平成30年予算特別委員会当初予算審査小委員会 書面審査 文化スポーツ部 本文

◯二之湯委員長
 休憩前に引き続き書面審査を行います。
 まず、各会派の残りの持ち時間を申し上げます。自民72分、共産13分です。質疑並びに答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。

◯荒巻委員
 私は、府立医大に関連した質問をさせていただきたいと思います。
 きょうは府立医科大学から新学長がお見えでございますし、府立医大に関しては、常々私も知事並びに理事者にいろいろ質問をしてきたところでございますが、直接学長がいらっしゃるので、学長の御見識もお伺いしたいなという思いでございます。
 とりわけこの春4月に、北部医療センター、与謝の海病院が府立医大の附属病院となって、ちょうど5年が経過するわけでございますけれども、医師不足解消に向けての医師の供給であったり、また派遣の大幅な増員によって、北部医療の充実、また推進が大きく図られてきました。府立医大となったわけですから、大きな目的として、北部医療を担う地域の拠点病院として、これから大きくさらに体制を拡充してほしいと思います。もう一つは、医大ですから、そこで若手の医師に大きく学んでいただいて、これからの少子高齢社会における医師不足の問題を解決する地域医療の担い手としての人材を輩出していく、その2つが目指すべき姿の根幹にあると思っております。そのことの認識は、常々本会議場等におきましても知事にもおっしゃっていただいたんですけれども、理想に持っていくに当たっていろいろ支障や困難があるということの中で、とりわけ今優先的に進めていっていただきたい課題は、救急医療の充実だと思うんです。せっかく府立医大ができたわけですから、北部の皆さんにも先端医療の恩恵が受けられるよう、しっかり整備していただきたいと思います。心臓疾患、脳疾患に対する体制も、この5年の中で派遣数をふやしてもらったりもしておるんですけれども、まだ舞鶴の共済病院と連携する中で、府立の河原町の本体から舞鶴共済病院に心臓外科医を送って、応援としてこちらに医師を送っているという現状です。私は、与謝の海が府立医大になったんですから、北部医療センターに教授陣や外科医たちを配置して、必要なときに舞鶴共済病院に送っていくのが筋じゃないのかなということをいつも申しておったんですけれども、広い意味での地域医療としての連携の形があるのでいろいろ困難があるという答弁がありました。まだそこはいまだにすとんと腑に落ちない、納得できないなという思いの中で、いろいろ調べていったら、まだ与謝の海病院には、心臓外科医を置いても、看護師たちが術後管理ができる状態にないということなどもお聞きしました。そうしたら順次乗り越えるべき課題については、例えば河原町の府立医大に研修に送るとか、はたまたハード面で何か問題があるのかというと、別にICUもあるし、そんなことは特にはないというので、課題を順次整理して、北部医療の理想の姿である、あくまで与謝の海を拠点とした北部の地域医療の体制づくりをぜひ達成していただきたいと思っております。よく知事も御答弁の中で、「医大側の御意見もあるので」とか、先ほど冒頭に申しました地域医療人材の輩出においての教育に関しても、理想的な教授がいて、それを慕った学生がみんな集まってきて、そこで学びたいということは、それは理想なんですが、なかなかそういう人材も簡単に見つかるわけではなくて、ならば、誰でもいいというわけではないなら、医大側の意見としても、ゆっくり時間をかけて、しっかり選任してからという、そういう中長期的な見方でいいんじゃないですかということは知事もずっとおっしゃっていたんですけれども、私はそれは逆に急いだほうがいいなとも思っています。よく医大側の御意見とかという形でいろいろ答弁を聞いてきた中で、きょうこうやって新しい学長がおられるので、その辺を含めて御所見を伺えたら幸いに思います。

◯竹中京都府立医科大学学長(参考人)
 ただいま御質問いただきました件につきまして、一番必要なのは人的交流と考えております。京都府立医大では、今60名を北部医療センターに送っております。一体となった人事交流をしていくというのが一番必要なことだろうと思っております。
 それから、とは申せども、北部は広いエリアでございます。おのおののところに公立病院が残るというか、配置をされているわけでございます。公立病院につきましては、新しい公立病院のあり方、経営改革のあり方の指針等も去年から出ております。我々といたしますと、できるだけそれを尊重しながら、本来あるべき京都府立医科大学の分院としてのあり方は出していきたいと。1つは、がん診療については、北部の中心として充実をしていくというところが決定をいたしておりますし、それについての人員配置を進めているところでございます。
 また、もう一つは、分院となりました以上は、知の拠点としての北部の医療センターであってほしいと考えております。この4月からは、大学院医学科の授業の一部分を北部で行っていくつもりでございますし、また北部に勤務していながら、大学院に入学をして、あるいはその高度の技術を習得できる機会というものも設けていきたいと思っております。
 診療科の過不足につきましては、委員御指摘のとおりのところはございます。少しお時間をいただきながら、公立病院がどのようにみずから地域の中で考えを示していかれるか、そこも十分参考にしながら、大学としての立ち位置を決めていくべきだと考えております。
 以上でございます。

◯荒巻委員
 わかりました。ただ、先ほどの質問自体が、指摘というか、要望的なものでもあるので、その辺は十分、いろいろとお含みいただく中で、しっかり念頭には置いていただいておると思いますので、繰り返し言うことはございません。ぜひとも本当のあるべき、最もよりよい形で、北部医療がしっかり充実される施策の推進に当たっての機能を果たしていく北部医療センターでありますように、ぜひいろいろとお考え、お知恵を出していただきたいと思います。
 続きまして、ハード面についてですが、先ほど他の委員からあったかもしれないけれども、河原町の府立医大の老朽化した病棟も含めて、北部もいろいろ改修の必要性があります。私の前の中島委員に失礼なんですけれども、その前任者からはこの間液状化は大丈夫かとかいろいろと言われていたので、しっかりメンテナンスしていって、必要なものはまた議会にも投げかけていってほしいと思います。お願いします。
 これからの医療の果たす役割の中で、看取りや、在宅での緩和ケアなどがあります。今いろいろ機能を拡充してもらっており、先ほどのがんの診療についても、PETなどの予算がついています。緩和ケア病棟が河原町にはできていますね。でも、あれは16床ということで、そこに来てもらうというよりは、むしろそこで緩和ケアの担い手となる人材をしっかり輩出していくための役割と聞いています。看取りの前に、まず、ちゃんと在宅ケアができる、在宅での緩和ケアができる前に、ちゃんと医大にそういうものがあるということがあればこそ、本当の緩和医療の包括的な体制の基盤がそこにあると思うので、その辺に対して、北部は特に高齢化率が高く、地域の医療ニーズに応じて、喫緊にいろんな役割がのしかかってくると思うんですけれども、御所見を伺えたら幸いに存じます。

◯竹中京都府立医科大学学長(参考人)
 緩和医療につきましては、大変重要な点と考えております。今回の診療報酬の平成30年の改定におきましても、緩和医療の重要性というのは十分徹底してきたんだろうと思います。
 ただ、従来の終末期医療と、今要求されている緩和医療は少し違うのではないかというところもございます。がんを専門にする人だけではなく、循環器疾患であったり、脳外科であったり、限られた余生をどのようにみずからの意思で生きられるかということをサポートするというのが緩和ケアとしての大きな意味づけでございます。大学といたしますと、そこら辺を中心に置きまして、京都の大学としては初めて平成20年に緩和ケアという概念を持ち込んだ大学でございますので、できるだけこれを徹底して、がん患者を中心とした従来の概念も踏まえながら、緩和ケア病棟に入っておられながら在宅があり、在宅からまた急性期があり、本院としてはそういったものをシームレスにできる病院として展開していくつもりでございます。
 北部につきましては、私が知る限りでは、16床と本学附属病院と同じ床数でございますけれども、国立舞鶴医療センターに緩和ケア病棟ができると認識をしております。そういった点では、人材を育成して、必要とされる医療施設に送り出していくという努力を今後も続けたいと思っております。

◯荒巻委員
 ありがとうございました。北部を含む京都市内、また南部と広い京都でございますので、京都全域における今後の緩和ケアのあり方についてもさらに進めていただけたらと思いますので、ぜひともまた推進にお力添えをよろしくお願い申しまして、質問を終わります。

あらまき隆三

荒巻隆三
(あらまきりゅうぞう)

  • 昭和47年10月27日
    京都市生まれ
  • 自民党府議団 代表幹事
  • 議会運営委員長
  • 京都地方税機構議会 議長
  • 京都府実業団剣道連盟 会長
  • 京都府カヌー協会 会長
  • 京都府議会海上保安議員連盟 顧問
  • スマートライフ推進京都府議会議員連盟 顧問
  • 日米友好親善京都府議会議員連盟 副会長
  • 日韓親善京都府議会議員連盟 副会長
  • 京都府防衛協会 理事
  • 京都ボーイスカウト振興会 評議員
  • 世界遺産賀茂御祖神社境内糺の森保存会 理事
  • 元 衆議院議員
  • 元 株式会社ワコール社員

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