◯巽委員長
次に、荒巻委員に発言を許可します。
◯荒巻委員
では、4分ですね。
◯巽委員長
3分余りです。
◯荒巻委員
では、まとめて1点、どうしても聞きたいことだけ聞かせていただきます。
観光産業のあり方について。
私は、観光産業のあり方というのは、観光地を支える経済のあり方というもの、観光地の経済を支えている文化力というものが府民の恩恵になるというサイクルをいかにつくってそれを継続させていくかだと思うんですけれども、今、そうじゃない事態が起こっていることに対して、これから申し上げることに本府としてはいかに認識をしていて、問題意識をどう共有してくれるかということの見解を聞きたいんですけれども。
それは、また京都の和装振興のあるべき姿にもかかわる話になってくるんです。というのは、私の地元の東山区の主に清水の地域におきまして、レンタル着物店がいっぱいあります。先ほどお話がありましたけれども、和装で歩いてくださる方がたくさんふえていて、これは結構なことでありがたいことなんですけれども、今、中国人の経営者が経営しているレンタル着物がふえていて、もちろん地域の方がやっている着物のレンタル衣装屋というのもいっぱいあるんですけれども、商売上どんどん負けてきていると。中国人の経営者が中国人を相手にお商売してもうけているというこの循環が。それはあいた物件があれば、今、清水なんてすごい土地の高騰で御承知のとおりバブルなんです。土地の取得のあり方とか商取引のことまで、それは本府も我々も口の出せないことで国のことだと思うんですけれども、一定歯どめをつけて整理をして我々としても見解を持っていかないと、これはいつかインバウンドがいなくなったときに、これを全部撤去してということになったときにどうなっていくのかなという懸念があるんです。
今、どういうことになっているかというと、中国人が経営しているレンタル衣装のお店は、旅行業者がセットでレンタル着物をプランに入れてパッケージにしているんですけれども、そのレンタル着物を1人当たり単価が2万円だったとしたら、一番ひどいところで中国人のお店は6割バックするんです。インセンティブが6割だと。2万円だったら1万2,000円、10人連れてくれば12万円業者がもうかるということ。日本人の経営しているお店はせいぜい2割だと。10人連れてきてせいぜい4万円だったら、やはり中国人のところに連れてきてしまうということで、それでまたそういうところの需要がふえると、着物の製造業者に対してもぺらぺらの安い着物を、つくりたくないものを無理やりつくらせて、マジックテープでとめる帯を生産させて、それを発注して、発注されるからつくらざるを得ないというこの環境ができ上がってしまっていることに、本物の着物じゃないものが横行している京都の町ができて、日本人じゃない人が京都力を不当に生かしたとまでは言わないけれども、そういうものがスタートアップされていることに僕は物すごく矛盾を感じてしまうんですけれども、もう時間が来たので、それは物すごく懸念だと思うし、僕は非常なる事態だと思って宣言したいと思うんで、これを何とか助けてほしいと、そういうことに対しての何か御見解だけいただければ、それで質問を終わりたいと思います。
◯巽委員長
時間が過ぎておりますので、難しいでしょうけれども、簡潔にお願いします。
◯山下副知事
私も危機感は共有しております。一方では、海外の方が着物を着ていただくこともありがたいと思っておりまして、先日、ある勉強会でお話ししていたのは、今、大学の卒業式に、昔は振り袖だったのが、今は羽織で着物を着てという、それをやったベンチャーの女性社長が来られていまして、そのお話をしていたんですけれども、彼女は、いいものをつくる方とコラボレーションしたことで単価のいいレンタルができたと。そのレンタルが京都でできた結果として、今、首都圏で伸びておられるんですけれども、いいビジネスができているというお話をいただきました。我々も、短期的な商売だけではなくて、京都は老舗がたくさんあるわけですから、観光も含めて長期的なビジネスをやられる場所として京都を選んでいただきたいと思っていますので、そういうことをできるだけ丁寧にやっていくことが必要ではないかと思っています。
それで、実態としてもレンタル着物屋のグレードも最近少しずつ上がってきていまして、いい着物を貸していただいて、いい雰囲気で旅をしていただける企業を、いかに我々が後押しをして、そういうことを選んでいただくことも考えていかないと、海外資本だけじゃなくて東京資本もそうなんですけれども、東京資本がぱっと入ってきて、ぱっといなくなるということを避ける方策は十分に心していかないといけないなと思っております。