◯荒巻副委員長
今、充足の不充足というところから、今の現代において、子どもたちの環境には、かつてなかったストレスが生じているのかなというふうにおぼろげには感じたのですけど。
◯参考人
このストレスが豊かなストレスなのです。
◯荒巻副委員長
それで、そういう形でパーソナリティーが保てないところがあるのだということをおっしゃっているのかなと思うのですが、多分、西洋心理学的なお話を聞いて、西洋人の自我の持ち方と、日本人はどちらかというと、もっと統合的な自己を持っているような。多分、西洋人がわかりにくい日本人のパーソナリティーというか。パーソナリティーという言葉でもないですね。もっと何か根源的なね。
◯参考人
おっしゃる意味はわかります。
◯荒巻副委員長
それは、たとえいろいろなITや機械とかそういったものの利便性が上がってきたからとかそういうもののせいではなくて、本来、日本の社会というのですか、ならわしとか人間関係全般的に、何かそういうものの変容があってというところのほうがスイッチなのかなとか思うのですよね。何か物すごくバランス感があるような社会だったものが。済みません、自分でもどう言っていいのかわからないのですけれども、やっぱりこういった問題を根本的に解決していく上で今後のヒントをいただきたいのですけれども、日本人というか日本社会はどう立ち返るべきなのか教えていただきたいなと。
◯参考人
いや、教えるとかいうあれではなしに、おっしゃる意味は、文明というのはものの形です。例えば、東京へ行くのは2時間20分で行けるようになった。それを速く行けるというふうに、考えようによっては、2時間は昔のセンスからすると物すごく速いですけれども、科学者から見るとあんなものは速くないと。名古屋とで新しい機関車をつくったらいいというふうな、一人一人によってとらえ方が異なりますから。それで、今の御質問といいますか御感想とか、パーソナリティーというのはわかりやすく言いますと人柄です。人柄というのは色柄とか柄なのです。非常に全体的な一人一人の特徴と理解いただいたらいいですね。キャラクターというのは性格です。それから、テンペラメントといったら気質です。これは自分でもどうしても、かっとなるやつやら、無口なやつやら、一人一人のこれは体液といいますか、そういうもので身体的なものにほとんど影響を受けて私らでもやっていますけれども、お酒を飲んだら顔色が変わる人と赤くなる人、これは自分とは関係ないそういうものですね。そして、気質、性格。気質は医学的、身体的レベルで理解すること。そして、性格は心理的レベルで理解すること。パーソナリティーというのは社会的な立場で理解する人間の特徴やとそういうふうに理解していただく。
だから、今おっしゃったパーソナリティーという理解で十分わかるわけでありますが、アメリカ人の、トータルのヨーロッパ人といいますか、ヨーロッパ文化。これはキリスト文化ですね。そして、トータルで言いますと、いわゆるこのごろのはやりの言葉で言うと肉食系ですわ。日本人は何やかんや言うたって草食系ですね。ただ、しかし先ほど言いましたように、日本人の皆さん方、私は数えでいうと80歳になって、もういつ終わるか、あしたにでもパアになるかもわかりませんけれども、私なんかは腸の長さは6メートルから7メートルありますわ。しかし、このごろの若いのは腸の長さがヨーロッパ人に近づいてきたのですね。それは、つまり草食文化と肉食文化と。だから、我々は健康のためには、草食のほうがいいということがだんだんわかってきたわけですけれども、それはともかくとして、そういう形で整理いたしますと、実は私の専門は運命心理学なんです。運命心理学というと、くじのあの運命かいなと思う方もあるかもわかりませんが、いわゆるドイツ語ではシクザールと言うわけでありますが。その運命というものはヨーロッパ人やらでも非常に関心がある。これを言い出したのはユダヤ人のレオポルド・ソンディという人でありますけれども、運命は選択であると言うのですね。今まさに皆さん方、これ私は永遠に来ない時間で皆さん方と御一緒しているのですね。運命の戯れか知らないけれども、京都府の議員会館の3階か5階か知らない、ここで御一緒しているわけですね。それで、直下型地震がありますと、皆さん方と私は運命をともにしないといけないわけですね。いやあ、運が悪かったとかなんとかいろいろ言いますけれども、とにかく、要するに運命は選択なんですね。だから、永遠に来ない時間を御一緒しているわけでありまして。
それで、今度はここで次の御発言に対する一つのコメントとして申し上げるわけでありますが、日本人は運命を味わうのですね。ヨーロッパ人は運命と戦うのです。それで、若い子はやっぱり戦わないといけない。それはヨーロッパの歴史を調べたらみんな戦うわけです。日本のいろいろなその時代時代の運命、現象があるわけでありますけれども、よく考えると、それは味わっておられるわけですね。だから、それはまた先ほど整理しましたように、デジタル的なアプローチとアナログ的なアプローチ。アナログ的なアプローチは別の意味から自分の人生を味わっているのですね。それに対してデジタル的なアプローチというのは戦っているのです。切っているのですよ。
そういう意味で、今の例でこの中にはお商売で非常に社会で活躍していらっしゃる方もいらっしゃる。とりわけ国際化しましたから、海外からヨーロッパからたくさんこっちへ来られる。そして、いろいろな資料を持っていろいろな交渉をしようとする。すると日本人はそういう場合に、イエスイエスと言ってにこっとしはりますね。イエスイエスと言いますと、彼らはオーケーであるというふうに理解するわけなのですね。それは、せっかく海外から見えたから、それに対してまさにアナログ的に全体を受けとめますから、別の意味からいうと優しいのです。エロス的なのですね。ビジネスというのはタナトスなのです。だから、絶対に彼らはそういうことは言いませんね。
◯荒巻副委員長
非常にどう説明していけばいいかわからないのですけれども、最後結論としては、必ず少年非行の対策に対して結びつけます。今おっしゃったところで、最初、実際カウンセリングとかそういうサポートを個人でやっていくとおっしゃいましたけれども、先ほどから出ている心理学的なアプローチで、確かに男性的、女性的なとかそういった面も、肉食、草食も出たと思うのです。それは多分心理学的に言ったら共時性というのか何かちょっとわからないのですけれども、群れというか一つの集合体として日本のこれからの子どもたちの中で、多分そういう、僕は男性的とか女性的とか不用意に言いたくないですが、個人的には男性的、女性的というのはあると思っていますが、その役割すら全体の中でカオス的になってきているのかなと思うのです。
だから、より今までのアプローチで不可解な事件が起こるとか、そういうパラダイムの中では把握できない状態というのが、これからますますもっと無秩序なものになってきて、そういう社会のまさにこれからの担い手であるし、一つの世相の鏡としての子どもたちの犯罪というものがもう社会全体をむしばんでいって崩壊していくようなそういう危惧のある件だと思うからこの件はすごく大事で、対策していかないといけないと思うのですけれども、そう言いながらどう聞いたらいいかがよくわからないのですが。
◯参考人
だから、デジタル的な事実は物すごく大切なのです。その意味で、こうやって皆ない知恵を絞ってどうしようということを言っているわけで、これはまさにデジタルな成果です。そして今度は、しかしそれを本当の成果に結びつけるためにはアナログ的なアプローチをしないといけないということを言っているのですね。
◯荒巻副委員長
わかりました。ベテラン先輩議員に後はお願いしたいと思います。ありがとうございました。