平成24年予算特別委員会 書面審査 農林水産部 本文

◯荒巻委員

私、日本料理の無形文化遺産登録の見込みというか、進捗について、動きがあったので確認をいたしたいと思います。

2月17日に、日本料理の文化遺産への登録申請を決定したということで報道がされておりましたが、定義がそもそも日本料理でというところで進めてきましたが、このたび和食でということで、少し定義について、登録についての見込みはあるのではないか、その反面で、ただ結末が私たちの求めていたものとはいささか違うのではないかという不安の声とかがありますので、和食と定義するものはいろいろあります。広く日本全土にわたってB級グルメからいろいろなものもありますけれども、私、さきの代表質問でも登録申請に向けて知事に答弁をいただいた中では、一定京料理やそういった京都の日本料理に携わる皆さんの励みにつながるものとして進むという見解をいただいたと思っていたわけですけれども、広く日本料理として、和食というよりかは、しつらえとか、おもてなしとか、四季折々とか、いろいろな生活文化に根差したものとしての日本料理として定義されるのであれば、そういう日本料理の本場や頂点、そしてまたルーツや先端を行くものとして京都というものが顧みられるものとして一定よしと私はしたいと思いますが、少しその辺があいまいなので、昨年の政府の閣議決定以降、日本再生の戦略の中で、登録に向けた検討委員会が立ち上がった中で、ずっと農林水産部の方がオブザーブされていたということを聞いておりますので、その辺見解をお示しいただきたいと思います。

◯小田農林水産部副部長

委員お話しのとおり、当初は京都府のほうも日本料理アカデミーと一緒になって、いわゆる京都の京料理、あるいは会席料理というふうなことで、京都の文化あるいは地域に根差した格好の提案をしておりました。農林水産省のほうも、そういった考え方で当初委員会を含めて、そういった提案をしていこうと考えておったようなのですが、その後、韓国の宮廷料理が少し宿題をもらって、要は一部ではなくて、国民全体に支持をされるような形の料理でないとということで、韓国の宮廷料理が少し宿題をもらったようでございます。そういった背景がございますので、改めて今回全国のいろいろなフォーラムとか、そういった中で意見を聞いたところで、最終的に和食という概念でしっかりとこれから申請していこうと。せんだっても新聞等に載っておりましたとおり、文化審議会の特別委員会でそういう方向で、これはよそのところを追い抜いて積極的に申請していこうということで一定の合意決定がなされたということでございます。

以上です。

◯荒巻委員

その経緯はわかりましたが、ただ納得はできないということで、どうこれから働きかけていくかというのが課題だと思いますけれども、では、その和食と定義されるのはどこからどこまでですか。我々はややベタゾーンなものを、非常に文化価値としての側面を見出す日本料理として思っているわけですが、その辺についていかがですか。

◯小田農林水産部副部長

私どもの思いも委員と全く同じでございまして、まずはど真ん中に京料理があると考えております。その上で、もちろんそういった方向でこれからも発信していきたいと思いますが、せんだっても無形文化遺産の国の委員長、座長であります熊倉先生が講演された内容は、少し読み上げますと、「和食は御飯を中心とした一汁三菜が基本形で、自然の恵みを生かした調理やはしを使ったマナーなど重要な要素と説明」という格好で、座長そのものもそういった考え方をしておりますので、まさに京料理がど真ん中にあると考えております。その延長上で、日本料理、和食を無形文化遺産にぜひという方向で、これからも頑張っていきたいと思います。

以上です。

◯荒巻委員

国家的なプロジェクトの中に入ると思いますが、いささか当てにしていたものと、その辺今おっしゃっていただいた御答弁の定義がちゃんと含まれればいいのですが、これだったら世界じゅうの民俗料理的なもので、何か付加価値がすごい消えて、我々の訴えたいものと乖離していくような大変残念な気持ちがあります。まず、世界遺産をとるというそれは非常に大事なステップだと思いますが、これから模索する中で、ことし世界遺産条約の採択40周年記念事業が11月にある。京都でできるという、これも大変な努力だと思いますし、プロモーションについては、商工労働観光のほうとか、そちらのほうがまたメーンになってくるのだろうと思いますけれども、京都がイニシアチブをとれるテーマであるということで、この辺はしっかりしていかないと、京料理の趨勢というか、ポジション、そしてまた京料理がこれから牽引していくであろう日本の食の安心とか安全の回復の契機になる大事なことだと、チャンスだと私は思っていたので、とりわけ農林水産部としては、その40周年事業に合わせた形でいろいろな企画はあると思いますが、いかに料理に発信をするというか、流れが一緒のところで、府内産の食材の普及推進にどう絡めた規格をつくり切るかということが非常に大事だと思うので、今この質問の中では時間がないので、40周年事業についての企画とかがあればお示しいただきたいと思います。

◯小田農林水産部副部長

これは農林水産部だけということではなくて、京都府挙げて取り組んでいく事柄と思っております。そういった面で、今、委員がおっしゃられましたように、11月に世界遺産の京都においての行事がございます。そこにおいては、この日本料理の関係、それから宇治茶あるいは天橋立も世界遺産の登録に向けて、今運動をやっております。したがって、直接的にその中でいろいろな形でPRをしていくということは、少しどうも遠慮しなくてはいけないようなのですが、その前後にしっかりとしたいろいろなPRをするイベントというものを位置づけて、ぜひいろいろな地域にも来てもらうとかといった形で国とも相談しながら一生懸命やっていきたいと考えております。

以上です。

◯荒巻委員

府内の食産業全般にかかわる活性化に努めていただきたいと思いますし、だれを招いて、だれにどう発信していくかということだけきっちり戦略を描いた上で、また関係部門と連携した上で進めていっていただきたいと思いますが、本当に料理人の皆さん、非常に懸念していますし、その辺何かまだ時間がある中でできることなら働きかけていただきたいと切に要望して質問を終わります。

あらまき隆三

荒巻隆三
(あらまきりゅうぞう)

  • 昭和47年10月27日
    京都市生まれ
  • 自民党府議団 代表幹事
  • 議会運営委員長
  • 京都地方税機構議会 議長
  • 京都実業団剣道連盟 会長
  • 京都府カヌー協会 会長
  • 元衆議院議員
  • 元株式会社ワコール社員

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