平成22年決算特別委員会  総括質疑 討論  本文

◯山本委員長 荒巻委員。

◯荒巻委員 関西広域連合加入については、紆余曲折の議論を経て京都府も加入するわけでございます。地方分権の確立のための大きな流れの一つの段階として、私たち議会も賛成したわけでございますが、知事の熱意を多とする中で、ぜひともこの関西広域連合が所期の目的を達成し、成果をおさめることができるよう強く要望しておきたいと思いますし、広域連合が拙速な道州制の一里塚とならないよう、議会での論議や懸念や附帯決議に十分配慮をしていただきたいと思っています。関西広域連合内での山田知事の強いリーダーシップをぜひとも発揮いたしてほしいと、そのように願っている次第でございます。
また、釈迦に説法になりますけど、地方自治は団体自治と住民自治とが、やはり車の両輪として欠かせない関係でございます。特に住民自治は、広域になるとどうしても確保が難しくなると思っているわけでございます。広域連合が、たとえ団体自治、住民自治にしっかり支えられていても、本来、地方自治の原点は住民の顔が見え、住民の声が聞こえるスケールであったわけでございまして、もちろん、情報、交通や生活圏の拡大によって、行政の種類によっては府県規模でやることのほうが地域住民のためになるということを十分理解していますし、世の流れがスケールメリットに流れているということも承知しながらも、どうか住民自治を守りつつ発展をさせたいという立場だけは忘れないでいただきたいと思っています。
権限移譲についても、一筋縄でいかないことも十分察知するところでありますが、かつての三位一体論で進められた結果が、地方に仕事だけを押しつけられたと嘆いている関係者も多くいたと聞いておりますし、どうか人と金のセットだけは十分注意をしていただいて、運営に当たっても、大が小を飲み込むようなことにならないように、そしてまた船頭多くして船山に登るという弊に陥らないように、山田知事に十分リーダーシップを発揮していただきたいと思いますのでよろしくお願いします。
次に、商店街の振興について質問いたします。
商店街の活性化を進めていく上で大切なことは、商店街が置かれている状況を正確に把握することであります。人口や世帯数の規模、市場のボリュームを相対的・客観的に理解することが効果的であり、世代や年代、消費特性から生活様式に至るまで、商店街の市場の質や特性を理解する必要があるわけでございます。京都といえば、観光地やその周辺に集積する商店街が多数あり、まず初めに、そういった観光地型集積の商店街についてお伺いをいたします。
利用者の多くが観光客である商店街については、特化すべきものの一つに観光客の満足度を向上させるということがあると思います。買い物は昔から重要な観光要素になっており、見る、買う、食べる、知る、参加するがそろって楽しめるような観光行動のワンストップ性をバックアップできるようなものに進化させる必要があると思うわけでありますが、観光客も一見華やかなようで、その消費行動に目を向けても、案外厳しかったりすることもありますし、そのエリアだけで観光行動が完結することも一部を除いて少なく、周辺の観光地を周遊しているケースがほとんどであります。
そこで、お尋ねいたします。厳しい経済情勢が続く中で、商店街の振興や地域の活性化につなげるためにも、国内外の観光客をうまく取り込み、観光消費額を伸ばしていくことが重要と考えますが、今後の取り組みについて、知事の御所見をお伺いします。
次に、京都府では、これまでから元気のある商店街づくりのため、地域の課題に応じた商店街の施設整備や創意工夫あふれる集客事業の支援など、さまざまな取り組みに対し支援をいただいているところであります。
今後、行政と商店街とが協働して取り組むべきこととして、地域コミュニティとの関係強化が企図されてもおり、商業者が主体となって、その本業でもある商業等と絡めて地域コミュニティの課題をビジネスの考え方や手法によって解決するといった試みも重要視されます。
例えば、高齢者の方々が日常の生活用品の購入に困るという現象が社会的に起こっています。実際に高齢者の方々からは、比較的買い物に便利な市内においても、「足が痛くて買い物に苦労している」というお話を聞くわけで、実際に生活に困る方もおられると思います。
私の地元の今熊野商店街においては、京都府と京都市の補助金をいただき、商店街振興組合の事務所を改修し、そこに設けたコミュニティスペースを拠点にして、商店街と京都女子大学、東山区の社会福祉協議会が協力して、地域のお年寄りに買い物支援サービスを提供する取り組みを始めております。地域におけるこうした取り組みは、住民にとっても地元の商店街にとっても非常によい取り組みであり重要だと感じております。商店街の活性化のためには、このようなお買い物代行や配送事業、高齢者のための交流サロンの支援を初め、地域の新しいきずなづくりや連携など、その地域の特性に応じた取り組みがますます必要になってくると考えておりますが、今後、京都府ではどのように取り組んでいかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。

◯山本委員長 山田知事。

◯山田知事 まず、商店街振興についてでありますけれども、外国人観光客の消費拡大。円高は、これはいかんともしがたいので、円高に負けない環境をつくっていかなきゃいけないということだと思います。そのためには、やはり外国人観光客に対しまして非常に便利な買い物環境をつくっていく。そして、中国なども富裕層が非常に出てきておりますから、余り円高を気にしない人も出てきておりますので、こうしたものに対しまして、質の高い方に対して質の高い産品をしっかりとアピールしていくというようなことが必要ではないかなというふうに思っております。
その中で、実は、地元経済団体では、私どもも働きかけましたけれども、来年1月から中国のデビットカードであります銀聯(ぎんれん)カードの取り扱いを、全国でも例を見ない1,260店舗の規模で開始することになりました。こうしたことは、私はやっぱり買い物環境を整える上で非常に大きな力を発揮すると思っておりますし、9月議会で可決いただきました円高対策予算によりまして、商店街等が取り組みます外国人観光客向けの買い物・観光情報の発信やキャッシュバックイベントなども積極的に支援することによって、外国人観光客の消費拡大に取り組んでいきたいと思っております。
また、さらに根本的な問題といたしましては、観光の国際戦略総合特区としての免税制度の要件緩和とかこうしたものを今国に提案しているところでありまして、本当に、京都が単なる神社仏閣を外国人の方に見ていただくのではなくて、そのよさを総合的に評価していただいて消費拡大にもつながる地域にするように努力をしてまいりたいと考えております。
次に、商店街の活性化でありますけれども、商店街といっても置かれている状況によってかなり差があると思います。観光で売り出すような商店街ですとか地域密着型のコミュニティ型の商店街や町の中心地の商店街、それぞれ置かれている条件でかなり対策も変わってくるのではないかなと思っております。その中で、一つには、やはり観光関係というのはやっぱり京都にとっては大きな要素になってまいりますので、向日市の激辛や大将軍商店街の妖怪といったような、こうしたイベントなども取り組みながら京都に来る人たちにアピールしていくのが一点だと思います。
もう一つは、やはり確実に来る高齢化の時代。これは、かつての大規模スーパーマーケットを中心としまして、たくさん買って、たくさん蓄えていくという時代から変わっていくんだと思います。つまり、少量多品種を購入して、そして、かなりモビリティー、高齢者の方ですからなかなか車を運転してすぐにたくさんの物をというわけにいきませんから、今お話がありましたような、いわゆる買い物弱者対策などを織り込むことによって、商店街についてはかなり再生できる部分があるのではないかなというふうに考えております。
私どもはこうした点から、宮津のまちなか観光ですとか福知山のお城周辺のにぎわい創出といったようなもの、さらには高齢化が進む地域の買い物弱者対策としての移動販売や送迎サービス等の取り組みにつきましても、地元市町村や商工団体とも連携を進めていきたいと思っておりますけれども、かなり継続的な取り組みが必要だと思っておりますので、そうした観点から、しっかりと支援をしてまいりたいというふうに考えております。

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あらまき隆三

荒巻隆三
(あらまきりゅうぞう)

  • 昭和47年10月27日
    京都市生まれ
  • 自民党府議団 代表幹事
  • 議会運営委員長
  • 京都地方税機構議会 議長
  • 京都府実業団剣道連盟 会長
  • 京都府カヌー協会 会長
  • 京都府議会海上保安議員連盟 顧問
  • スマートライフ推進京都府議会議員連盟 顧問
  • 日米友好親善京都府議会議員連盟 副会長
  • 日韓親善京都府議会議員連盟 副会長
  • 京都府防衛協会 理事
  • 京都ボーイスカウト振興会 評議員
  • 世界遺産賀茂御祖神社境内糺の森保存会 理事
  • 元 衆議院議員
  • 元 株式会社ワコール社員

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