◯知事(山田啓二君)
家庭支援総合センターについてでありますけれども、家庭問題に対する総合的な相談窓口という特 色を打ち出したことで、今まで相談先がよくわからなくても、まずここに来ればという方が気軽に来ていただけている。そして、従来はなかった複合的な事案で の相談も、もう30件程度寄せられているようでありますし、特に私は重要だなと思いますのは、ドメスティック・バイオレンスの単純な相談と思われていたも のが、よく話を聞くと他の問題と重なっていたりすることが判明するなど、ワンストップ機関としての機能が徐々に発揮されてきているのではないかなというふ うに思っております。また、東山母子生活支援施設がございますが、これは従来の母子寮と比べますと施設・設備も本当に格段に充実しましたので、入所されて いる方々からも、やはり生活環境の安心が非常に重要な立場の方々ばかりでありますので、喜んでいただいているんではないかなというふうに思っております。
今後、こうした施設もありますので、御指摘のように地域の情報を持っておられる関係者との情報共有が必要でありますので、例えば東山まちづくり推進協議会 を初め、地域と連携できるような形でこうした方々がしっかりと健やかに育つ環境をつくってまいりたいというふうに考えております。
また、京都市 民からの相談も数多く寄せられておりまして、その場合につきましては、京都市の権限に係る案件であっても、まずそっちへという形で門前払いせずにしっかり と相談を受けて、そしてその中で分析をして、この機関が一番いいというところをしっかりと引き継いでいくという体制をとっております。
これか ら、そうした面では、まず相談窓口としての機能を果たしながら市との連携を探り始めているところでありますので、こういう機能を充実させていきたいなとい うふうに考えております。
次に、少年サポートセンターとの連携につきましては、本年度から知事部局と府教育委員会から新たに職員を派遣いたしま して、少年の非行防止や立ち直り支援等で連携して対応していくこととしております。また、東山警察署と隣接したことでDV加害者の押しかけるケースが発生 していないなど、かなり一時保護される方々の安心・安全確保にも効果があるのではないかなというふうに想定をしております。
引き続き、家庭を取 り巻く諸課題に一体的に対応できる窓口として、府民に信頼される施設となりますよう一層の充実を図ってまいりたいと考えております。
次に、北山 文化環境ゾーンの整備についてでありますけども、新総合資料館につきましては、国際京都学センターの設置による全国的・国際的交流と情報発信、そして総合 資料館機能の充実、これは公文書館機能とか研究支援機能があります。それから、府立大学との機能連携の強化、文学部の研究室の設置や閲覧提供のワンフロア 化、そして相互連携による府民サービスの向上というものが一応今の大きな目的になっておりまして、資料館と府大の文学部の研究室と附属図書館を一体建物と して整備をしていきたいというふうに思っています。
また、教養教育共同化施設につきましては、3大学の同一科目の統合等をしつつ、受講科目の選 択肢を大幅にふやして、学生の多様な関心や教育要求にこたえていくということと、それから違う専攻分野の学生が交流を深めていくことになりますので、広い 視野や豊かな人間性を培うことができるのではないかという考え方のもとに、この医大、府大、工芸繊維大学の教養教育を共同化して、学生が同一の場所で講義 を受けられ、研究ができるようにしていきたいというふうに考えております。
また、植物園につきましては、これは「日本一おもしろい、心やすらぐ 植物園」をコンセプトにいたしまして、植物園の新たな魅力を満喫してもらえるように、季節の鉢物等を展示し、園の魅力を外側にも発信する北山通りの「ボタ ニカルウィンドウ」という形でウインドーをつくっていこうじゃないかとか、四季折々の植物を展示する伝統園芸展示場ですとか、ゆっくり憩える森のカフェで すとか、そうしたものを計画的に整備をしてまいりたいと考えております。
特に重要な点は、今まで植物園もずうっと塀に囲まれておりまして、資料 館も囲まれておりまして、また府立大学も囲まれていて、というふうに、それぞれの施設が全部孤立していて開放感が非常に薄い地域になっていた。また、それ が北山通りの南側のように、植物園のずうっと塀だけしか見えないというような形で、歩く人たちにとっては大変殺風景なものになっていた。ここを開放的に、 府民の皆さんができるだけ自由に行き来できるような空間にしていくことによって、私は北山が豊かな文化・環境・学術の交流・発信拠点と同時に、府民の皆様 の本当に憩いの場になるようにしていきたいというふうに考えております。
次に、環境政策についてでありますが、京都府は京都議定書誕生の地とし てこれまでから自然エネルギーの活用を地球温暖化対策の重要な柱と位置づけまして、京都府の施設への太陽光発電や風力発電などの率先導入ですとか、住宅の 太陽光発電施設の設置にエコポイントを付与する「おひさま住宅15,000戸達成事業」、もう21年度で1万戸を超えましたけれども、さらには地域の公民 館や保育所など、身近な公共施設への太陽光発電設備等の導入を支援する自然エネルギー地産地消推進事業などを推進してまいりました。
最近、御指 摘のようにITを活用いたしまして家庭の太陽光発電など自然エネルギーを含む地域全体の電力需給の効率化と最適化を図るシステム、スマートグリッドが注目 をされております。けいはんな学研都市は、国の「次世代エネルギー・社会システム実証地域」の全国4カ所のうちの1カ所として選定されまして、まさにその スマートグリッドの先進地域としてこれから発展を遂げる、研究をしていこうという地域になりました。今後、同志社山手地区など太陽光発電施設を集中導入い たしまして、家庭、事業所など地域全体で最適なエネルギーマネジメントを行いますけいはんな版のスマートグリッドの構築に向け、大学や企業とも連携をしな がら、さまざまな実証プロジェクトを展開してまいりたいと思います。
また、けいはんなだけではなくて農山村におきましても、緑の分権「命の里」 促進事業を展開するということで、本年度から新たに、木質バイオマスや小水力、風力などの自然エネルギーの活用可能量を調査し、それらを活用した発電事業 等のビジネス化の仕組みを検討してまいりたいと思います。
今後とも、国に対しましても、全量固定価格買い取り制度などの基盤となる施策の充実を 強く求めながら、自然エネルギーを持続的、効率的に利用する持続可能な社会づくりに努めてまいりたいと考えております。
次に、林業のトレーニン グセンターについてでありますけれども、今のトレーニングセンターというのは、どちらかというと技術レベル・目的に応じた短期集中型の実践研修を重点的に 実施するというふうになっておりまして、新規就業者に研修を実施する担い手づくりサポートセンターと連携いたしまして、現場作業に必要な基礎知識の習得で ありますとか高性能林業機器の操作、集約化施業のプラン作成などのスキルアップ、こうしたものが中心になっているところであります。
今月28日 は開講式を行いまして、新規就業者の50人確保を目標に集合研修を開始し、林業の未来を担う人材育成を展開してまいりたいと考えております。
林 業大学校につきましては、これをもう少し進めた形にいたしまして、どちらかというと、一番長くても1年以内という短期で技術習得型の今申し上げましたト レーニングセンターに対し、若い人たちが技術と理論をしっかり学んで、林業に生きる人間としての基本的なことを比較的長期に学べる機関として、体系的かつ 総合的な学習機関としての、研修機関としての位置づけをしていきたいというふうに考えておりまして、内容につきましては、今後、有識者の意見もお聞きしな がら大学校の設置に向けた検討を深めてまいりたいと考えているところであります。
◯議長(林田洋君)
荒巻隆三君。
〔荒巻隆三君登壇〕