平成21年11月定例会 (第5号) 一般質問

◯荒巻隆三君
 自由民主党京都府議会議員団の荒巻隆三でございます。
 観光、伝統産業、商店街、治安対策に係る課題につきまして、通告しておりますように知事並びに関係理事者に質問をいたします。
 まず初めに、観光関係についてであります。
 京都といえば観光、そんなイメージが日本人にはありますが、そのイメージどおり日本じゅうから、また世界じゅうから京都に来られる方が大勢いらっしゃいます。昨年の京都にお越しになられた観光客は、府内全域で約7,800万人と、京都府が新京都府総合計画に基づいた目標にされています観光入込客8,000 万人にあと一息というところにまで来ています。昨年は、秋口以降、あのリーマンショックによる経済不況が全世界を覆うといった暗い世相であったにもかかわらず、一昨年よりも観光入込客が300万人以上も増加し、京都の底力を見たという感じがいたします。
 しかしながら、ことしはといいますと、確固たる根拠もありませんが、個人的な感想ではございますが、若干観光客の数が減ったのではないかという気がいたします。私の地元であります東山は、京都でも有数の観光のメッカでありますが、ことしはちょっと人の数が少ないなあと素朴に感じています。ことしは昨年以上に条件が悪いということがあるのかもしれません。経済不況については、多くの先輩議員がおっしゃられているように回復の基調がそれほど見えてまいりませんし、春には新型インフルエンザの発生により、修学旅行の中止などが相次いだ前半でありました。
 こうした中、京都府では、知事が先頭に立ち、いち早く「安心しておこしやす宣言」や「京都へおこしやす!」観光振興事業に取り組んでこられました。正確な統計数字はまだ集計されていないとは思いますが、ことしの観光入込客の見通しはいかがでしょうか。まず、お聞かせいただきたいと思います。
 経済・社会面で暗い要因ばかりで、観光にもダメージを与えているとは思いますが、自民党政権時代に導入しました高速道路の割引、土曜休日等のETC割引による1,000円で高速道路が利用できる政策のインパクトは大きなものがあったと思います。現に、土曜休日には高速道路の渋滞がふえ、多くの方が車を利用した旅行に出られているようで、導入当初には高速道路の渋滞がよく報道されてもおりました。事、観光においては、京都の実力はやはり抜きんでいると自負しておりますし、京都市では秋の観光シーズンの京都市内への車の流入を軽減するために、ことしもパーク・アンド・ライドを実施し、京都市内だけでなく、八幡市、長岡京市、大山崎町に加え、お隣の滋賀県にも駐車場を確保されているようであります。
 この京都市が行われていますパーク・アンド・ライドは、あくまでも京都市内への車の流入を抑えることが目的であり、観光客は京都市内に来ていただくことが前提になっております。そこで考えてみたのですが、京都府でも、京都市内にETC割引で遠方からお越しになる観光客を取り込むようなことを考えてみてはいかがでしょうかと、「ひと足のばし」というキャッチフレーズで京都市内にお越しになる観光客を府域に引き込むことをされていますが、逆の発想で、「一足先から観光を」というようなことはいかがでしょうか。一歩手前からという意味です。そうすることで、京都市内も府域も同時に潤い、来られる方も一味違う京都観光が楽しめるのではないでしょうか。
 例えば、新名神高速が開通し、京滋バイパスの利用が多くなっているようですから、東からお越しになる観光客の方に、まず宇治に来ていただき、平等院や宇治上神社などの世界遺産を観光していただき、JRや京阪を使っていただき、東山を観光して、お食事をしていただく。そして泊まっていただく。車は、駐車料金を取ればよいと思いますが、例えば宇治の振興局を開放するなど。宇治でお買いになられたお土産は、翌日車をとりに来るまでお店で預かってもらえば、荷物も少なく京都市内観光もできる。まさに一石二鳥が、三鳥、四鳥にもなるのではないかと思いますし、鉄道会社も「京都はエコな旅がよく似合う」とPRしておりますから、鉄道会社とのコラボでのPRもできるのではないでしょうか。我が地元東山にも違うルートでの観光客がお越しになれば、また違った楽しみができるのではないでしょうか。
 春に行われます東山花灯路の季節に行うことができれば、インパクトも強いかと思いますが、準備もあり、すぐには取りかかるのが難しいかもしれません。これまでとは違った切り口での対策を進めていただき、8,000万人構想を実現していただきたいと思いますが、今申し上げましたこうした観点に立ってお聞きいたします。
 現在、京都府で取り組まれている広域的な観光政策について、どのように進めておられるのか、御所見をお聞かせいただきたいと思います。
 さて、東山といえば、八坂神社、清水寺、東福寺など、歴史的にも文化的・芸術的にも貴重な神社仏閣などがあり、毎年、国内はもとより外国からも多くの観光客が来られますが、もう一つの顔は伝統産業のまちであります。多くの方が御承知のように、京都の夏の風物詩とも言える全国最大規模の陶器祭りであります五条坂「陶器まつり」には、50万人もの方々がお越しになられます。五条坂は、清水焼発祥の地として、また陶芸作家や窯元、卸売店、小売店が軒を並べる伝統ある地域であります。また、先月には泉涌寺窯のもみじ祭りが開催され、多くの方がお越しになられていました。東山の紅葉の名所、東福寺と泉涌寺の間には約 50軒の窯元があり、毎年この時期に陶器市が開催されています。さらに、春には「日吉窯元まつり」も開催され、東山一帯はまさに一年を通した陶器のイベントがあります。
 これら京焼・清水焼の産地では、これまでから著名な陶芸家や技の確かな職人さんを数多く輩出し、今もなお多くの職人さんが心を込めた作品を多く制作されておられます。この連綿と引き継がれてきた技術を継承していかなければならないと思います。京都には、全国にも珍しい、京焼・清水焼の製陶技術者を志す人が就業のための技術を身につけるための職業能力開発施設として陶工高等技術専門校がありますが、この不況の中、卒業される方々の進路はどのようになっているのでしょうか。
 また、窯元に就業されたといっても、すぐには職人さんと言えるようなレベルにあるとは言えないと思いますし、技術の向上が不可欠になります。当然、日々研さんされていることと思いますが、不況の中、なかなか仕事量を確保できていないのではないかと心配しております。仕事がなければ、ひっきょう若手職人さんなどが研さんする場を失う、そのような悪循環に陥っておられないか、本当に心配であります。伝統を引き継ぐため、研さんを重ねられるよう、こんなときこそ行政が背中を一押ししていただければと思いますが、京都府ではどのようなことをお考えでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
 あわせてお聞きしますが、泉涌寺や日吉の窯元近辺は今熊野商店街になっております。また、五条坂近辺にも馬町商店街などがあります。かつてはかなりのにぎわいがあったそうでありますが、これらの商店街も時代とともにシャッターを閉じる店舗が多くなってきております。近くには、泉涌寺や智積院、清水寺など有名なお寺が数多くあり、多くの観光客の方がお越しになられるのに、非常に残念な思いを持っており、商店街の振興をできないものかと強い思いを持っているところであります。秋の観光シーズンも終盤になり、これから年末年始を迎えることになりますが、商店街の活性化について、どのようにお考えかお聞かせいただきたいと思います。
 次に、暴力団排除を目的とする条例に関して質問させていただきます。
 幾度となく申しておりますが、東山地区は、歴史的にも、文化的・芸術的にも貴重な神社仏閣などがあり、また、祇園地域には多数の飲食店などが軒を連ねる日本でも有数の一大歓楽街であり、名所旧跡には四季折々の風情があり、祇園の町並みや行き交う舞妓さんの姿は、まさに京都の象徴であります。このように、東山地区が国際観光都市である京都の発展に大きく貢献していることを誇りに思いますとともに、今後も東山地区を初めとする京都の地に観光客などが安心して訪れることができる、犯罪のない安心・安全なまちとしてさらに発展することを祈っております。
 さて、歓楽街と申しますと、何か用心棒やショバ代というような暴力団の利権が連想されるところでありますが、平成4年、暴力団対策法の施行を契機とした暴力団排除機運の高まりと警察当局の取り締まりの強化により、暴力団は社会から孤立しつつあります。しかしながら、暴力団は社会情勢の変化に応じて資金獲得活動を多様化させるとともに、組織実態を隠ぺいし、企業活動を装ったり、政治活動等を標榜して活動するなど、不透明化・潜在化の傾向を強めていると聞き及んでおりますが、去る11月16日午前3時ごろには、伏見区日野におきまして、保育園や小学校の近くに所在するマンションの一室に向け、けん銃による発砲事件が発生したところであり、地域住民の不安感ははかり知れないものであります。
 このような中、福岡県では昨今の厳しい暴力団情勢を踏まえ、福岡県から暴力団の影響を排除することに関して、県、県民及び事業者が果たすべき役割を明らかにするとともに、暴力団の影響の排除のために県が行う施策や事業者が講ずるべき措置などについて定めた条例を、全国で初めて、去る10月17日、公布したとの報道がありましたが、本府においても、去る10月10日、東山地区暴力犯対策協議会を初めとする祇園地域の住民や商店主の代表者ら約140人が「暴力追放パレード」を盛大に行い、その際、「九州と同じような条例を京都でも」と、暴力団排除を目的とする条例制定の要望書を京都府警察あてに提出されたところであります。
 私は、祇園地域はもとより、国際観光都市京都のさらなる発展のためには、警察当局の徹底した取り締まりや暴力団対策法の効果的な運用とあわせて、地域住民と事業者が一体となった暴力団排除活動を強力に推進していくことが極めて重要であると考えており、そのためには暴力団を排除する条例の制定が必要であると考えております。
 そこで、警察本部長にお尋ねします。要望書が提出された祇園地域を初めとした府内の暴力団情勢はどのような状況なのでしょうか。
 要望書の提出を受け、府警としてはどのようにお考えなのでしょうか。お答えください。

◯議長(林田洋君)
 山田知事。
   〔知事山田啓二君登壇〕

◯知事(山田啓二君)
 荒巻議員の御質問にお答えいたします。
 観光対策についてでありますが、昨年の秋以降の世界的な経済不況や円高の進行で、ことしは当初から、京都市内のホテルの稼働率も毎月前年比マイナスになるなど、厳しい幕あけでございました。さらには、この春の新型インフルエンザの影響で、5月、6月は大変打撃を受けまして、特に修学旅行のキャンセルは1,000件以上に上るなど、非常に厳しい事態を迎えたところであります。
 このため、修学旅行生の回復に努めますとともに、全国各地での観光キャンペーンやテレビ番組の活用、観光関連団体の誘客事業への支援、修学旅行生への体験事業等を実施し、さらに、京都の秋の魅力を充実させるために、現在、「京都 知恵と力の博覧会」をオール京都で実施をしているところであります。
 こうした取り組みによりまして、秋以降は大体前年同期を上回るような観光地もありますし、京都市内の主要観光ホテルの客室稼働率もほぼ前年並みに回復してまいりましたけれども、経済状況を考えると、ほぼ前年並みというのは私は悪くない数字だというふうに思っております。しかし、それでもことしを通して見ると、大体7%ぐらいの減少になっておりますし、また、主要な観光地におきましては一部増加をしているところもありますけれども、大体通年で見ると、前年から比べると10%程度の減少ということが見込まれておりまして、平成21年の観光入込客数等については、マイナスになることは私は確実な状況ではないかなというふうに思っております。
 このため、今後、さらに観光資源のブラッシュアップ、新しい観光コンテンツの創出、そして、おもてなしの向上等によって京都の観光魅力を高めて、観光誘客と消費の促進に取り組んでいきたいと考えております。
 特に、京都府全体の観光振興を図るには、議員御指摘のとおり広域における観光の推進が重要であります。京都市周辺地域では、JR西日本との連携による京都駅からの「ひと足のばし」観光や、宇治、伏見のお茶とかお酒を生かした連携などを実施いたしまして、宇治市や亀岡市の入込客にも成果は出てきているところであります。
 御提案のありました「一足先から観光」につきましても、京都市内の混雑や交通渋滞緩和のためにも、私は大変大きな可能性を持っているというふうに考えております。ただ、それぞれの地域が置かれている状況が違ってまいりますので、おっしゃいますように、高速道路を通じて京都市に入る前に入ることのできる宇治周辺ですとか長岡京周辺、こうしたところとまた亀岡とでは大分状況は変わっているんじゃないかなというふうに思っておりますので、こうしたアクセスの問題や周辺観光への誘導方法、駐車場の問題等につきまして、今後具体的に検討していきたいというふうに考えているところであります。
 このほか、広域観光におきましては、本年度からやっぱりいろんな角度で京都全体に光を当てていく形で広域観光を伸ばしていきたいということで、食文化とものづくりに焦点を当てました「京都 味の巡礼」と「京都 匠の巡礼」事業におきまして、各地域の個性的な観光資源の公募ですとか、本物に触れる観光へのプラン開発とか、各分野を代表する方々が技へのこだわりの魅力を紹介する、こういった事業を進めて、京都ならではの質の高い、広域的な取り組みを推進しているところであります。
 今後、来年から再来年にかけましては、平城遷都1300年祭、そして国際的には上海万博、平成23年には国民文化祭を初め親鸞聖人・法然上人の御遠忌といったような形で、非常に大きなイベントがメジロ押しになっておりますので、こうしたものも十分に活用させていただきまして、京都への観光誘客に努めてまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係理事者から答弁させていただきたいと思います。

◯議長(林田洋君)
 山下商工労働観光部長。
   〔商工労働観光部長山下晃正君登壇〕

◯商工労働観光部長(山下晃正君)
 陶工高等技術専門校の訓練生の就職についてでありますが、訓練内容が評価され、平成20年度までは陶磁器業界への就職が95%前後と高い就職率を維持してきました。来春の修了生の就職内定者数は、前年同期に比べ大幅に減り、厳しい状況です。このため、今年度は、専門校への求人だけではなく、京都ジョブパークやハローワークとも連携し、積極的に情報収集をするなど、例年以上に就職支援に重点を置き、全力を挙げて取り組んでいるところでございます。
 なお、業界の景況が厳しく、即戦力となる人材が求められていることから、来年4月からは一部の科目を2年制課程に再編し、訓練内容の高度化を図ることになっております。
 また、京焼・清水焼の匠の技の継承につきましては、京都府伝統と文化のものづくり産業振興条例に基づき、職人さんの仕事づくりや需要開拓から環境づくりまで総合的に支援しているところでございますが、後継者育成にも重点を置いて取り組んでおります。
 若手職人が未来に誇りを持って働けるよう、京もの認定工芸士として認定することや、産地組合が実施する後継者育成事業への補助などを行っているところであります。さらに、今年度は、京の名工等の指導のもと、若手職人等が伝統工芸品の制作を通じて技術力の向上を図る「京の伝統産業」未来を担う人づくり推進事業などにも積極的に取り組んでおります。
 今後とも、産地の実情を十分お聞きしながら、職人さんの仕事づくり、後継者育成を初めとする伝統産業の振興施策を推進し、高度な匠の技が次代に受け継がれるよう取り組んでまいります。
 次に、商店街の活性化についてでありますが、元気のある商店街づくりを推進するためには、観光資源など地元のポテンシャルを幅広く活用していくことが極めて大切だと考えております。このため、西陣千本、北野、大将軍の3商店街では、北野天満宮の協力も得ながら、府の緊急雇用対策事業を活用し、出雲阿国の風流(ふり)踊りの現代版イベント「風流踊りフェスティバル」を、つい最近ですが共同開催したほか、東山地域でも観光シーズンに陶磁器関係の団体が中心となって「窯元もみじまつり」を開催されるなど、特色ある事業が実施されており、引き続き、地域資源を生かした商店街の魅力を内外に発信していく取り組みを支援してまいりたいと考えております。
 加えて、大変厳しい経済環境の中、これからの年末年始を乗り切っていただくため、商店街が歳末特別セールや初売りなど創意工夫して実施されるさまざまな事業を幅広く応援する予算を、本議会に提案させていただいているところでございます。
 今後とも、地場産業の振興事業や観光事業とも組み合わせながら、地域のコミュニティの中心となる特色ある商店街の賑わいづくりに取り組んでまいりたいと考えております。

◯議長(林田洋君)
 熊崎警察本部長。
   〔警察本部長熊崎義純君登壇〕

◯警察本部長(熊崎義純君)
 荒巻議員の御質問にお答えいたします。
 まず、暴力団情勢についてでありますが、近年、山口組弘道会による京都進出が著しいほか、先般、伏見区内におきましてけん銃による発砲事件が発生するなど、看過できない状況でございます。
 また、府下の暴力団犯罪の検挙人員は、本年10月末現在832人で、前年同期と比べ65人増加しております。一方、祇園地区を受け持つ東山警察署の暴力団犯罪の検挙人員は、本年10月末現在56人で、前年同期と比較して14人増加をしております。
 次に、条例の制定についてでありますが、本年10 月、東山地区暴力犯対策協議会の代表者から、暴力団排除条例の制定に向けた要望書を受け取ったところであります。警察といたしましては、「暴力団を利用しない、恐れない、金を出さない」これを基本理念として、暴力団の社会からの孤立化を推進する条例の制定に向けて、関係機関との連携を図りながら検討を重ねているところであります。
 今後も、弘道会及びその傘下組織にねらいを定め、その活動実態を解明し、徹底した取り締まりや資金源対策を推進するとともに、暴力団排除条例の制定などにより、社会全体で暴力団を排除する取り組みを強化して、組織の弱体化・壊滅に努めてまいりたいと考えております。

◯議長(林田洋君)
 荒巻隆三君。
   〔荒巻隆三君登壇〕

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あらまき隆三

荒巻隆三
(あらまきりゅうぞう)

  • 昭和47年10月27日
    京都市生まれ
  • 自民党府議団 代表幹事
  • 議会運営委員会 理事
  • 議会運営委員会 議会改革検討小委員会 委員長
  • 農商工労働常任委員会 副委員長
  • 持続可能な地域社会に関する特別委員会 委員
  • 京都地方税機構議会議員
  • 元衆議院議員
  • 元株式会社ワコール社員

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