平成21年6月定例会 (第3号) 代表質問

◯荒巻隆三君
 ただいま知事から御答弁をいただきました。国民文化祭については、まさに地域に必ずいるであろう人材、そういうマンパワーをぜひとも探り出すような試みをしていただきたいと思います。余り細かい制約は抜きにして、いろいろな方に参加をしていただきたいと思うわけですが、本当に若い人のエネルギーがこれはもちろん必要でありますし、また高齢者の方も地域参画の一つのきっかけとして大いに文化交流していただきたいと思うものでございます。
 人材育成に基づいた地域力の向上というものが、京都の今後の観光であったり、また底力の今後の拡張につながると私は信じておりますので、今後またきめ細やかな検討や企画をしていただいて、ぜひとも大いなる成功をおさめていただけるような文化祭にしていただきたいと思っております。
 森林保全についてなんですけども、私は、ぜひとも森林の資材の利用率を高めるというところに絡めて、京都が誇る伝統文化財というものがあるという中でただ、それに適しているものというのは本当に10年や20年でできるような木材ではございません。100年、やっぱりそれぐらい大きな樹齢をもって立派な木材を、過去歴史がずっと積み重ねてきたような地元の木材を用いた地域の誇るべき文化財、文化遺産、そういったものを守っていけるような組み合わせが僕はできたらいいなと思っています。本当に今、深刻な林業家の状況というか、本当にこれは府民全体で、今後、向こう100年、200 年、我々の森林をどうしていくかということをいま一度喫緊に考えていかなければいけない機会だなと思ってますので、この文化財にとどまらず、また各先生方もおっしゃっておりますので、議論を深めていただきたいと思っています。
 家庭総合支援センターについては、本当に専門的知見を持った多くの方々が複雑な問題をいろいろ組み合わせて解決していかなければいけないということで、今までいろいろ困難であった問題等しっかりその辺のケースを踏まえた上での今からのソフト面の整備であるそういうシミュレーションをぜひともしていっていただきたいのと、先ほど申し上げましたとおり、その支援センターだけで完結できる機関ではございませんから、また、一時預かり所や保護施設で、これまたお子さまとともにいろんな事情でいらっしゃる方もおるわけでございますから、そういった皆さんをぜひ地域で、またこれ一体となって考えてあげられるような、またそのお子さんは学校にも行くわけですから、そういう中で、今から向こう1年のスケジュールの中で、定期的な地域への説明と理解、協力の場をまたふやしていっていただけたらと思っております。
 それでは次の質問にまいります。
 次に、鴨川河川区域における自転車のマナーについてお伺いをいたします。
 以前から、河川敷には放置自転車が多く、歩行者や車いすの通行の障害になるばかりでなく、景観上も見苦しく、多くの苦情が寄せられていたわけでございます。鴨川では、車いすを利用される方、高齢者、障害者を初めすべての人々が憩い親しむことができるようにスロープの設置など整備をしているにもかかわらず、こうした放置自転車が鴨川の快適な利用を阻害している状況にあります。
 さらに、河川敷の放置自転車は、もし洪水が起こった場合には下流へ流され、治水上も大きな問題になると言われております。
 鴨川河川区域の放置自転車対策については、有効な対策が行われていなかったこともあり、京都府が河川管理者の立場で鴨川条例を制定し、独自に放置自転車対策をすることとされたところであります。この鴨川条例の規制条項が施行されて1年が経過いたしますが、鴨川の快適な利用環境の確保や治水対策の推進のためには、今後も京都市との連携が不可欠であり、協調して必要な施策を講じていくことが重要であると考えます。
 つい先日も、京都市内において京都市自転車等駐車対策協議会が開かれ、2010年度から10年間の新自転車総合計画策定に向けての議論が開始されたと伺っております。観光都市なのに自転車が利用しにくい、駐車場不正使用が後を絶たないのでマナー改善に尽力をすべし、環境に優しい利点を生かした施策の必要性などの意見が出たことが報じられましたが、これまで京都市は、2000年度に自転車総合計画を定め、駐輪場増設や放置自転車の撤去強化に取り組むなど対策をとってきたものの、依然として駐輪場が不足しているという課題や都心部での放置自転車がふえている現状、利用者の走行マナーが向上しない実態など、新計画に向けた課題が報告なされたと聞き及んでおります。
 そこでお伺いいたしますが、本府においては鴨川条例施行後、鴨川河川区域の放置自転車の撤去を月2回実施されているとのことでありますが、その内容と実績についてお聞かせください。あわせて、現在の鴨川河川区域における放置自転車の状況は、条例施行前と比べてどのようになっているのかお聞かせいただきたいと存じます。
 また、鴨川条例施行後、放置自転車については、鴨川河川区域を本府が、その周辺の道路区域等を京都市がそれぞれ撤去作業することとなっておりますが、府と市の対応の違いが目立つことになり、府民に理解されにくいという意見が出されております。
 昨年9月に府市行政協働パネルが開催され、課題解決に向けて議論されているとお聞きしております。この間、府市で連携し、どのような対策をとられてきたのか。さらに、今後どのような取り組みを行おうとされておられるのか、知事の御所見をお聞かせください。
 また、自転車のマナーについてお伺いいたします。一昨年来、自転車の衝突により人がお亡くなりになるという痛ましい事件が発生しており、自転車のマナーについては大いに議論があったと思われます。そしてまた、先ごろではございますが、京都においても、今月21日、13歳の少年が乗っていた自転車と62歳の男性が乗っていた自転車が接触し、62歳の男性が転倒して頭部を強打したことからお亡くなりになるという痛ましい事故も発生いたしました。自転車の放置問題もさることながら、私が最も申し上げ指摘をいたしたい自転車のマナーは、自転車の走行についてのマナーであります。
 さきに述べました鴨川河川区域やその近辺におきましても、放置自転車等で進路が狭くなった鴨川かいわいの歩道を日常的に自転車が往来している風景がある中で、鴨川かいわいの歩道を歩く歩行者と、歩行者がいるにもかかわらず、我が物顔で歩行者の安全を顧みない速度で通過してくる自転車とが接触しかねない危険な距離ですれ違っているこの状況を看過することはできないと考えます。
 警察庁によりますと、自転車が人をはねるなどして加害者側となる人身事故件数は昨年7,000件を超え、10年前と比べると5倍以上に急増しているというこの現状は真摯に受けとめなければならないと考えております。
 こうした状況を改善するために、京都府警による危険な自転車への取り締まり強化はもちろん、例えば自転車利用者の遵法精神を向上させるために、自転車の後ろにナンバープレートをつける等を検討し、また、自転車購入の際に、自転車に乗るためのルールの講習の義務化というような罰則規定のない安全利用の促進のみでは真なる事態の改善が望めない現状であり、抜本的な改革を行わなければならないと思うわけでございます。
 道路交通法において、軽車両に属し、車道の左端もしくは通行人の妨げにならないように路側帯を走行、自転車道がある場合はそこを走行しなければならない自転車であります。昨年、一部改正されました道路交通法についても、特別な状況を除き、自転車が歩道を通行することができる場合においても、歩行者の通行を妨げる場合は一時停止をしなければならないとあるわけでございます。
 そこでお伺いをいたします。歩道等を走る危険な自転車への対応はどのようにお考えなのでしょうか。警察本部長の御所見をお聞かせください。
 分割します。

◯議長(林田洋君)
 山田知事。
   〔知事山田啓二君登壇〕

◯知事(山田啓二君)
 鴨川の放置自転車対策についてでありますけれども、昨年4月から、鴨川条例に基づきまして自転車等の放置禁止区域を定めて規制を開始し、月2回の撤去を行い、昨年度1年間で、延べ1,536台の自転車を撤去したところであります。昨年の4月の調査時には、河川区域で473台の放置自転車がありましたけれども、ことし5月には、39台と10分の1以下と大幅に減少しておりまして、条例に基づく効果が大きいものというふうに考えております。
 また、現状では、府が河川区域を、京都市が道路区域をそれぞれ撤去作業をしているところでありますけれども、御指摘のとおり府市が連携して対策を行うことが重要であると考え、昨年9月に府市行政協働パネルを設置して協議を開始いたしました。この結果、昨年9月から府市が連携して、自転車撤去を同日・同時間に行いまして整合性を図りますとともに、できるだけ早期に京都市が一体的、一元的に対策を行うこと、京都府は京都市の保管所の確保と駐輪場の整備について協力すること等を確認しております。
 今後、協議を進め、京都市と連携して効果的な放置自転車対策を推進していきたいと考えております。

◯議長(林田洋君)
 熊崎警察本部長。
   〔警察本部長熊崎義純君登壇〕

◯警察本部長(熊崎義純君)
 荒巻議員の御質問にお答えします。
 まず、府内における自転車が関係する交通事故につきましては、本年5月末現在、発生件数は1,343件で、全事故の約2割を占めております。負傷者数は1,364人で、前年とほぼ横ばいでありますけれども、死者数につきましては6人と、前年に比べ増加をしております。また、自転車同士、自転車と歩行者の交通事故につきましては、昨年1年間で118 件発生をしており、10年前と比較しますと、約3倍に増加をしております。本年5月末現在で41件発生をしておりまして、このうち歩道上の事故は13件となっております。
 警察といたしましては、こうした自転車に関する交通事故の現状を踏まえ、危険な走行をする自転車利用者に対しましては、街頭指導を行うとともに、警察官の指導・警告に従わず違反行為を継続したり、歩行者に具体的な危険を生じさせた場合には検挙措置を講じることとしているところであります。
 また、自転車の正しい乗り方と歩行者の立場に立った思いやりのある運転の励行を啓発するため、京都府を初めとする行政機関、学校、交通ボランティア等と連携をしながら、通学路や繁華街における街頭指導、また、あらゆる媒体を活用した広報啓発活動を展開しているところであります。
 さらに、年齢層に応じた自転車教室を、本年5月末現在で567回、3万9,644人に対して実施をしているところでありますが、議員御指摘のとおり、自転車小売業者による安全利用のためのアドバイスでありますとか、警察が行う自転車ルール向上のための交通教室・講習の拡充に努めてまいりたいと考えております。
 今後とも、これらの活動を積極的に展開して、自転車の交通マナーの向上に努めてまいりたいと考えておりますが、当面、7月1日からの1カ月間、自転車の秩序ある利用の促進に向けた街頭指導を強化することとしております。

◯議長(林田洋君)
 荒巻隆三君。
   〔荒巻隆三君登壇〕

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あらまき隆三

荒巻隆三
(あらまきりゅうぞう)

  • 昭和47年10月27日
    京都市生まれ
  • 自民党府議団 代表幹事
  • 議会運営委員長
  • 京都地方税機構議会 議長
  • 京都府実業団剣道連盟 会長
  • 京都府カヌー協会 会長
  • 京都府議会海上保安議員連盟 顧問
  • スマートライフ推進京都府議会議員連盟 顧問
  • 日米友好親善京都府議会議員連盟 副会長
  • 日韓親善京都府議会議員連盟 副会長
  • 京都府防衛協会 理事
  • 京都ボーイスカウト振興会 評議員
  • 世界遺産賀茂御祖神社境内糺の森保存会 理事
  • 元 衆議院議員
  • 元 株式会社ワコール社員

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