平成21年警察常任委員会6月定例会 2日目

◯村上生活安全部長
 まず、ひったくりの全国における状況でございますけれども、5月末におけるひったくりは前年同期8,631件ですが、14.2%増加しておるというのが全国の状況でございます。全国が増加する中にあって、京都府内の5月末のひったくりの発生は176件で、前年同期に比べまして92件、34.3%減少しておるというところでございます。
 恐らく街頭犯罪等抑止総合対策がじわりじわりと効果を出しているのかなと考えております。京都においては、平成14年をピークにだんだん減少傾向にあるというのが実態でございます。この中で、東山区は5月末で18件が発生をしていると。これは前年同期と同数ということでございます。
 ひったくりの特徴でございますけれども、大きく3つございまして、御質問のとおり、やはり女性・弱者が多いということで、被害者の9割以上が女性ということでございます。発生時間が午後7時から0時までの発生が大体6割ということでございます。歩行中の方が7割ということでございまして、やはり大きな危険性をはらんでいるというのが実態でございます。
 検挙の関係でございますけれども、5月末の検挙につきましては66件、15名を検挙いたしております。組織的なものがあるかどうか今後鋭意捜査をして、上部あるいは共犯被疑者といったものを追及してまいりたいと考えております。
 防止対策の関係でございますけれども、やはり制服警察官あるいはパトカーによる警戒が一番効果があるということで、多発時間帯・多発地域における制服警察官によるパトロール、あるいは検挙活動というものをしっかりとやっていきたいと考えております。
 多くは少年による犯行ということでございますので、街頭における少年補導というものもしっかりやっていきたいと考えております。
 あと、被害者対策として、女性・高齢者を対象といたしました防犯教室というものを現在やっております。5月末では延べ264回、1万人以上の方に対する街頭の防犯教室を実施をしておるということでございます。
 そういった中で、やはり御質問にあったとおり、ひったくり被害防止に効果のあるバッグの持ち方でありますとか、道路の歩き方、あるいは携帯電話をしながら歩かないとか、メールを打ちながら歩かないといった本当の基本を防犯教室で実際やっておるということでございます。
 あと、自転車の利用に防犯ネットは大変効果があるということで、これについてもしっかり防犯教室でやっておると。防犯ネットがない場合には、週刊誌でもいい、新聞紙でもいい、これをちゃんとかぶせてといった基本的なことをしっかりとやっていくのが大事なのだろうと考えております。
 あと、いろいろな防犯・犯罪情報メールといったものを利用して、いろいろな情報を発信してまいりたいと考えております。
 あと、地元の消防団でありますとか、防犯推進員といった方と合同パトロールといったものをしっかりやって、ひったくりの未然防止をしっかりとやっていきたいと考えております。
 以上です。

◯荒巻副委員長
 今、御報告いただいたことはちょっと私の認識と違いまして、比較して改善が行われているということですが、もちろんゼロに向けて頑張っていただきたいという思いもあります。
 そのようなものとは逆に、地域によってはもしかしたら多発する分布図が変わってきたのかなということもあるのかもしれませんけれども、体感的に不安を感じている方がいらっしゃるとか、報道等の影響もあるのかもしれませんけれども、要は今話題になっているということは事実でございますから、逆にこれを意識啓発する上では大変チャンスの時期だと思うので、ぜひとも未然に防ぐ心構えとか、犯罪者がやりにくい環境づくり、先ほどおっしゃった地域の方と連携するとか、そういったものに大いに取り組む時期だと思いますので、ぜひともさらなる強化のほどお力添えをお願いいたしたいと思います。
 最後の質問ですが、これは私も自転車についてです。
 先週の6月30日に、代表質問で私は自転車のマナーについてお尋ねさせていただきまして、取り締まりの強化を図っていただきたいという要望をさせていただいたわけでございます。
 その後、テレビをごらんになられた府民の皆様から本当に多くの連絡を受けまして、皆さん、やはり自分も経験があるとか、実際に認知されていない事故が現状では多いのだなということに気づきました。自転車がぶつかってきて転んだとか、けがをしたとか、打撲をしたとか、そのまま逃げて行かれたとか、そういうことがございました。
 もちろん、私は別に自転車そのものが悪だとは思っていません。そういう通行区分に関する話も先ほど出ましたし、自転車が十分に走行できる空間の問題ももちろんあるとは思います。
 ただ、今、自転車の種類が多様化して、物すごくスピードが出るものであったり、重量があるもの、ハーレーダビッドソンみたいな形状をしたまるでバイクのような自転車とか、ブレーキがハンドル部分についていないんじゃないかというようなクルーザーというのですかね、あと競輪選手のモデルが若者の間ですごくはやっているとか、そういう自転車の性質が変わってくる中で、やはり歩行者の権利を守っていかなければいけないのではないかと思います。
 これは自転車のルール違反だよとか、これは明らかに道路交通法違反ですよとか、どういった条件がそろえばそれを指摘できるのか。あと、これは明らかに事故ではないかとか、どういったときに、どういうふうに、またどういう条件がそろえばそれを事故とかマナー違反だとか、大変難しい問題だとは思いますが、どうしたら認定できるのかというところが、人それぞれ感覚・認識がばらばらで、一律こうなのだという理解がやはり府民の皆さんにとっても、これは今後の課題だと思うのですけれども、認識がばらばらなのが原因ではないかということも考えられます。
 今月7月は事故防止強化月間だということで、いろいろなマナーやモラルについて高めていこうという活動をしていただけるということでございます。10年間で自転車による自転車に対するものや歩行者に対する事故が3倍以上にふえたという現状も、先ほど申しましたそういう背景や要因もあるのではないかと思います。
 特に、とりわけ事故を起こす利用者の年齢は若者が多いということで、また学校等とも連携を深めて自転車の安全教育とかをしていただけるということも伺っております。もちろん自転車教育は、年間を通して全国でも万単位の数でこれから自転車を利用して我々の交通環境に出てくるであろう子どもたちにちゃんと教育普及していただけるのは、さらに充実していただきたいと思います。
 やはり、先ほどからお話がいろいろと出ていますけれども、一般車両ですね、自動車の運転者側からとかそういったいろいろな立場の方に対しても、どういう形でか、そういう意識づけはしていかなければいけない時期だと思います。
 本当に今自転車の問題について、6月には左京区において死者も出たことですから、やはりきちっと一たんルールについて明確にしなければいけない時期だと思います。今回の強化月間については多いに後々検証していくにふさわしい、しっかりしたいろいろな試みをしていただきたいと思っております。
 そういった意味で、本当にルールの徹底が警告指導だけでは不十分だというものに対しては、今後どういうふうに罰則を使っていくかということも検討していただきたいと思っています。自転車は明らかに道路交通法において罰則規定を伴ったそういう位置づけの車両であるということを、この際しっかり徹底して啓発していただきたいと思っています。
 この問題については、京都だけの問題ではないと思っていますので、府民理解も当然ですが、もっと警察庁に協力してもらって国民的にしっかり自転車のマナーに対して、どういうときにどんなふうにこれは罰を指摘されるものだとか、そういった試みを行っていただきたいという要望ですけれども、そういう思いでございますので、警察本部のほうからもこの強化月間に臨むに当たってのお心意気を最後に聞かせていただけたらと思います。お願いします。

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あらまき隆三

荒巻隆三
(あらまきりゅうぞう)

  • 昭和47年10月27日
    京都市生まれ
  • 自民党府議団 代表幹事
  • 議会運営委員長
  • 京都地方税機構議会 議長
  • 京都実業団剣道連盟 会長
  • 京都府カヌー協会 会長
  • 元衆議院議員
  • 元株式会社ワコール社員

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