平成28年農商工労働常任委員会及び予算特別委員会農商工労働分科会6月定例会2日目

所管事項
委員会の所管事項について質問・答弁が行われた。

荒巻委員
観光政策について尋ねます。今、京都への入洛者数が年間5,000万人を超えて6,000万人に近づいてくる中で、特に今、クローズアップされているのが外国人観光客で、外国人の方、国別にどういった動向分析をされて今後の観光政策のマーケティングにつなげていこうかということを今、考えておられるのかを聞きたいと思います。
というのも、いろいろ一足先伸ばしとか、観光客に情報を持たせることが肝だなと私は思っているので、国別にどういう動向、傾向があるとか、今、どこの国の方が一番よく来られているとか、消費量が一番高い国はどこだとかそういったあたりはきちんと把握されているのかなというところを聞いてみたいという思いがありますので、その辺をお願いします。

古川商工労働観光部観光政策監
京都市内の観光客、約5,500万人来られています。そのうちの外国人の方の総数では180万人を超える数が今、京都に来られているという形になります。
細かい数字は手元にないのですけれども、傾向としましてはやはり東アジアの方が7割を超える状況になっています。韓国、中国、台湾、香港、これらの方々で7割を超えるという状況で、これは全国ベースの分析です。それと、観光消費額的に一番多いのは、爆買いというフレーズに示されるように、中国が今までかなり大きかったですけれども、向こうの関税の問題とかいろいろ出てきていますので、消費額自体は落ちてきております。相対的にそれに対して落ち率も少なく消費が多いのは、オーストラリアとか、そういう国の方のほうがある程度の消費額を残されているというのが、全国的な統計になっています。

荒巻委員
国際経済の中でのいろんな状況下で、その年々で、またその国の方の分布というか、入洛者数の増減があると思うのですけれども、特に一定してアジア系の方は多いという中で、SNSとかモバイルを活用していろんな情報を集めているという姿も見かけますし、実際、そうらしいんですけれども、そういう京都が発信しているものに対するアクセスのぐあいとか、情報をいろいろ教えてあげないと、京都も今、海・森・お茶とかそういうテーマ化していくものに、一足先に伸ばして府下に足を運んでもらいたいという思いもありますし、市内においてももっと正しく、またより深く日本の中心地の都としての京都の歴史を知ってほしいなと。その辺の情報の発信というのが今後、さらに観光に来ていただいた上で、経済的にも、またいろんな文化力を高めていただくことの上でも、一番重要なファクターになってくると思うので、その辺の情報を与えるというような情報に関する今の対策状況は何かございませんか。

古川商工労働観光部観光政策監
これまでの紙ベース等々の情報発信よりも、今、御指摘がありましたように、SNSを中心とした発信力が、かなり大きなウエートを今後占めていくだろうというふうに思っています。私どもも特にアジア関係の方が移動される場合には、今はスマートフォンないしはタブレットを活用しながら観光されるという方が大半になっています。そういう部分でいきますと、いわゆるパワーブロガーですとか現地の有名人に類する方、こういう方々によるSNS発信を重視して、各方面からの情報を発信していただいているという状況をとっております。
例えば、美山町あたりには台湾の方がたくさん来られるのですけれども、これはほとんどブログ等々の情報を頼りに来られると。そして、行き方に関しても大体がSNSから情報をとられて、時と場合によってはバスの時刻表とかも全てアップされていますので、そういう形で個人的に来られるという状況になっていますので、SNS関係、ウェブ関係、ここらの情報発信力は強化していきたいと思っております。

荒巻委員
京都としても、府としてもここに誘導したいという、いろいろ企画を行いながらであると思いますけれども、そのSNSのリーチ数のカウントとか分析をする中で、実際に本当に多くの方が来られている。例えばうちの東山区の清水寺なんて京都駅の案内所で聞くと、京都に来ている外国人の2分の1、50%は清水寺に必ず立ち寄るとかそういうことまでは把握されているらしいのですけれども、そういう動線をこっちから引いてあげるというか、誘導していく試みというのをぜひ強く期待したいと思います。特にことしはどの辺を引っ張っていきたいとか、その辺の狙いがあるなら具体的に教えていただきたいと思います。

古川商工労働観光部観光政策監
御指摘がありましたように、外国の方が一番まず訪れられるのが清水寺、金閣寺、二条城、伏見稲荷、嵐山という形になっています。ことしは「森の京都」という形の取り組みもしておりますし、昨年は「海の京都」、来年は「お茶の京都」という形になっておりますので、京都市内だけではなくて、そういう海・森・お茶、こういう方面への動線を持っていきたいなと思っております。
先日も台湾の有名な役者さんが海のほうに入っていただきまして、そこでSNSでライブ配信をしてもらうことで、大体1つのリーチで5万人の方がそれを閲覧していただいているという形になっていますので、そういう形の取り組みをこれからも進めていきたいと思っています。

荒巻委員
ぜひ強めていただきたいと思います。
そして、あわせて観光はそのスポットに来ることだけじゃなくて、見るだけに始まらず、食べる、買う、そこだけにしかないものというものを理解していただくということにつなげてリピート化したり、またそこからの地元に、お国に戻ってからの2次発信というのかな、そこからまた京都への呼び込みをその人たちにもしてもらえるような仕掛けをしていくには、例えば今、清水寺とおっしゃってくださったので、清水寺なら京焼とか清水焼とか伝産がありますよね。そういったものも産業面での振興もあわせた観光を考えていくならば、そっちの情報とかも流して、ぜひ興味を持って購入していただくとか、何かそこでしか食べられないお土産物を食べてもらったり、買ってもらったりとか、そういう商売的な情報についてはどのような状況になっていますか。

古川商工労働観光部観光政策監
SNSのメリットというのは、単に名所旧跡だけの観光情報を発信するだけじゃなくて、今、御指摘がありましたように、清水焼を初めとする伝統工芸系、こういう部分の発信も可能な部分になっています。民間事業者なんかも、例えば製造過程を動画でアップするとかいう形で情報発信していただいていますので、そういうのも踏まえながら、京都に来ていただいて食べる、買ってもらうという仕掛けの仕方について、これからいろんな形で整理をしていきたいと思っております。

荒巻委員
そこは特に民間が主導でむしろ自発的にやっていかなきゃいけない部分だと僕は思ってますので、民間の事業者にどうか、その自発の促しをしていっていただいて、それを後方支援していくのが本府の仕事だと思いますから、今、取り入れているデータとか傾向分析とかを府内の観光に携わる商売、事業者の方に発信して、ぜひ協力体制をこれからいろんなプラットホームの中で形成していってほしいなと思いますので、最後、その辺の試みに対する思いとか今、計画があればお示しいただきたいと思います。

兒島商工労働観光部長
今、委員がおっしゃいましたように、観光と伝産品とを結び付けるという取り組みにつきまして、非常に大事なことだと思います。直接的にはそういうことを、具体的なことができてないのも現状ですけれども、今後は当然、今おっしゃったようなことは頭に置いて進めてまいりたいというのがあります。
あと、ちょっと見方がかわるのですけれども、京都市内は直接入っておられる観光客もたくさんいらっしゃるのですけれども、舞鶴港を通じて京都市内へ来られる方もたくさんいらっしゃいますのと、我々としましては京都市内以外、北部観光のほうにも誘導していきたいというような思いもございます。京都市内は当然のこと、多くの観光客がいらっしゃいまして、そこで今までとは違った、爆買いとは違った京都の特色のあるものを購入していただくように、今後やってまいりますけれども、南部もそうですが、北中部等も今後は頑張って誘導もしていきたいし、現地の物産品につきましても購入を進めるように強化してまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。

荒巻委員
海産物であったり、農林水産業、京都にいろいろ豊富な食材がありますので、そういったものも含めて、ぜひ発信強化していただいて、その上でそちらに足を運ばれるような仕掛けを強めていっていただきたいなと思います。
あと、今度、育樹祭の話とかもありますし、そういういろんなトッピックスも発信してあげられるように、フォローアップをしてほしいなとも思っていますので、それは商工労働観光部だけじゃなく、農林水産部のほうにも最後にお願いしたいと思います。
終わりです。

あらまき隆三

荒巻隆三
(あらまきりゅうぞう)

  • 昭和47年10月27日
    京都市生まれ
  • 自民党府議団 代表幹事
  • 議会運営委員長
  • 京都地方税機構議会 議長
  • 京都実業団剣道連盟 会長
  • 京都府カヌー協会 会長
  • 元衆議院議員
  • 元株式会社ワコール社員

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