◯本庄委員
ちょっと今の村井委員の発言ですけれども、ほかの委員とちょっと異質な発言をされていて、これは一言、言っておかないといけないと。
教育というのは、どの子どもも、全人格を完成させるというのがそもそもの目的なんですね。そのためにどのように働きかけていくのか。そうしようと思えば、例えば、かつては50人学級の時代もあれば、私どものときは45人とか40人の学級であったと。それでも子どもたちをどうしていくかということで、さらに少人数の学級を求めてきたと。
後進国と言われているところでの教育とは違って、先進国という日本は、他のOECD加盟国に比べると、やっぱりクラスサイズが大き過ぎるんですね。それでは、なぜクラスサイズを小さくしていくことが停滞しきているのかというのは、先ほどの議論もありましたけれども、かつて三浦朱門さんという方が発言をされて物議を呼びました。子どもたちは5%のエリートさえ育てればよいと。あとの95%は、それなりの教育を施していけばいいんだという発言に代表されるように、子どもたちは生まれつき遺伝で、できる子は5%ぐらいでいいんだと。そういう人間観、子ども観を持って来ているという経過がある。そういう議論がやっぱり少人数学級そのものの実現を押しとどめる重い役割をしてきたということが言えると思います。
ですから、私は京都府教育委員会の京都式少人数教育というのは、少人数学級と相対立するものではなくて、少人数学級を目指すという方向の中で考えられているんだけれども、しかし国から配置された、いわゆる少人数学級用の教員、専科の教員を京都式と称して別に使っておられると。それは何かと言ったらTTだとか、さらには習熟度別だとか、そういうふうに使うようなことになっているのではないかと。
だから、京都府教育委員会が「京都式」ということを言われるのであれば、やっぱり本来の少人数学級をどう伸ばしていくのかという方向で見直しをすべきではないかと思っております。
それからもう一つ、税制度の話を平井委員がされましたけれども、私どもはもともと、これはきのうも紹介をしましたけれども、日本の文化の予算が極めてヨーロッパ諸国に比べると低い位置にあるというのは、やっぱり日本の最大の弱点であります。税金の集め方や使い方、これがいびつになっているということです。人間を育て、人間を豊かにするところに残念ながら予算が回されていないという結果ではないかと思います。何も新たな税を特別に徴収しなければ日本の国家財政が回らないというようなことでは決してないと考えております。
◯荒巻委員
請願の要旨については、よく私も思うところはあります。ただ、そこから1、2、3、4、5と、この項目が出ていますが、今、大方の議論を聞いていたら1番、2番の話で、目指すべき姿というのはまだまだ余地はあるのかもしれないけれども、私が聞いている限りでは、かなり京都府はトップクラスの手厚いきちんとした支援を講じて、ここまで進めてきているというふうに私は尊重をしている立場です。
そして、まだ議論に出ていない3、4、5のところなんですけれども、特別支援学級また学校についても、これはきちんと多様な教育ニーズに対応できる所要人員というのは措置して、京都府としてもやっぱり実施していると私は聞いています。また、通常学級の小・中学校に対しても、発達障害の児童や生徒さんのためにも非常勤の講師を100名以上きちんとストックをしているというふうにも聞いています。また、より基準の向上を求めて、国にも要望しているというふうに聞いております。
また、特別支援学校の設置基準、教育条件の整備、これも南部井手町のほうとかできちんと今進めていたりしているということも聞いていますし、また通学での工夫であったり、施設の増築も進めていると前に報告を受けていたような気がするんですね。
また、統廃合の問題についても、やっぱり各市町村の議会の住民の合意であったり意思を尊重して、きちんとそこの議会の審議や議決を踏まえた上で丁寧に対話をして進めて成り立たせているというふうに、私はいろんな地域、丹後のほうでもきちんとできているというふうには聞いているんですけれども。
理事者のほうに一応念のために確認をしますけれども、そういう認識で合っているんでしょうか。合っているならば、ちょっと請願はなじまないのかなと思います。
◯橋本教育長
特に統廃合等の問題ですけれども、当然それぞれの地域、小・中学校ですと各市町村ということになりますけれども、そこにおいて丁寧に議論を重ねて、もちろん100%の住民合意というのは現実的には不可能ですけれども、ある程度の本当に納得がいく形の中で統廃合を丁寧に進められていると思っております。
◯荒巻委員
それについてはわかりました。ありがとうございます。教育長から賜りました。
聞きたかったのは、あと障害のある子どもたちの教育の豊かさのための発展の工夫とか、あと今の学校施設の財政支援とか、そちらの3、4のほうの進捗というか、今の現状についても、どなたかお答えいただきたいと。
◯橋本教育長
特別支援学校に関しましては先ほど来お話がありましたけれども、確かに南山城支援学校の過密な状態というのはありましたけれども、その中で、あらゆるできる手段というのを講じまして改善に努めてまいりましたし、今、取り組んでおります井手の支援学校が完成することによりまして、条件というのは大幅に変わってくる。また、それ以外の今、取り組んでおります向日が丘支援学校についても、施設の環境を整えていく。この辺は順次ということになりますけれども、努力をしておりますし、義務教育における特別支援教育の支援員、これも本来市町村のほうが配置をするものですけれども、京都府の場合は府のほうで100人規模ということで支援をさせていただくということで、さまざまな手立てを講じさせていただいてると考えております。
◯荒巻委員
ありがとうございました。
所管事項
委員会の所管事項について質問・答弁が行われた。
◯荒巻委員
文化スポーツ部さんのほうに聞きたいんですけれども、2019年に国際博物館会議、ICOM京都大会は今、決まっている段階でどういう内容になるのか、ちょっと教えていただきたいと思います。
◯田中文化スポーツ部副部長(文化担当)
ICOMにつきましては、全世界中の140カ国以上の博物館・美術館なりの学芸員とか館長さんとか、そうした研究者の方の専門会議でございまして、それが9月1日から1週間、基本的には宝ヶ池の国際会館のほうで総会と分科会がされるというところでございます。
そして、京都府と京都市が一緒になりまして地元のほうでそうした交流事業なりをしていこうということで、現在、具体案については検討をしているところでございますけれども、1つは北山地区のほうで皆さんに交流をしていただこうということで、現在、歴彩館と植物園を活用したプログラムをつくろうということで、1つ検討しております。
それから、6日目、最終日の前の日になるんですが、そちらのほうで参加者のためのエクスカーションを幾つか今コースをつくっておりまして、京都市さんは京都市内のほうでコースをつくっております。京都府のほうは市以外の丹後、中丹、そして山城といったところを、できるだけそうした専門家の方のためにもなるような、特に文化の紹介につながるというところを、特別なと言いますか、そうしたコースの具体案を今つくっているところでございます。
◯荒巻委員
その会議の結果、まず、どういう効果を期待しているのかということと、やっぱり世界に誇る文化都市京都として、せっかく京都でやってくださるわけですから、持て余すことなく京都のこの文化力を目覚めさせていきたいし、また府民に啓発する機会にもしていきたいわけですから、やっぱり事前に何をしていくかということ。宣伝であったり、また認知度を高めることとか。そしてまた何を目的としているのか。やっぱり、博物館って本当に文化の発信拠点だと思うし、文化に親しむ場所のまず一つの系統だとも思うし、またもっと多くの意義もいっぱいありますね。
世界140カ国から3,000人ぐらい来るんでしょう。来ていただいて、何か実りのある、結果のある会議にしてほしいなという願いと、京都側から何かアプローチをして本当にそういう人たちの知恵を引き出していかなくてはいけないと思うんですれけれども、その辺についてはどうお考えですか。
◯田中文化スポーツ部副部長(文化担当)
今、京都府のほうで、これもまた市域外になるんですが、それぞれの地域にございます博物館、こちらのほうのネットワークをつくりまして、現在55館加盟していただいていますけれども、まずミュージアムフォーラムと言いまして、そちらのほうでそうしたICOMに向けての取り組みを進めようとしております。
特にICOMの今回のテーマと言いますか、普遍的なテーマかもしれませんけれども、博物館・美術館が地域のために何ができるかといったところをテーマに捉えて会議をされるというところですので、まさに私どもの地域にある博物館が地域にとってどんな効果を狙えるかというところもありますので、今回いらっしゃる世界中の博物館の方々と交流をすることによって、先進的な事例ですとか、そうしたところは吸収できるかなと。
現在、そのためにというのもありますけれども、そうしたネットワークに加盟いただいた55館で、ことし舞鶴ミーティングというのを9月にさせていただいたんですが、これはプレ大会になるんですが、そうしたところに合わせまして無料で皆さんに入っていただこうというような取り組みをさせていただいたり、その際に特別企画展みたいなことも考え合わせて、住民の皆様にもPRをしていったというところでございます。
◯荒巻委員
あと、京都で行われるということで、ここを十分ね、全国に二千数百あるわけですしね。せっかく世界からそういうプロに来てもらうので見てほしい、誘導もしてほしいなと思うし、京都のことを発信する機会にも結びつけてほしいと思います。
あと、プロの学芸員が3,000人規模で来るわけですから、地域の今の博物館の役割だけじゃなくて、やっぱり次の世代の子どもたちに結びつけてほしいので、何か国に対しては、どういう言い方をしているのかな、博物館子ども会議、博物館子どもフォーラムみたいなものも京都のそういうレガシー継承事業の一環として同時にやってほしいみたいな動きをしているということもちょっと聞いているんですけれども、それは物すごくいいなと思う。世界と結びつく中で子どもたちに博物館のことをちゃんと教えられるというのは、本当に千載一遇のチャンスだと思うので、本当にこの機会で何かチャンスロスというか、機会損失がないように。もう文化の京都なんですから、そこで住まう子どもたちにいい機会を、そういう学芸員さんたちと何かコンベンションできる機会とか、何かその辺について今、言及できることはないんでしょうか。
◯田中文化スポーツ部副部長(文化担当)
今、荒巻委員がおっしゃいました子どもたちの博物館会議と言いますかミュージアムフォーラムですかね、それはちょうど文化庁のほうでできないかということで予算要求をされているとお聞きしていますので、ぜひともそれを京都でやっていただきたいということで私どもも国のほうへ要望をしているところでございます。
また、本当に今おっしゃられたとおりでございまして、子どもたちのために、博物館なりを活用して教育プログラムが組めないかというのもやはり課題だと思っていますので、そうしたところも踏まえて世界中の博物館の方々とも交流を進めていきたいなと思います。
◯荒巻委員
結びにします。実現する努力を、ぜひお願いします。
また、オリンピックの文化プログラムとか、あと今いろいろやっているアーツ・アンド・クラフツということとも何か、せっかくそういうものに一番知識のある方、しかも世界の目で、京都でちょっと一足伸ばせばこんなに近くでやっているということで、滞在している間に本当に誘導してあげてください。いろんな効果を持て余すことなく結びつけて、実のあるものにしてほしいということを切に要望しておきます。
あとは、話が戻りますけれども過日にあった台風と豪雨災害で今はまだ職員さんも大変だと思いますけれども、まだ復旧できてない文化財がいっぱいあるんです。お話のほうを伺って、いろいろ調査に来てくれている等はあるんですけれども、私の住んでいる地域も非常に大打撃を受けて、壊滅的な状態なところでまだ直っていないところはいっぱいあるんですけれども。一定、全体的な話で、どこだけを助けるとかそういう話じゃなく、きちんと全部助けてあげてほしいので。大体、見通しというか、復旧の作業の進捗を教えてください。
◯森下文化財保護課長
ことしは本当に台風、豪雨がたくさんございまして、府内多くの文化財のほうが被害を受けてございます。京都府指定登録の文化財につきましては、既に補正で予算をいただいておりますので、順次、修理のほうを着手していただいているところでございます。
また、国指定の文化財につきましても、文化庁のほうの補助事業に採択していただくように調整をしておりまして、今後、国の補正が固まってまいりましたら、すぐに修理の補助事業のほうを進めさせていただく予定をしておりますので、どうしても所有者さんのほうの財源の関係もございますので、その辺の調整がつき次第、補助事業で取りかかっていただく予定をしているところでございます。
以上でございます。
◯荒巻委員
あと、未指定でも暫定制度の利用で保護してあげていると言っているんですけれども、そちらの制度はうまくできていますか。使ってはりますか。
◯森下文化財保護課長
暫定登録文化財につきましても、今年度被害がございましたところにつきましては、順次補正でお願いしましたお金で着手できるところから着手していただいてるところでございます。
以上でございます。
◯荒巻委員
ありがとうございます。取り組みを着実に進めて、早く復旧をお願いします。
また、国にもそういうのをぜひ充実してほしいなという要望も続けていただけたら幸いに存じます。
ありがとうございました。