・第213号請願「介護職員等の処遇改善に関する請願」
審査結果…挙手採決の結果、賛成少数により、不採択と決定した。
◯光永委員
第213号請願についてですが、紹介議員になっておりますので、ぜひ皆さんの賛同をいただいて採択をお願いしたいということから若干発言させていただきます。
先ほどの報告事項の審議の中でもいみじくも部長からも言われましたように、福祉人材確保が今回の第5次京都府高齢者健康福祉計画の最終案の最重要課題でもあると、今後の最重要課題でもあるという話もされました。本請願は、介護職員等の処遇改善に関する請願という件名ですが、その2行目にも書いてありますとおり、今回介護報酬改定を3%引き上げるという答申があったその中心は、介護人材確保の解決のためと言われております。
しかし、そもそも介護保険制度の導入以降、報酬の改定がされるたびに減額をされて、ここにもありますとおり導入以降4.7%マイナスと。今回、報酬を3%引き上げるということでプラスになり、それ自身は非常に重要なことだと思いますけれども、全体としてはまだ削減幅よりも少ない改善幅になっていると。さらに、今回プラス改定の方向が示されておりますけれども、実際には働いておられる方の処遇改善に本当につながるのかということの不安も出されており、実際いろいろ試算をされたところなんかをお聞きしても、なかなか基本報酬部分が上がってないということで、今回の見直しの性格の影響も反映する形で処遇改善につながるのかという数字も実際出ています。
ここに書いてありますとおり、現在、介護労働者の平均月額賃金が約20万円で、一般労働者と比較しても10万円も低いという水準になっており、その改善というのは喫緊の課題です。したがって、その改善を求めることを柱にしながら、具体的には以下に書いてある内容について議会に請願がかかっております。以下については読んでいただいたとおりであります。御賛同いただける内容であるはずですので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
以上です。
◯荒巻委員
本件に関して理事者に数点事実確認等をお尋ねしたいと思います。まず、この請願の本質から少し離れると思いますが、ちょっと数値的に疑問があったので、数値確認というか事実確認です。中盤に「夢と希望を持って介護の仕事を選んだ職員が3年以内に 75%離職している」というのがありますけれども、これは1年間に実際に離職された方の75%ではないのかなと思います。大体平均して全国で2割ぐらいの離職率の中の掛ける0.75という感じならば年間で15%ぐらいなのかなと。そういうところからすると大分表現が違うのではないかという点、実態を把握したいということですが。
あと、これは12月に類似した意見書を提出して可決され、そんな中で国において今回の引き上げがあったわけですけれども、もちろん今後、国においてその引き上げの効果を検証する委員会を設置して検証するという方向を打ち出していますので、もうこれはほぼ類似した内容というか同じだったと思うので、しばらくはその進捗を見極めていったらいいのではないかと思うわけです。その中で、もちろん新年度の予算においてもこういう独自の施策は本府においても予算計上していると思いますし、予算を遂行する中で、また今後のそういう職員さんの処遇改善というものがしっかり決定されていくような方向というのは当然実現していくべきだと思いますし、されていくのではないかということで、それが実施されるなら改めてこれは採択する必要はないなと私は思っているのですが、その辺、現状はいかがでしょうか。
◯健康福祉部長
介護報酬でございますけれども、介護労働者の処遇の改善あるいは勤務環境の整備を果たしていく上で基本となるものと考えております。こういった観点から私どもも国に対し再三再四にわたり要望もしてまいりましたし、そういった中で今回3%のアップが図られたということであります。一方で、府議会でも昨年12月、委員からお話がございましたように意見書も上げていただいたわけでございますけれども、そういった中で、今回の3%で完結をするということではございませんが、大きな一歩が開かれたと評価いたしておりまして、引き続きその趣旨に沿って要望もしてまいりたいなと考えております。
介護労働者の離職率の話については担当課長からお答えを申し上げます。
◯介護・福祉事業課長
職員が3年以内に75%離職したというところでございますけれども、資料の出典がちょっとわかりませんので、私どもが持ち合わせております資料、介護労働実態調査、財団法人介護労働安定センターが調査を行ったもので、昨年夏に発表したものでございますが、そこに似たような数字がございまして、それによりますと1年間に離職した者の勤務年数を見ますと、1年未満が39%、1年以上3年未満が35.7%、離職者の約75%が3年未満で離職しているというような数字になっております。
以上でございます。
◯荒巻委員
部長の報告をいただきましたように、確かにまだまだ改善して実態とのギャップを埋めていかないといけないと思いますので、今、新年度予算で講じていただいた施策、また予算を通じて、私は今の体制でいっていただくことをしっかり見守っていきたいと思いますので、そういう意味からは今のところ採択の必要性はないと感じております。
以上です。