平成20年府民生活・厚生常任委員会9月定例会 1日目

◯荒巻委員
 1点、丹波ナチュラルスクールの事案について質問していきたいと思います。これは、ことしの夏当時さまざまな報道がありまして、逮捕が出てから、いろいろな事件の解明が進んでいますけれども、本当に、まるで拉致をするとか、拘束器具ですよね、手錠とか。また、暴力の行使に木刀を使ったとか、本当にこれは人権をじゅうりんするようなことが行われていて、幾重にもこれは法を犯して、もう全く人権をじゅうりんした事態です。もちろんこういうスクールでしっかり青少年の主体性を意識した健全な事業を行ってくださっているところもあると思いますけれども、こういうことがありましたので、本府として、今後こういうことが二度と起こらないよう、また現状把握等が今どの辺まで進んでいるのか、教えていただけたらと思います。

◯健康福祉部長
 本件につきましては、さまざまな報道がなされておりまして、私どもは警察から情報をいただいているという状況でございますので、そういったものも十分見きわめていく必要があると思っておりますが、委員御指摘のとおり、やはり人権にかかわる重大な問題であり、一方で青少年の健全育成のためにしっかりと取り組みを進めておられるいろいろな関係者の活動に水を差すものと考えております。
 この対応についてでございますが、本件につきましては、本会議でも知事から御答弁申し上げましたとおり、私ども児童福祉法なり児童虐待防止法、そういうものを、現行法令ぎりぎりのところで精いっぱいの運用をして対応したところでございますが、施設そのものに対する法的な規制といいますか、これについて実態を把握する方法が正直ございません。
 ただ、そうはいいましても、こうした事案を二度と繰り返してはならないという立場に立ちまして、教育委員会、また府民生活部等も連携いたしまして、こういった青少年健全育成等のために取り組みをしておられる施設の実態把握を近々に進めてまいりたいと考えております。
 一方で、今回の丹波ナチュラルスクール事案そのものにつきましては、これは現在捜査中ですので、私どもがいろいろしまして捜査に支障があってはならんということでございまして、それも見据えながら厳正に対応してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

◯荒巻委員
 捜査の中で、児童相談所が確認に行ったけれども、さまざまな恐ろしい目とか、虐待とかそういう形で正直なことが言えない子どもたち、そういう環境とかも本当に難しいと思いますし、実際の調査把握に対していろいろな事情とか難しいことがあると思うのですけれども、やっぱり今後これを機会に考えていかなければいけない。もう社会的にこれは絶対許してはいけないことではないですか。だから、何でこういうことになるのかというところを、本質的にやっぱり考えていただくきっかけだと思います。
 これはやっぱり子どもも追い詰められて、親もともに追い詰められて、そういう状況となる背景的な問題がある。学校とかで追い詰められてしまう子どもたち、そういう状況に対してその状況をよく理解できない親がさらに子どもを追い詰めて、今度は親自身困り果てて入所に至ると、そういうことがあると思うんですね。やっぱり子どもの暴力は怖いけれども、暴力に訴えざるを得ない子どももやっぱり困り果てて、そういう状況を今度施設で暴力で押さえつけるということは、これは解決どころか逆に子どもの意思を無視して入れた親との不信感を余計募らせ、逆効果になってしまう。本当に残念なことになってしまうので、やっぱり親が子どもをいかに、もう本当に困ったとしても、そういう預けることになったら、その場所はどういうところなのか、しっかり自分の目で確かに確認できるフォローとか、あと、そういう状況、そういう相談機能に重点化した政策、こういうことにならないような情報共有とかですね。やっぱりこのジャンルに対して、これからまた複雑化してくるいろいろな家庭問題に対して今、政策的な幅を広げていく時期なのではないかなと思うので、その辺を踏まえていただきたいと、要望を申して質問を終わりたいと思います。

あらまき隆三

荒巻隆三
(あらまきりゅうぞう)

  • 昭和47年10月27日
    京都市生まれ
  • 自民党府議団 代表幹事
  • 議会運営委員長
  • 京都地方税機構議会 議長
  • 京都実業団剣道連盟 会長
  • 京都府カヌー協会 会長
  • 元衆議院議員
  • 元株式会社ワコール社員

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