平成29年2月定例会 本文


休憩前に引き続き、会議を行います。
次に、荒巻隆三君に発言を許します。荒巻隆三君。〔荒巻隆三君登壇〕(拍手)

◯荒巻委員
自由民主党京都府議会議員団の荒巻隆三でございます。
通告に従い、数点にわたり質問をいたします。明快なる御答弁を理事者の皆様、よろしくお願いいたします。
まず初めに、文化行政の今後の展開と経済の活性化について質問いたします。
先ほどより文化庁についての質問が出ておりますが、創生本部が私の地元の東山に先行開設されるとあって、私も質問をさせていただきたいと思います。これを絶好の機会として、本府にも新たな文化行政への試みをと、この移転が単なる霞が関の切り崩しと省庁移転になってしまわないよう、京都ならではの文化のあり方を我々自身が再認識し、その魅力を高め発信していく形で地方創生を先導していかなくてはならないと思っております。京都にあるものは全て、例えば京料理にしてみても、日本酒にしてみても、世界に通用することは、もはや現実のものとして周知のとおりでありますし、西陣や花街など長く生活文化に密着し、習わしやしきたりが育んできた世界が憧れてやまない歴史もあります。だからこそ、京都はもっと自信を持って世界中から関心を集める我らの京文化の発信に取り組むべきだと私は思うわけでございます。先ほども我が会派の田中議員からも質問がございましたように、いま一度、文化庁移転を契機に、東京一極集中是正と京都から文化行政をリードしていく意義について考える時期に来ていると思っております。
さて、いよいよ次期オリンピック・パラリンピックに向けた動きも各地で活発化してまいりました。さかのぼること1964年10月10日、前日の雨がなかったかのような快晴のもと、第1回の東京オリンピックの開会式が行われたとのことでした。私はまだ生まれていませんでしたのでテレビでの映像でしかわかりませんでしたが、前回の東京オリンピックから52年が過ぎ、3年後の2020年には再び東京で開催されるオリンピックを心待ちにしております。会場問題等で東京ではいろいろと課題解決に向けて取り組んでおられますが、3年後、日本国内には多くの外国人の方もお越しになり、国を挙げてのスポーツの祭典が開催されます。
昨年、訪日外国人の数は2,400万人を超え過去最高となっておりますが、1964年、日本を訪れた外国人の数は約36万人であります。当時の66倍を超える外国の方が日本にお越しになられているということになります。急速に外国人観光客がふえ出したのは、平成24年(2012年)からであり、2020年東京オリンピック開催が決定した2013年には1,000万人を超え、その2年後には外国へ出向く日本人より日本にお越しになる外国人の方が多くなり、3年後には2倍を超える方々がお越しになるという、まさに激増という言葉がふさわしい状況にあります。2,400万人の方のうち、中国、韓国、台湾、香港といった漢字文化圏といいますか、アジアの中でも日本に近い国々からお越しになる方々が75%近くに上るということであり、特に台湾、香港からは何回も日本に来られるというリピーターの方も多くおられるとのことであります。京都にも多くの方がお越しになられており、国内旅行者を含めると8,000万人を超える方がこの数年来、お越しになられておられます。最新の数値である平成27年には、観光消費額も1兆円を超えたとのことであります。台湾、香港からリピーターとして日本に来られるように、国内各地から京都に何度も足を運ばれる方が多いともお聞きしております。言うまでもなく、京都は文化と伝統の宝庫であり、その魅力を味わうために多くの方がお越しになられていると思いますが、ステレオタイプのような有名社寺だけではなく、より深い京都を味わうために、さらに重ねて京都にお越しになるのではと思うところでもあります。東山や嵐山はまさに雑踏といってもいいくらい人にあふれ返っている感じがしますが、そうしたところだけではなく、京都府下一円において、静かであったり、より歴史を感じたり、文化や伝統を感じる、体感する、体験することを求めにいらっしゃる方も掘り起こしていくべきではと感じております。また、1,000年を超える都の地であったことからでしょうか、西陣呼称550年、大政奉還150年といったように、ことしも多くの歴史的な節目を迎えます。そうしたことをより多くの方に発信し、これまでとは違う京都の魅力、伝統と文化をより知ってもらうことも必要ではないかと思うところであります。
折しも2020年東京オリンピックを間近に控え、京都府でも京都から文化・芸術を世界に発信するとともに、国内外の人々と交流、協働し、新たな創造の潮流を起こしていきたいと考えられ、京都文化力プロジェクトに取り組んでおられます。オリンピック憲章では、さきの田中議員と同じセリフで重複して済みませんが、「オリンピズムはスポーツを文化、教育と融合させ、生き方の創造を探求するもの」と規定して、少なくともオリンピック村の開村から閉村までの期間、文化イベントのプログラムを催すものとされています。ロンドン大会(2012年)の例では、約18万件の文化プログラムが実施されたとのことであり、国では内閣官房東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部が2020年以降を見据え、日本の強みである地域性豊かで多様性に富んだ文化を生かし、成熟社会にふさわしい次世代に誇れる遺産であるレガシーの創出に資する文化プログラムを、この1月31日から「beyond2020プログラム」として認証し、ロゴマークの付与をスタートしたところであります。また、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会においても、地域の取り組みを「東京2020参画プログラム」として認証し、大会に向けた盛り上がり、レガシー創出に向けたオールジャパンでの取り組みを進めておられます。
京都府でも2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会等を契機とした、京都を舞台に行われる文化と芸術の祭典として、京都文化力プロジェクトに取り組むこととされております。1月には大学生を対象に「日常生活から見つけた京都文化の発信・体験プラン」コンテストを実施され、地域の魅力の発掘、発信への取り組みをされたところでありますが、地域の魅力を文化を生かして高めることが、より京都の魅力を高めることにつながるものと思っております。
ここで伝統文化を生かした地域の魅力づくりについてお聞きします。京都は南北に長く、各地に地域ゆかりの祭りや伝統芸能が数多くありますが、それら文化資産をどのように地域づくりに生かしていこうとお考えなのか、京都文化力プロジェクトにどのように組み込んでいこうとお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
文化に関しましては、さきのお二方が文化庁関連の質問をされておられますが、文化庁の先行移転を契機に、こうした地域の魅力、京都の各地域の伝統、文化の魅力を全国に広げていくことが必要と考えますが、どのようなことに取り組んでいこうとお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
また、これまでの守るためだけの文化から、より多くの方にきちんと理解してもらい、地域だけでなく、多くの方々から見守られる文化へと転換していくことが必要と思いますが、そのためにはこれまでの文化行政の考え方を変えていくことが必要であると思います。また、府民一人一人も文化に対する意識を変えていくことが必要であると思います。これからの文化行政とはどうあるべきか、お考えをお聞かせください。
観光資源としてのみ文化を捉えてしまうのは繊細性の観点から最近は議論になることも多いですが、例えば宿坊に泊まり、座禅を経験し、食事をいただく、こうしたことは文化的な体験をしていることと同時に、非日常を体験する観光としての側面は否定できないと思います。文化への畏怖を損なうことなく、こうした体験や体感をしていただく機会を多くすることが観光客の消費も取り込み、京都経済の一つの刺激にもなるのではないかと思います。
また、京都文化ベンチャーコンペティションとして、文化を生かした製品開発にも取り組んでおられますが、文化というものが京都経済活性化の促進に重要ではないかと思っております。文化を生かした経済活性化への取り組みについて、今後どのようにお考えなのか、お聞かせください。
京都東山には京焼、清水焼の産地がございます。言わずと知れた陶磁器の産地であり、伝統産業の集積の地であります。西陣、室町、そして丹後といった染め、織りの有名な集積の地も京都は有しております。各宗派の本山近くには仏具関係の集積があります。そのほかにも多くの伝統産業が京都市内だけでなく府内にも有しております。一方で、南区の久世地域、山城地域や丹後地域を中心に機械金属を初めとする多くのものづくり産地を有しております。京都は伝統産業の宝庫であるとともに、現代のものづくり産業の宝庫でもあり、あらゆる面でのものづくり産業の集積地であると考える次第であります。しかしながら、一昔前、これまでの行政施策は伝統産業とものづくり産業等、典型的な縦割りでの考え方により施策展開が行われてきたと思っております。生活様式が大きく変わる中、これまでの伝統産品がなかなか利用されなくなってきていることは事実であり、需要が減少し厳しさを増していると思います。しかしながら、伝統産業をものづくり産業として改めて見直すことで、そこで培われてきた技術力を他のものづくり産業と融合することで、これまでと違った展開が開けてくるのではと思うところであります。そうした中で私が期待をしていますのは、2年後に完成が予定されています京都経済センターです。中小企業を支援する京都商工会議所、機械金属を中心としたものづくり企業の集まりである京都工業会、伝統産業の雄である京都織物商卸業組合、そして京都府の中小企業支援の拠点である京都府中小企業センターが力を合わせ一つの拠点を構築されるわけであります。伝統はイノベーションがなければただの伝承にすぎなくなってしまいます。今回、計画されている京都経済センターは交流のための拠点でもあり、その中で異業種、伝統産業と現代ものづくり産業が交わることで、真の伝統産業として展開していくことが必要と考えますが、京都経済センターを伝統産業の振興という観点でどのように活用していこうとお考えか、お聞かせを願います。
次に、京都経済センターの区分所有について伺います。京都経済センターは、京都経済百年の計として新しい産業拠点を整備するものであります。京都府、京都市、京都商工会議所等の6者で協議を重ねてこられる中で、京都府はこれまでから府が中小企業行政の拠点として所有してこられた中小企業会館の老朽化を踏まえ、経済センターに統合することとされました。このことは府議会においても知事が表明されておりますし、京都府が費用面も含め責任を持って経済センターに移転させるということは誰も異存はないことだと思います。しかしながら、建設コストをできるだけ抑えるため関係者が協議され、民間活力を最大限に導入する手法をとられたこともあり、その中で京都府中小企業センターが代表となって契約を締結していただいたものと理解をしております。こうした中小企業センターの役割を踏まえれば、今後の区分所有に対する費用負担は京都府が基本的には責任を負っていくこととなりますが、府内の中小企業の成長、発展につながる拠点として、今後整備をし、安定的に運営していくことに加え、京都の未来を担う産業を成長させる中核施設として充実強化を図っていくためには、毎年の補助のような不安定なものではなく、京都府ができるだけ早い時期に所有するほうが税負担の問題も含め合理的、かつ、効果的と考えますが、いかがでしょうか。
次の質問に移ります。
観光客の消費を取り込んだ地域商業の活性化についてお尋ねします。
平成27年には観光入込客数、観光消費額、外国人宿泊客数のいずれも過去最高となる中で、観光客の増加を新たなにぎわいや消費を生み出す好機として捉え、商店街を初め、地域商業の活性化につなげていくことが重要であると思います。そうした中で、京都府では商店街創生センターにおいて重点的に支援を行う創生商店街を7カ所選定され、まちづくりにノウハウを有する企業や地域振興に取り組む若手の専門家などが商店街と一緒に活性化策を考え、外部の視点を取り入れて、商店街の特性、課題に応じた活性化モデルの創出を進めているところであります。
平成26年度から先行して商店街リノベーション応援事業として取り組まれてきている東山区の古川町商店街では、空き店舗を活用したコミュニティ拠点として「古川趣蔵」を整備し、職員が常駐して商店店主らとの信頼関係を築く中で、民間ノウハウを生かして「フードコートまつり」や「春祭り」「秋の収穫祭」など、週末に定期的に大型集客イベントを開催し、これまで閑散としていた商店街に多くの来客者が訪れ、にぎわいを取り戻すとともに、店主の意欲向上にもつながっているとお聞きをいたしております。また、商店街を中心に、周辺も含めた白川エリア全体で面としての空き店舗対策を進めたことにより、地ビールのバルや肉専門店によるハンバーグステーキ屋、京料理の老舗による新業態のレストランなど個性的な店舗が増加し、以前はシャッター商店街の印象でありましたが、最近は世界最大の旅行サイトであるトリップアドバイザーや外国人観光客向けの情報誌にも多く取り上げられ、夜間や日曜等に営業している店が増加するなど、目に見えてよい変化が見られているところであります。
同じく平成26年度から重点支援を行っている京丹後市の峰山御旅商店会では、空き店舗を活用したコミュニティ拠点「MOPPEN SPACE」において、買い物に困る高齢者の声を反映した日用品販売のミニマルシェや、子育て世代の交流の場となる「ママベビーの日」など、地域ニーズに合わせたきめ細やかな交流事業を展開しておられます。
平成27年度末から新たに支援を始められた5つの創生商店街でも事業が進捗してきており、笠置駅前通商店街では商店街を核に交流人口を拡大し、人口減少や高齢化が著しい町全体の活性化を図るため、「笠置まちづくり会社」を設立され、笠置駅舎を活用して集客力のある店舗を開設し、自然や歴史を目的に訪れる観光客を商店街や町なかに誘導するための取り組みを進めておられます。
右京区の龍安寺参道商店街では空き店舗を活用して、今月13日に観光案内やレンタサイクル、カフェ等の機能を持つ拠点「たつどう-TATSU・DO-」を開設され、ここを核に龍安寺、仁和寺、金閣寺といった世界文化遺産や立命館大学等に囲まれた地の利を生かして、国内外の観光客や学生でにぎわう観光商店街を目指しておられます。亀岡市のH商店街では、京都スタジアム(仮称)の開設を見据え、商店街内にある必勝祈願の神社「まけきらい稲荷」等の資源を生かした商店街ゼミ「負けきらいゼミ」を開催し、新規顧客を開拓するとともに、地域内外の人たちで亀岡の商店街を盛り上げるための交流会などを開催されております。
福知山駅正面通商店街では空き店舗が約3割まで増加していることから、まちづくり会社「福知山フロント株式会社」を設立し、駅前という立地条件を生かして、国内外の観光客など新規顧客を獲得できる店舗誘致を進められており、今年度中に2店舗が新規出店する予定と聞いております。
東舞鶴中心部の4商店街で構成する東舞鶴商店街連盟では、ゲームやアニメ等でも人気のある海軍のコンテンツを生かして、「艦隊これくしょん」との連携イベントや、「海軍御用達お土産館」のウエブショップ開設などの取り組みを進めておられ、今月13日には商店街を核に地域全体を盛り上げていくためのフォーラムも開催されたところであります。
このように創生商店街ではそれぞれの商店街の特性に応じた形で、増加する国内外の観光客を商店街や町なかへ誘客し、交流人口や消費を拡大するための事業が活発に行われており、こうした取り組みは他地域の活性化のモデルともなるものだと考えております。古川町商店街や峰山御旅商店会における商店街リノベーション応援事業は今年度で終了するとのことですが、こうした商店街を核とした新たなまちづくり、地域商業活性化の成果をしっかりと検証し次の展開へつなげていくことが重要だと考えますが、今後の展開はどのようにお考えか、お伺いをいたします。
分割をいたします。ここまでの御答弁をお願いします。

◯副議長(巽昭君)
山田知事。
〔知事山田啓二君登壇〕

◯副議長(巽昭君)
荒巻隆三君。
〔荒巻隆三君登壇〕

◯荒巻委員
御答弁ありがとうございました。知事がおっしゃるように、今の訪日外国人観光客の動向は確かに爆買いから日本の精神性とか文化性、生活の中に溶け込む形で京都を味わいたいという方がふえているそうで、京都を含めた近畿圏での、これは観光業とか料理業の方の会でちょっと聞いたことなんですけれども、京都はこれだけの文化財がありながらちょっともったいないですねということを聞きます。海外においてはインバウンドをいかに消費に結びつけるかということで今までいろんな施策展開をしてきたわけですけれども、今の最新型の発想はガストロノミーという発想らしいです。直訳すると「文化と料理の関係を考察する」という意味らしいですけれども、フランスにおいてはそういったゲスト志向の文化、また精神性を語りながらきちんと料理を提供することをレストランと言わないでガストロノミーツーリズムとか、そういう言い方で呼称しているらしいんですけれども、現に日本に来る外国人の方も、きちんと日本の文化の中で宿泊ができて、日本らしさを味わえて、そこで日本の料理を食べられるならば幾らでも出すと。ヨーロッパ圏の方で1泊で食事つきで5万円から10万円は平気で出すと。中国の方に至っては10万円から30万円出すとかで、必ずリピーターしてくれるらしくて、最初はよくわからないから、てんぷらとか鍋料理とか、それ一つでメーンになる料理から始めて、だんだん文化性、また精神性を理解する中で懐石料理とかまで至って、みんなそういう繰り返しの中でリピートしてくれるということがある中で、京都はこれほど文化財がありながら、料理屋も物すごくいいところもありながら、ちょっと泊まるところがないなというところで、先ほどの古川町商店街の話に行きますけれども、もちろん創生商店街というのは、やっぱり各地の府下の生活商店街それぞれの地域特性を生かしながら再生していくことだと思いますけれども、観光集積地にある特性を生かす古川町のあるべき姿としては、今よく問題になる民泊とは別の形で、質のいい、きちんとしたゲストハウスが多くできて、そういった形で空き店舗を埋めているというケースも、これは商店街再生としては一つの、先ほども面でとおっしゃってましたけれども、まさに知恩院や青蓮院や八坂神社に続く祇園エリアの北のゲートウエーとして、古川町商店街自体が世界遺産のような価値をみんな見出してくれる中で、散策しながら、そこに泊まれて、それでまた最近出てくる老舗の料理店で朝食をとれるとか、そういった需要をちゃんとつかまえてきているなという意味で本当にいい試みだと思いますので、それも含めて、観光客の消費の取り込みが、また宿泊の点では京都市ともこれからいろんな形でまた協働パネルに載せていっていただきたいことではあると思いますけれども、しっかり取り込んでいただきたいと思いますし、あわせて、それぞれ地域特性に合った商店街の再生も試みを続けていっていただきたいと思います。
 次の質問に移ります。
 次に、北部地域を初めとする人材の確保、育成についてお聞きします。
 先日、視察で北部地域、福知山、綾部の工業団地のお話を伺ってまいりました。長田野工業団地、綾部の工業団地ともにお話を伺ってきた次第でございますが、それぞれの状況につきましては、これまでの御努力のおかげで空き地がないというところまで今至っております。そうした中、懸念されるのは人材の確保であります。これまでも幾度となくこの本会議場におきまして、北部地域での人材をどう確保していくのか議論がなされてまいりましたが、まだまだ解決に向けた戸口にすら立っていない多くの課題があるとの認識をしております。昨今の就職に向けた学生たちの動向は早くから目標とする産業、企業でのインターンシップを行い、就業に向けた準備をしているようですが、企業側もインターンシップを通じて自社に合う学生を発掘する青田買いのような状況にあるように感じております。多くの学生は大企業志向からか都市部でのインターンシップを当然のことと考えているでしょうが、特にものづくりの仕事を望むのであれば福知山や綾部でのインターンシップも、学生がスキルを身につけ、力を十分に発揮していく上で効果的なものではないでしょうか。しかしながら今回の視察において特に感じたのは、企業側の問題意識は人手不足を何とかしたいとの思いではあるものの、インターンシップに理解も示すものの、一部の現場では学生という素人が工場にいることで歩どまりが高く非効率になることから、高校生や大学生といった学生インターンシップの受け入れに消極的だったことであります。府北部地域での労働力が不足していることは大変深刻であります。一方で都心部では多くのインターンシップの受け入れ環境が整っています。そうした地域間格差の中で、このような意識で本当に北部の労働力不足に向けた取り組みができるのでしょうか。まず、この点について、北部地域での学生インターンシップへの取り組みと企画する側の行政、受け入れる側の企業における課題について忌憚なく現状をお聞きしたいと思います。その上で、府北部地域での学生の労働力を確保するためにどのように取り組んでおられるのか、お聞きします。
さらに、よく言われるのが、北部地域での若者が働くための魅力をどうつくっていくのかということであります。働く、住まう、地域で楽しむ、これらがバランスよくなければ、幾ら働く場所がありますといっても人は集まらないと思います。今、働く場所があるわけですから、次に住まうための取り組みに支援が必要と思いますが、どのような取り組みを考えておられるのか、お聞きをします。
また、多くの学生は奨学金の支援を受け学生生活を過ごし、社会人になってからその償還を始めるわけですが、その経済的負担がその後の人生の重荷になっているとの話もよく聞きます。平成29年度当初予算案には中小企業者と府が協力して奨学金返済を支援する「就労・奨学金返済一体型支援事業」が盛り込まれておりますが、北部に若者を呼び込む観点から、この制度をどのように活用されるのか、お聞きをします。
一方で元気な高齢者がたくさんおられます。国も高齢者の定義を見直そうという動きがあります。企業、組織としての新陳代謝も必要なことですから、定年制度も必要だとは思います。日本の年齢構成が大きく変化し、健康面での充実がある中で、働く意欲のある高齢者の雇用促進について取り組みを強化されることを要望しておきます。
次に、府北部における医療の地域間格差について質問いたします。
リニアックやPET-CTを北部医療センター設置する予算が平成29年度当初予算案に盛り込まれましたが、府北部地域にも住民の皆様が心待ちにしておられた質の高いがん治療が受けられるようになるとのことであり、早期に実現させていくことは大変に歓迎されることであり、北部医療センターを気にかけている者の一人として大いに期待をするとともに評価をするものであります。これに並行して、地域医療の充実ということが欠かすことのできないテーマだと思っております。府域どこに住んでいても等しく医療を受けることができる、今回のがん対策はまさにその例でありますが、やはり救急医療体制のなお一層の構築が必要であると考えており、常々質問をさせていただいておる次第であります。その中でも外科医の整備、特に心臓外科医を与謝の海病院が附属病院化する前に府立医科大学本部から舞鶴共済病院に送った医師を一旦、北部医療センターに人員体制整備をし直した上で医療連携をする、すなわち、まずは北部医療センターに救急医療体制がメーンとしてしっかりとあり、教授陣が患者とともに向き合い、次代を担う生徒にも教育を行い、地域医療人材を育てていくのが医大として北部医療センターを誕生させた趣旨と役割であると思いますが、前回の私の質問に対し、地域の医療機関との連携を進めることで対応していきたいとのことでありましたが、その後の進捗等について状況をお伺いしたいと思います。
また、救急医療術後の看護師の配備やICU等、ハード・ソフト両面から対策を講じ始めていただきたいとも要望いたしたいと思います。
次に、ひきこもり対策について質問いたします。
我が国の人口が減少局面に入ってから10年余りが経過し、少子化や核家族化の進行に伴う種々の課題が指摘されてきております。このようなライフスタイルの変化等により、子どもが家族や友人などと一緒に過ごす時間が短くなる中で、良好な人間関係が築けず孤独感を持つ一方で、限られた仲間集団を超えた幅広い交流を持ち、試行錯誤しながら社会のルールを身につける経験が減少してきていると言われております。また、携帯電話やスマートフォンが普及し、コミュニケーションの方法が多様化した半面、実際に顔を合わせて会話する機会が減少し、自分の考えや気持ちをうまく伝えたり、相手の気持ちや思いを感じ取ったりする能力が低下するなど、コミュニケーション能力が矮小化してきていることなどが懸念されております。このような中、学校生活や社会生活において、うまく人間関係をつくれず、成績や業績を他者と比較する中で自己肯定感を低下させ、ついには自宅や自室に閉じこもり、他人とのつながりを断ち切ってしまう、いわゆるひきこもりという現象が生まれてまいりました。
昨年9月、内閣府は若者の生活に関する調査報告書を発表しております。この調査は全国の15歳以上39歳以下の方、5,000人をサンプルとしてアンケート調査を実施し、全国での人数を推計したものであります。この調査結果によりますと、社会的に自立せず自宅を中心とした生活を送り、友人など家族以外の他者と親密な人間関係ができないひきこもり状態の方は全国で約54万1,000人おられると推計されました。この人数を本府における15歳以上39歳以下の人口に当てはめてみますと、京都府内においては約1万1,000人の方がひきこもり状態にあると推計されます。京都府においては昨年11月、京都府内のひきこもり支援団体等を対象に府内のひきこもりの現状調査を実施され、約500人の方の現状をまとめられております。その結果、ひきこもり状態の方は30歳から39歳の方が33.1%と最も多く、次いで23歳から29歳の方が26.2%、19歳から22歳の方が13%となっております。さらに、ひきこもり始められた年代については、19歳から22歳の方が22.5%と最も多く、次に16歳から18歳の方が17.4%、13歳から15歳の方が15.8%、23歳から29歳の方が14.8%となっております。このように社会の原動力となるべき世代が自立せずに親等保護者のもとで就学、就労していない状況は、彼らのかけがえのない人生から可能性そのものを遠ざけてしまい、個人的にも社会的にも悲しい損失的事態と言わざるを得ない状況となっております。また、京都府の調査によりますと、ひきこもり始めてから支援機関に相談に来られるまでに7年以上かかっている方が22.3%で最も多い割合を示しております。そこで、早い段階で支援の手を差し伸べ社会復帰していただくことが大変重要と考えますが、京都府におけるひきこもり支援に関する課題と、より一層、今まで以上に事態を把握し、実効力ある施策展開を施すための今後の取り組みについて、どのように考えておられるか、お聞かせ願います。
次に、府民安心の再構築について質問いたします。
昨年3月に条例改正しました風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例について質問いたします。この条例改正の大きなポイントとしては、深夜営業の規制が緩和された特定遊興飲食店営業がありました。これにより朝まで、いわゆるクラブなどの営業ができることになったわけでありますけれども、本府においては特定遊興飲食店営業の営業所設置許容地域は木屋町地域と祇園地域が指定されることとなりました。ダンス文化振興やグローバリズムは理解するものの、それらに対して、これらの地域は花街を初め、国内外から多くの観光客が訪れる風情ある町並みが残る地域であり、この規制緩和により京都ならではの文化や風情との調和が今後損なわれていく懸念が少なからず地域住民には依然としてあります。願わくば京都らしさを守りつつ、地域の安心・安全を保ち、厳正さの中での運用を続けていただきたいと思います。
そこで警察本部長にお伺いいたします。条例改正後、同地区において、朝まで営業できるクラブ等の設置状況は木屋町地区において何軒か、そして祇園地区において何軒の出店であるのでしょうか。条例改正から1年を迎えようとしておりますが、特定遊興飲食店営業に関して問題が起こらないように、どのような取り組みを進めてこられたのでしょうか。
この条例改正には地区ごとに風俗環境保全協議会を設置することになっておりますが、私の思いとして、京都市内には昔から元学区という地域割があり、それぞれ自治連合会を中心に地域課題に即した各種団体が構成されていて、学区の意思形成や疎通が図られてきており、そういった学区単位で風俗環境保全についても向き合える形がベターであると思うわけであります。祇園地区一つをとっても複数の元学区が所在するということになりますが、地元住民の声がきちんと聞き届けられる体制となっているものなのでしょうか。
その他、近年における祇園・木屋町地区の安心・安全を守るための京都府警察の取り組みについて、違法カジノや案内所は既に一掃いたしましたが、性風俗営業の取り締まり状況等についてもお伺いいたしたく存じます。
さらに、ここ数年においての著しい訪日外国人観光客の入洛数の増加の中で、一部マナーの行き届いてない観光客による治安に関する問題もふえていると言われています。いわゆる民泊客問題に関し、民泊利用者が廃棄物を近隣居住者宅に捨てたり、たばこを隣の家の軒先で消したりといった立地する伝統的美観地域を汚し、さらには河川に投棄を行うなど行き過ぎた迷惑行為さえあると言われております。まずは民泊への許認可を与える市の行政指導からが順序なのでしょうし、利用者のマナーについては事業者からも指導を行うべきものでありますから、行政の指導に従わない悪質な事業者に対しては、にらみをきかせて取り締まる姿勢を構えていただいて、抑止につなげる工夫も講じていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
最後に、これは要望にとどめますが、交通安全の問題について数点お願いを申し上げさせていただきます。京都府内の交通事故件数は既に報道もされておりますとおり、交通事故死者数が統計開始以降最少となる60人になるなど大きく減少させたとのことでございます。これは一つ一つの問題に真摯に取り組んでいただいた成果だと認識しているところではありますが、一方で、先ほども申し上げましたが、訪日外国人観光客の増加に伴って、外国人観光客が利用するレンタル自転車のマナーについては日本の交通ルールになじみがないためなのか、歩行者空間を全速力でベルを鳴らしながら疾走することなどが私の地元であります東山地区においてよく指摘をされております。また、行楽期の観光施設周辺のバス駐車場問題や交通渋滞についても早期の改善が喫緊の課題となっております。今後ともこれら諸課題に対しまして、道路管理や事業者等の関係機関と緊密な連携のもと、なお一層の取り組みを要望するものであります。
以上で私の質問を終わります。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)

あらまき隆三

荒巻隆三
(あらまきりゅうぞう)

  • 昭和47年10月27日
    京都市生まれ
  • 京都府議会議員
  • 元衆議院議員
  • 農商工労働常任委員会
  • 高齢社会の安心・安全対策特別委員会

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