◯荒巻委員
大変厳しい現状だなということを数字でもわかりますが、そこの業界自体にしっかり根っこを生やしていただくために、人材育成で陶工訓練校の修了生の方に実務を経験して、これからの未来の京焼というものを背負っていただくためにも並行して、業界の後押しを何とかいろいろな機会演出はされていただいているのでしょう。しかし、ほかの類似するいろいろな伝統工芸でもいろいろな技術開発転用とかのアイデアで共通できるものとかの勉強会とか、地元のほうの方々にももっとモチベーションを上げて、すごい開拓精神は皆、持っていらっしゃるのですが、どうしたらいいのかわからないという手詰まり状態もあるみたいなので、その辺の連携をより密にしていただきたいと思います。
◯企画理事兼商工労働観光部長
京都の京焼の主たる市場が非常に高級品であったということで、家庭用というよりも、業務用、特に高級かっぽうとか、高級なお料理屋さんで使われる商品をつくっていたということがあるわけですね。その市場が非常に厳しくなってきているということで、数年前は例えばホテルの市場で京焼、清水焼を使っていただけるようなことはできないか。ホテルの市場というのは、今まで食洗機にかからないとなかなか使っていただけない。京焼、清水焼は食洗機にかからないということもあって、少しバリアがあったわけですが、そういうのを取っ払っていただいて、使っていただくようになってきたり、新しい市場、従来の市場だけで全国の高級かっぽうさんに納められていたわけでございますので、そういうところが新しい市場をちゃんとケアしていかないといけないのではないかということを取り組ませていただいています。
また、デザインというもので旧来のデザインのままで今の若い方が好まれるかどうかというような問題は必ず出てきているわけでございまして、そういう分野でも新しい風を感じていただくような取り組みをいろいろな形でさせていただいているわけです。また、我々から見ると、繊維よりかは独立開業しやすい部分もあるわけです。
絵つけだけでできるかというのはあるのでしょうが、繊維に比べたら私はまだ独立開業しやすい部分もあって、そういう部分で若い人は元気な部分も実際、京焼、清水焼の中ではあるわけでございまして、そうした方がより産地を引っ張っていただくような仕掛けづくりをやらないといけないというようなことを思っております。
また、この前もある観光客で富裕層の方を京焼のところへお連れしたら、100万円もするようなものを買われた経験もございまして、そういう意味でいうと、今までなかなかそういうことを仕掛けてこなかった。つまり、京焼、清水焼を卸を通して流すというようなルートだけでやってきた部分がございますので、違う視点でものを売るような新しいルート開拓みたいなことも今後、京都が持っている、いろいろなポテンシャルがあるわけで、そういうポテンシャルを総合的に組み合わせていくという中でやらせていただけたらいいと思います。
今、若い方のコラボレーションをやっていますが、例えば町家でやられているああいうところでも、レストランでも京焼を使っていただくようにはならないのか。そんなことも含めていろいろな取り組みをしないといけないのではないかと思っていまして、一生懸命我々としては提案をさせていただいているわけでございますが、十分でない点があったら、またそこは改善していきたいと思っております。
◯荒巻委員
大変熱意あるお言葉を部長からいただいて、またいろいろ作陶家の方もいろいろ部長の熱意が伝わって、京都府になら期待できるという声も聞くので、より一層後押ししてほしい。川上につくるほうは、確かに繊維と比べたら工程がそんなに分かれるわけではないので、そういうところでの広がりやすさがあると思うので、ぜひそこでけん引役の作家が生まれるような環境づくりとか、またそれが流通に流れていく川下で今までの既存だけではない、そういった行政の後押しがあれば、またいずれ必ず広がっていくと信じていますので、またその辺よろしくお願いいたします。それで質問を終わります。
