◯荒巻隆三君
御答弁いただきましたが、今、自転車はお年寄りとか小さな子たち、弱い立場の人たちにとっては本当に危険な状態であります。多分、ぶつかったり、あざができたり、打撲を受けたがそのままどこかへ行ってしまって泣き寝入りしているような、多分、認知されていない件もいっぱいあるかと思います。やはり、警告指導とかそういうのを徹底していただいて、それでも状況が悪いなら交通の切符を切るとか、もっと積極的な行動をしていただくことを望みます。
自転車に法定速度がないということも何か私は不思議だと思っております。若者の間で、名前はわかりませんが、競輪用の自転車が今ブームだそうです。あれが物すごい速さで走ってくる、そういう今の流れも踏まえていろいろ対策等をいただきたいと思っている次第でございます。
最後に、繁華街の治安対策について、知事並びに警察本部長にお伺いをいたします。
知事が先頭に立たれて、警察においては、平成17年10月に祇園・木屋町特別警察隊を発足し、大いに活躍をしていただいておる次第でございます。改めて、本府及び昼夜を問わない命がけのお取り組みをしていただいておる警察と、そして地域で防犯活動に御尽力くださる皆様に、心よりの感謝をいたしている次第でございます。
この取り組みもことしで4年目を迎え、安全で安心な祇園・木屋町を維持するため、4月1日には、恒常的拠点として木屋町警備派出所が新設されました。こうした取り組みは継続してこそ意味があり、手を緩めると途端に悪質な違法行為が横行するなど、せっかくの成果が泡となって消えてしまうおそれがあります。特に、祇園を初めとする東山地域では、小・中学校の統廃合が予定されており、地元においては、悪質な風俗営業店が出店してくるのではないかとの心配の声も聞かれますし、芸妓さんをねらったひったくりや風情にそぐわない大型看板、四条花見小路周辺におけるホステスの送迎車両等の二重駐停車もいまだに散見されるなど、国内外からの観光客のイメージも損なわれるのではないかと心配しております。
特に、繁華街浄化のためには、風紀を乱す違法風俗、違法カジノ等は治安を阻害する大きな要因と考えます。祇園を初めとする東山地域が、京都の文化に魅了されて訪れてくださる観光客のあこがれのまちであり続けるために、そして一途に日本人の心のふるさと京都文化の伝承の担い手として大きな役割をいつまでも果たしていくまちでありますように、祇園を初めとする東山地域は観光客でにぎわうまちであると同時に、そこで暮らす府民のまちでもあります。今、本当にそこで暮らす府民の皆様が不安を感じ、警察行政に対し期待を寄せ頼りとしているところでございます。はびこる悪事を見て見ないふりをすることから脱却する精神、地域から糾弾する気概を府民の代表でございます知事からお示しを願うとともに、今後の治安行政に対しての御所見をお聞かせください。
また、これらの危惧の念を払拭していただくためには、今後とも、祇園地域における特別警察隊による集団警らや各種取り締まりを継続・強化し、地域の皆様や市、府、警察とがより一層しっかりスクラムを組み、「魅力ある祇園」を初めとする京都の中心繁華街の定着化を持続あるものとすることが重要であると考えております。
そこで、警察本部長にお伺いいたしますが、祇園地域での特別警察隊の活動状況はどのようになっているのでしょうか。また、その活動の効果、今後の活動方針についてお聞かせください。
◯議長(林田洋君)
山田知事。
〔知事山田啓二君登壇〕
◯知事(山田啓二君)
祇園・木屋町地域の治安対策でありますけれども、私も知事に就任しましたときに、木屋町は非常に深夜になると危ないとか、また、祇園でも外国人の客引きが多くて、とても日本を代表する観光地とは思えないというような、そうした課題を抱えておりましたので、まず一つには、警察官の増員や交番対策をやっていく。その中で、祇園・木屋町地域におきましては、この祇園・木屋町特別警察隊を発足させる。これも、最初は都市型の特例定員だったんですけれども、警察庁にもお願いをして、しっかりと定員を確保していただきまして今も存続ができているということでありますし、それから、いち早く移動交番の車両を購入して木屋町に据えて、今回は、4月に府市連携のもとに恒常的な拠点としての木屋町警備派出所を整備してまいりました。また、風俗の客引き行為の禁止や出会い喫茶の営業規制など、速やかな条例改正も行いまして、悪質な業者や街頭犯罪の徹底的な取り締まりも行ってまいりました。
地域におきましても、御存じのように、本当に地域の皆さんが一体となって見守り活動をしていただきまして、こうしたこともありまして、祇園・木屋町地域における刑法犯の認知件数は、この7年で2割減りまして、特に凶悪犯につきましては、約6割という大幅な減少になっております。しかしながら、これもイタチごっこみたいなところがありまして、次から次へと新しい風俗の形態が出てきたりしておりますので、こうした問題に対しまして、私たちも迅速に、かつ的確に対応して、とにかく、やはり日本の京都の顔であります祇園・木屋町地域が安心して府民の憩いの場であり、多くの観光客の皆様が安心して楽しめる場所になるように全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
◯議長(林田洋君)
熊崎警察本部長。
〔警察本部長熊崎義純君登壇〕
◯警察本部長(熊崎義純君)
祇園地域での特別警察隊の活動状況についてでありますが、東山警察署を拠点として、平日おおむね8人、週末や休日の前日はおおむね16人を配置し、制服による集団警ら活動等による犯罪の検挙・警戒活動を初め、私服捜査員による風俗関係事犯等の取り締まりを重点的・集中的に推進をしているところであります。
その活動の効果としましては、平成20年中における祇園地域の屋外刑法犯認知件数は304件で、前年と比較して123件、約28.8%の減少となっており、こうした数値的な面はもとより、体感治安という面でも向上につながっているものと考えております。
また、京都府迷惑行為防止条例の改正等による取り締まりの強化により、悪質で執拗な客引き行為や景観を損なうピンクビラの貼付事犯等を鎮静化させるなど、祇園地域における風俗環境等の浄化に効果があらわれているものと考えております。
しかしながら、祇園地域におきましては、悪質な風俗関係事犯、外国人による不法就労事犯、暴力団関係者による賭博事犯等の発生や、四条通り周辺における違法駐車などの問題があり、これらに対処していく必要がありますとともに、一たん取り締まりの手を緩めれば再び各種違法行為が横行するおそれがあると認識をしております。
そこで、今後の活動方針でありますが、引き続き特別警察隊の効果的な運用を初め、府警の総合力を発揮した取り締まりを徹底するとともに、地域や行政との連携をより一層強化し、祇園地域の治安確保に万全を期してまいりたいと考えております。
◯議長(林田洋君)
荒巻隆三君。
〔荒巻隆三君登壇〕
◯荒巻隆三君
本当に大変な誠意ある御答弁をいただきました。やはり、東山と祇園、中心繁華街で受ける観光客の体感治安、そのイメージというものは、やっぱり京都のイメージそのものになってしまいますので、本当に大事にしていただきたいと思うのと、また犯罪の分布というものが、犯罪地図がやっぱりいろんな取り締まり等効果が出ている反面いろいろ動きがあります。地域で暮らしている人と訪れる人、両方の安心があって、僕はよりよい京都がなし得ると思っております。疑念を抱いた地元の人よりも、安心して暮らしている地元の人がいれば、やっぱりおもてなしの心とかで迎えられる京都らしいまちづくりができると思いますので、より一層の中心繁華街の取り締まり強化をお願いいたします。
以上で質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)