◯荒巻委員
私は、新産業創出事業について質問したいと思います。
今の震災不況や進行した円高であったり、本当にデフレ不況からまだ脱却されない現下の厳しい状況において、我々京都の中小企業も本当に事業環境であったり雇用環境というのは極めて厳しいのが現状認識であると思っています。今も本府が強力に推進していただいている京都経済の基盤である中小企業の底上げであったり、活性化というものに大変力を入れていただいているわけですけれども、こうした経済の低迷であったり、雇用の縮小、この事態を打破していくためには、やっぱりまた、京都の魅力を生かした今後の経済成長として、新産業の創出というものを柱にして、今後の市場開拓であったり、また雇用の創出というものを生んでいかなければいけないと思っています。その今、本府が手がけている新産業創出事業全般について、今の進捗状況を聞かせていただきたいと思います。
◯田中商工労働観光部長
大変厳しい中で、これから京都のものづくりを初めとする産業をしっかり支えていくためには、やはり前向きにしっかり新しい産業づくりをしていく。委員がおっしゃるとおりの支援をしていかなければならないと思っています。そうした中で、まず1つは制度的な部分で申しますと、ことしの3月に、京都産業育成コンソーシアムというのをつくりまして、今まである部分、それぞればらばらであった施策を、京都府、京都市、そして京都商工会議所、京都工業会という形で、オール京都でしっかり進めていく基盤をつくると。そうした中で、ベースを申しますと、先ほどからも話が出ています中小企業応援隊の支援員が中小企業の皆様方に一件一件いろいろな形で相談対応をするという形をつくりまして、その中で幾つか新しい事業を具体的に展開させていただいています。例えば、今年度で申しますと、1つは設備投資の支援でございますが、昨年度からやらせていただいている、京力100億円事業の中で、先ほど小山課長が答えましたように、数的には大幅にふえていまして、こういう厳しい中でとにかく前向きに何らかの新たなイノベーションをしようという企業に対しまして、ことしも支援をさせていただいています。
また、研究開発の部分で申しますと、いわゆるオープンイノベーションといいますか、中小企業だけではなくて、大企業と中小企業が、できない分野を協力しながら、新たな研究開発をして、それを事業化につなげていく。そういう協同で新しい研究開発をするような事業、これをしっかり進めていくと同時に、環境エネルギーでありますとか、ライフサイエンスでありますとか、このような形での新たな課題に直面した技術開発等々への研究開発の支援事業を進めているところでございます。
さらに、経営支援の部分で申しますと、例えばオンリーワン企業認定でありますとか、知恵の経営とか、そういう特徴を持って前向きに進めようという企業に対しましては、具体的な京都府の認定制度等をつくりながら、企業自身のイノベーションといいますか、改革に努めていくための御支援をさせていただいています。
いろいろなことがございますけれども、大きなところで申しますと、このような形で新しい産業育成に取り組んでいるところでございます。
◯荒巻委員
イノベーションを通じた需要の創出ということで、環境部門であったり、健康関連産業の育成とか、国の戦略や中小企業施策と連動する形で進めていただいているのだと思っているのですが、とりわけ京都はコンテンツ産業、今後の本当に大いにポテンシャルを秘めた部分だと思うわけで、そういった成長する分野の拡大であったり、また今までそういう分野と接点がなかった企業を結びつけていくという作業も必要だと思っています。もちろん先ほどのコーディネーターの方がいろいろ相談を受けたり、設備投資等、リスクの軽減があったり、そういうことはなさっていると思うのですけれども、技術や研究の開発だけではなくて、市場と結びつく形で生み出す産業であったり、商品であったり、そういったものが京都の経済の支えになるような発展を遂げていただかなければいけないと思いますけれども、その辺どの程度きめ細やかに、今、展望を描いておられるのか質問いたします。
◯山下企画理事
商品づくりまでは、今までいろいろな形で努力をしてきておりまして、成果も出ていると思うのですけれども、それをきちっと市場に結びつけていくというところが、京都のある種の弱みだったと思っております。この辺で、ことし初めて、「Cool KYOTO展」というのを東京の赤坂サカスでやらせていただいて、一番びっくりしましたのは、コンテンツと絡むような人形屋さんでしたけれども、3日間で1,500万円売り上げを上げられるということになっておりますし、海外市場からのオファーが来ていたり、本当に我々が思っている以上に京都に対する評価が高い、市場の評価が高いというのを実感させていただきました。
こうしたものづくりの基盤から商品開発までを支えて、その上でどういうふうな形で販売、市場開拓をしていくかというところが、今後の大きな課題になっていると。それをオール京都でどうやっていくのかということが非常に大きな課題になっておりまして、先ほど部長が答弁させていただいたような京都産業育成コンソーシアム(コンソ)の中でも大きな議論がされて、京都ブランドみたいな発想が出てきている状況でございます。
◯荒巻委員
進出企業の拡大に大いに応援というか、下支えをしていただいて、販路の拡大という本当に一番課題になっている部分にも、今いろいろな糸口また成功例をモデル的に行っていただいていることに感謝します。
そういったセンスの問題であったり、マンパワーの問題だと思うので、人材育成に関していろいろな多様な分野があるわけで、相談されるコーディネーターには限界がある中で、今まで蓄積されたいろいろな技術や感性というものを、そういう事業化に向けて接点を持てなかった人たちという意味で、どのようにしてそういう分野に人材を呼び込んでいくのかということがまた課題だと思っています。少しそういう戦略的な形でよりこの分野は強化をしていただきたいと思っていますので、ぜひともまたその辺を、今後の施策に反映して、強力に推進をしていっていただきたいと思います。
以上で質問を終わります。