◯荒巻委員
アクションプランや基本計画のほうで、低炭素社会の実現に向けての取り組みというのは世界のスタンダードであると思いますし、京都府としてもぜひ全力を挙げて取り組んでいただきたいということがあるのですが、最近、新聞で見たのですけれども、国際食料政策研究所なる機関が、このまま地球温暖化が現状で続いた場合に、世界の乳幼児の栄養不良の子どもたちが、このままいったら2,500万人規模でふえるという試算がされていまして、温暖化に伴う食料の供給変動というものが人間の生活の栄養面に影響を及ぼすという初の新しい切り口での研究の試みだったと思うという記事だったのです。
何を言わんとしているかというと、もちろんそういう低炭素社会の実現に取り組む一方で、もし実現できなかったとか、仮に目標値を達成しなかった場合に、そのときの備えというか、リスクに対して今できることは幾つかあるのではないかと思う中で、食のことに関してはまさに人類の生命の営みの原点の話ですから、農業とか食といった産業というものは大きく気候変動にもろい産業だというところをとらまえるに当たって、では、その気候変動というものは我々が今、反省している、また、これから課題としている人為的なものに起因した温暖化によってもたらされるものだというふうに考えていく中で、もちろん今、温暖化対策として取り組んでいることもさながら、そういう例えば温暖化が続いた中で耐え得る農作物があるとか、高温に耐えれる我々が供給していける食料を開発していかなければいけないとか、本府だけに言うことではないと思いますけれども、そういう視点をぜひ京都議定書の発祥地の本府だからこそ発信していただけたらなという思いもあります。何か温暖化が目標値に達せない状況でこのまま推移したときに、そのときの備えになるような方向性の御発言等もまた計画の中に入れていただきたいなと思います。やぶから棒にわかりにくい質問だったと思いますが、何となくニュアンスを酌み取っていただいて、お答えいただける御答弁があればお示しいただきたいと、お願いいたします。
◯文化環境部環境政策監兼副部長
地球規模の質問でございましたので、ちょっと私の力ではお答えしかねる部分もあるのですけれども、委員おっしゃるとおり、温暖化が進みますと農業分野で非常に大きな被害が出ると言われておりますし、それ以上に、今の世界的な人口増加の中で将来的に食料がどうなっていくのかというのは、非常に大きな地球規模の問題として我々はとらえないといけないという問題ではないかと思います。
そういう中で、温暖化対策の目標を掲げて取り組んでいくわけでございますけれども、実は短期的に見ますと、農業でも既に高温障害が京都府内でも発生している状況でございまして、そういうところは短期的に当然対策を打っていかないといけないわけでございますけれども、それとあわせて、温暖化対策の中で農業問題をどういうふうにとらえていくのかというところは、私どもも農林水産部と連携をしながらいろいろ考えているところでございまして、今回のアクションプランの中でも、26ページにございますが、農林水産業を通じた低炭素社会づくりを進めるという具体的な柱を掲げまして、温暖化対策という位置づけの中で農業問題をどう考えていくのかということを議論しているところでございます。
ただ、委員おっしゃいましたように、この問題が温暖化が起こって食料が得られなかったときにどうするのかという視点からの対策にはなっておりませんけれども、温暖化の対策として、あるいは温暖化が進む中で、それに対して農業をどういうふうに生かしていくのかという観点から議論を進めておりますので、こういうような議論をさらに展開をして進めてまいりたいと考えております。
◯荒巻委員
今、それで思い出したのですけれども、たしか読んだ記事だと、このままいったら人口増に伴う部分もあって、小麦で2倍から3倍の価格高騰が起こるとかいうこともあったと思いますし、本当にそういう温暖化問題を通じたところからの農林水産業とのかかわりというか、技術革新に向けた促しというものをぜひしていただきたいと思います。これは本府だけということではないのですけれども、問題がグローバルな話だからちょっと線引きが変ですけれども、国際紛争の種とかにも大きくなってくることだと思いますし、日本だけでどうにもならない、京都府だけでどうにもならないと、各国がそんなレベルで言っていてもだめな話なので、本当に京都議定書の発祥地ならば誇りを持って、堂々たる意見を世界に啓発していただきたいと切に要望しまして、質問を終わります。ありがとうございました。