化財の所有者に、本当にそこの市町村の自治体であったり、そういった消防の活動をしておられる皆さんとともに連携していただくような呼びかけは大いにやっていただきたいと思います。公共のために文化財を守るという義務づけの中に、そういったことも、登録を受けている、認定をいただいているということの責務として、みんなで守っていくという気概を当事者が行っていかなければいけないという、そこも呼びかける中で、行政的に補わなければいけないところはフォローアップしていくような、そういう文化財の防災対策というものを確立していっていただきたいので、その辺を申し上げて、質問を終わります。

あらまき隆三

荒巻隆三
(あらまきりゅうぞう)

  • 昭和47年10月27日
    京都市生まれ
  • 自民党府議団 代表幹事
  • 議会運営委員会 理事
  • 議会運営委員会 議会改革検討小委員会 委員長
  • 農商工労働常任委員会 副委員長
  • 持続可能な地域社会に関する特別委員会 委員
  • 京都地方税機構議会議員
  • 元衆議院議員
  • 元株式会社ワコール社員

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