◯荒巻委員
私はまず、ICOM京都大会2019年開催費について御質問させていただきます。
ことしの9月1日から9月7日までの1週間ということで国際博物館会議京都大会が行われるわけですけれども、去年質問させてもらっていますけれども、僕はあのとき、これに付随する子ども博物館会議というのも一緒に、決定したのならばやっていただきたいということで話をしていて、世界から博物館の多くの有識者たちが4,000人規模で集まるということで、そういった世界中の、社会での博物館の意義とか、いろんな物の見方ができる方が、文化の町京都に来ていただいて、これからの担い手である子どもたちとぜひ接点を持たせていただけたら、よりよい博物館会議になるんじゃないかなという話をしていたんですけれども。
きょう、逆に、差し迫って博物館会議自体の確認をしたいんですけれども、私も調べていまして、ICOM京都大会の前に、ICOMの国際博物館会議って何ぞやともう一回確認をしましたところ、もともと第2次世界大戦が始まる前にアメリカの方がこのICOM会議をやろうと発案されたと聞いて、その当時は、植民地とか世界は大変な動乱の中で、例えば中東地域の文化財、5,000年前、7,000年前の文化財は全部アメリカのメトロポリタンが持っていったとか、大英博物館が持っていったとか、フランスのルーブルが持っていったとかで、もう文化の奪い合いの中において、世界の博物館が協力し合える体制というものが必要であって、その中で、世界レベルでどうやって文化を守るとか、国際社会にとっての博物館の存在意義とか、そういうものを語り合おうという場で、余りにすごく大義で広義な存在の会なんだなと思ったときに、果たしてこれが京都に来たときに、舞台は京都だけれども、我々京都としては、まさに多くの日本の歴史舞台であって、この文化財を多く所有する京都が、それを背景にこれだけの国際的な観光的な評価を得る町にもなったし、さらに本当の意味で正しい日本の京都の文化を伝えていける、発展を遂げていく上で大きな機会になるかなと思ったんですけれども、何か絡まないんじゃないかなという不安を、ICOMの発足に当たっての本来の流れと、国際的な視点と、我々が期待するところにちょっと差があるのかなと思ったんですけれども、そういうところの見解というのはございませんでしょうか。
◯田中文化スポーツ部副部長(文化担当)
先ほど委員がおっしゃったとおり、確かにそうした大きな理念のもとで始まったICOMでございます。今回、京都大会に当たりましては、そのテーマといたしまして、博物館が社会のために何ができるかというところをテーマに大きく捉えておられまして、また、その中では、地域のための博物館というところを1つ大きなテーマとして捉えておられます。そうした中で、京都府としても、京都府内のミュージアムをそれぞれネットワークしましてミュージアムフォーラムというものをつくらせていただいたという中で、そうした国際的な博物館の皆様と、京都府、京都市を含め、こちら関西の博物館の関係者の皆さんが、地域あるいは社会にとって博物館はどうした役割を担っていくことができるかというところを交流の中で深めていただければとは考えております。
◯荒巻委員
せっかく来ていただくことは本当にありがたいですし、大きく乗っかっていって、京都府民にとっても日本国民にとっても、これを啓発の機会にぜひ大きく仕上げていただきたいんですけれども、じゃ、まさに社会的にどういう存在意義があるのかと問われた場合、それに見合った答えは府としての見解をお持ちでしょうか。
◯田中文化スポーツ部副部長(文化担当)
一つは、先ほど委員がおっしゃっていましたように、特に子どもたちのためにといいますか、教育のために博物館をどう活用していくかというところで、今回もこうした機会を通じて教育プログラムみたいなことも大会の中で示していきたいということもございますので、各地域にたくさんあって、今もミュージアムフォーラムに64館に入っていただいておりますけれども、それぞれの地域の文化をいかにしてその博物館を中心に伝えていくかというところで、次世代の育成は非常に大事なテーマかなと思っておりますし、そうしたものがこの大会を通じて出てくればなとは思っております。
◯荒巻委員
おっしゃるとおりで、ぜひ出てくるように仕上げてほしいんですけれども、その前に我々自体が、我々の自国文化をしっかりある程度定義して、共通的な認識を整える準備も必要なんじゃないかなと。それをなしにやって、おぼろげな輪郭のない形の会議になったら本当にもったいないなと思ってしまうんです。そもそも、この場所で私が、我々の固有の自国の文化をこのように愛しなさいとか、こういうものを愛しなさいということはしませんけれども、何がしかそういうプレというか事前段階である程度醸成しておくべきものもなしで、何か子どもたちにただ、世界はこんな感じだよというものを与えたら、逆に何かちょっと不安を覚えるというか、それでいいのかなという何か漠然とした疑問があるんですが、その辺の御見解はありませんか。
◯田中文化スポーツ部副部長(文化担当)
委員のお答えになるかどうかあれなんですけれども、博物館があるそれぞれの地域で次世代に向けた取り組みということで、地域の伝統的な文化ですとか、あるいは芸能ですとか、もっと言えばお祭りですとか、そうしたものに親しむとか勉強するという取り組みを通年通じてそれぞれの地域でされておられますし、私どももそうしたお手伝いをするということで学校に専門家の派遣をさせていただいたりとかというのは、もうこの何年かさせていただいているところでございますし、平成30年度は、文化庁からも支援をいただきながら伝統文化親子教室というものもさせていただいたりしております。来年度もまた予算をお願いしておりますし、そうした取り組みを通じて、特に子どもたちに対して地域の文化みたいなことを勉強していただくように進めていきたいと考えております。
◯荒巻委員
かしこまりました。いよいよ平成が終わり、新しい御代がわりになるところですから、何か、その年にあるめぐり合わせのこの機会において、また我々としても、我が国、京都、そういったものの文化の、何かみんなが誇りを持てる、愛せられる文化認識みたいなものが一つ浮かび上がるようなことになればいいということを大いに期待して、次の質問に移ります。
関連なんですけれども、今、昨年末に国で日本博の構想が上がっていますけれども、これに京都は関与していくことになるんでしょうか。
◯山内副知事
日本博について申し上げますと、これは非常に大きな、閣議決定をされた一つの事項になってございます。京都に文化庁に来ていただく、要はその拠点地になる京都が、この日本博にかまないはずはないんではないでしょうかといって、実は文科省と話をしておりまして、文化庁としても、この日本博といったものの一つの拠点として、例えば東京と京都をということなんですけれども、これは全国展開もされたいとおっしゃっているんですけれども、拠点をぜひ京都に置いていただきたいということを申し上げております。日本博はまさに京都の文化と伝統を土台にしながら、そして2020年等のそういった流れの中で世界に打って出る、そういった日本博といったものを改めて世界に提示していく大きな機会になるんではないかと思っておりますので、ぜひとも日本博の開催の一つのメーンを京都に置いてくださいということを申し上げているところです。
◯荒巻委員
今、副知事がおっしゃっていただいたとおり、まさに京都がメーンになるべきだと思いますし、全て日本を語る上で、どこの地域をテーマに挙げようが、必ずバックグラウンド、根底には京都の文化というものはあると思っているので、その辺は強く進めていっていただきたいとは私も思っています。ただ、あの閣議決定の中身は日本でやるということでしたか。
◯山内副知事
日本博自体は、ことしパリでもやっていらっしゃいます。既に大々的にやっていらっしゃって、パリにおける日本博というのを国交60周年を記念してやられたんですけれども、あれはどちらかというと外務省主体になっていらっしゃいましたので、実は私のほうで、日本博をパリで展開されるのであれば、京都の伝統文化ですとか文化を何で持っていかないんですかと外務省の課長にも申し上げてきたんですけれども、余り準備の時間がなかったということもあって、基本的には東京にある文化を中心に抽出されて、次々と展開をされたというのがパリでの日本博だと思いますので。今回の日本博自体は、おっしゃるようにどこで開催するとは書いていないわけですけれども、先ほど申し上げたように、東京だけではなくて、日本の中のまさに文化の発祥の地でありますこの京都でぜひともやってくださいということを強く申し上げているところです。
◯荒巻委員
済みませんでした。私の勘違いというか、余り頭の中で整理していなかったんですけれども、確かに国内でやるなら、おっしゃるとおり京都でやってほしいです。場所が決まっていないんだったら、別に国内にこだわらず海外へ出向いていったほうが、よりいいんじゃないのかなとか、ある程度地域を絞ってということを僕は言いたかったんですけれども、今の流れだったら、あくまで国内だということ。あと、閣議決定の内容の資料を見たときに、中のメニューというかパッケージが、北は北海道、南は沖縄までとすごく、何か地方創生の目玉のオンパレードみたいになっていたんです。そういう舞台に使えれたらいいけれども、そういう舞台が逆転して、何かメーンになっているのも変だなと思ったんですけれども。食べ物から陶磁器から絵から建築から、何かすごくオールミックスなので、国に我々も言いたいですけれども、何をしたいのかもうちょっとはっきりしたほうが、輪郭を整えられたほうがいいということは京都府としても見解はございませんでしょうか。
◯山内副知事
この日本博に関しても、ずっと私は文化庁の皆さん方とお話をしてきた経緯がありますのでお答え申し上げますけれども、日本博をやるのであれば、まさに日本博というのは一体何なんだといったところの、本当はそういったきちっとした文化的なイメージをお持ちになって、そして我が国を支えてきた文化というのは何なんでしょうかということをメーンに置きつつ展開されるべきだと思うんですけれども、文化庁としては、それぞれの地域を支えてきたのもそれぞれの地域の文化であるといったお考えをお持ちのようでございますので、日本を各地で支えてきた文化についても光を当てたいという思いも持っていらっしゃったかなという感じはします。ただ、具体的にどう実施をされていくのかというのはこれから決まっていくんだと思うんですけれども、メーン会場は京都は外さないでくださいということをずっと申し上げている状況です。
◯荒巻委員
ありがとうございました。僕も別にそれぞれの地域を支えてきた文化を全く否定する気もないし、それぞれに光をぜひ当ててほしいと思うんですけれども、多分、場面というか、ここでどう訴求するかと考えたときの戦略としては、何か順序とかもうちょっと工夫があったほうが結果としてよりよく、また、ほんまの意味で、京都がよく言っている一足伸ばしになって、京都からほかの県とか、そういう恩恵は広がっていくんじゃないかなとだけ申して、ほかの質問に移りたいと思います。
府立医大の学長に来ていただいているので、常々申していました、がんゲノムの医療連携拠点について、特に小児科と呼吸器系で専門にゲノム治療を進めて、患者の経済的、身体的負担を軽減する形で貢献していくという方向性を7月に御表明していただいて本当にありがとうございました。進捗のほどを教えてください。
◯竹中京都府立医科大学学長(参考人)
既に連携につきましては、患者様がいらっしゃる中でのことで進捗をしております。現在、もう一つ連携拠点病院の認可が厚労省からも来ておりまして、ぜひそこにも我々も手を挙げていきたいと、鋭意準備をしているところでございます。
◯荒巻委員
連携する中核拠点は、もう定められているんですかね。京都は京大附属病院ですけれども、あちらではなく、何か関西や、あと首都圏方面とかと、何かメディアでは見た記憶があるんですけれども、いかがでしょうか。
◯竹中京都府立医科大学学長(参考人)
さきにおっしゃいました京都大学を初め、慶応とか、もともと施設を限って国家予算がおりた中で、がんゲノムに対する中核的な研究をするというのは定められているところでございます。現行、連携病院というのが四十幾つ出てきておりますが、その間をもって幾つかの病院と連携をしながらゲノム医療をさらに推進するという制度が構築中でございます。そこのところに我々とすれば入っていきたいと考えております。
◯荒巻委員
ぜひ進めていただいて早く稼働してほしいんですけれども、たしか国指定の要件を満たす医療従事者の数は確保しているとも伺っているんですけれども、その辺からして、あと何が足りないんでしょうか。
◯竹中京都府立医科大学学長(参考人)
施設面での一番大きな課題は、いろんなものを調べたけれども、この方にはこの薬が一番いいですよという、ゲノム医療についての解説といいますか、そういったことのできる専門家は日本中を探しても今100名もいない段階で、そこの人材を今、我々としても育成しておりますし、他施設からも協力を得たいと考えております。
◯荒巻委員
人数は確保しつつも、さらにその育成をしてということですね。
◯竹中京都府立医科大学学長(参考人)
がん治療の方向性を見ますと、いろんな形は予想されますけれども、化学療法につきましてはゲノムとリンクをしたもの以外、生き残っていくすべはないだろうと考えています。そういったことを考えますと、3年とか5年のスパンでより多くの人材を育成する必要はあろうかと思っております。
◯荒巻委員
道のりはまだあと数年あるかと存じますけれども、ぜひともスピーディーに進めていただけるためにも、我々府議会も協力していきたいというのはまた私個人の意見でもありますけれども、思っていますので、またいろいろお話を聞かせていただけたらと思います。
これで質問を終わります。