平成22年決算特別委員会  総括質疑 討論  本文

◯山本委員長 荒巻委員。

◯荒巻委員 商店街が地域のそういった需要を見きわめて、きめ細やかな対応ができるような、そういった有為な取り組みの支援を、本府のさらなる施策推進を用いて、ぜひとも強力にバックアップをしていただきたいことをお願い申し上げます。
次に、京都ブランド産品のマーケットの拡大についてお伺いします。
21年度の決算資料によりますと、宇治田原町において農業基盤整備促進事業を活用して茶園造成が行われ、丹後地域では農業生産総合推進対策事業を活用した製茶工場が建設されています。
また、京都府では平成16年から宇治茶100ヘクタール構想に取り組まれ、丹後の新産地も含め着々と生産を拡大され、109ヘクタールの増反で目標を達成されたとお聞きしております。
宇治茶は800年にも及ぶ長い歴史や文化に培われてきたものであり、京都は日本緑茶の発祥の地であるとともに茶道文化の形成・隆盛の地でもあります。茶道は京都の文化に多くの影響を及ぼすとともに、おもてなしの作法として生活に密着したものとなっており、また、山城を中心に広がる茶園は、そのすばらしい景観から人々の心を和ませております。このように、京都人はさまざまなシーンで生活の一部として宇治茶とかかわりを持ってきました。現在では、この宇治茶の産地は府内全域に展開し、それぞれの地域の産業や環境、生活文化の向上に貢献しており、私はこの宇治茶は今後も京都にとって、また日本にとってもなくてはならない重要な名産品と思っております。
しかし、農作物としてその生産を維持するためには、今後はこうした高品質の茶をどう有利に販売するかが大きな課題であります。ペットボトルブームでお茶の消費量は増加しましたが、リーフ茶を急須で飲む人が減り、高級茶の需要は低迷しております。京都の荒茶は全国に比べると高価格を維持しているものの、全体的には低迷傾向にあります。
こうした中、この打開策の一つとして、京都府では高級茶の輸出の取り組みに対する支援を開始し、業界からも大きな期待が寄せられていると伺っております。また、あわせて生活様式の変化で床の間がある和風住宅の需要が低迷したことによって、業界に先細る危機感のある北山丸太の輸出についても支援をされるとお聞きしております。
そこで、お尋ねいたします。農林産物や加工食品の輸出は京都府農林漁業の新たな展開方向の一つとして大いに期待するものです。知事は、このことを3期目のマニフェストに記載されておりますが、そのお考えをお聞きいたします。
また、輸出といってもなかなか難しく高いハードルがあると思うのですが、まずは京都ブランドとして海外で成功するよう、新たな使い方の提案や製品づくりが必要と考えますが、知事は、今後具体的にどのようにして輸出に取り組もうとしておられるのか、御所見をお伺いいたします。

◯山本委員長 山田知事。

◯山田知事 京都ブランド産品のマーケット拡大でありますけれども、正直申しまして、安定成長、高齢化の時代になったら、国内のマーケットがどんどんふえていくという時代ではないと思います。ある程度、堅実な形で国内のマーケットを維持していき、そこでの新しい健康とか環境とかに投資していく部分をふやしていきながらも、伸びていく海外マーケットというものを視野に入れていかなければ、バランスのとれた経済運営はできないんじゃないかなと思っています。
そうした面からしますと、今一番伸びている中国とかアジア諸国に対してマーケットの拡大をしていかなければならない。特に農林水産物については、その施策展開が私は必要だと考えております。しかしながら、正直言いまして、間違いなく伸びていく、間違いなく大きな市場であるんですけれども、何が当たるかというのは非常にわかりにくい市場でもあります。したがいまして、民間の人たちが自分のリスクで出ていくということについては非常に無理があるのが現実であります。
このため、私どもがある面では支えとなって、どういったものがこれから受け入れられるのか、また、どういったものが可能性があるのかということを応援したいということで、今回、上海万博の機会をとらえて行ったところであります。その前提としましては、8月に京都府農林水産物・加工品輸出促進協議会も設立いたしまして全体の準備を整えてきたところであります。今回もかなりいろいろな面で評価を得たところでありますけれども、もう一段、やっぱりこれから突っ込んだ形で協議をしていく必要があるだろうというふうに考えております。もう一つは、やはり京都のブランド品としてのイメージをどんどん高めていく必要があるだろうというふうに考えておりまして、そうした面から私どもは、例えばヨーロッパで文化ブランドの一番高い国といえばフランスですから、そこにおける宇治茶の存在価値を高めていくということによって、宇治茶自身のブランド化をもっと世界に発信できるような形でしていきたいと思っておりまして、京都フェアを開催していきたいというふうにも考えております。
さらに、国によってさまざまな基準が違いますので、例えば農薬の残留基準ですとか輸出条件が違いますので、こうしたところにも支援を行いながら農林水産業の未来に向かっての発展の可能性を追求していきたいというふうに考えております。

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あらまき隆三

荒巻隆三
(あらまきりゅうぞう)

  • 昭和47年10月27日
    京都市生まれ
  • 自民党府議団 代表幹事
  • 議会運営委員長
  • 京都地方税機構議会 議長
  • 京都実業団剣道連盟 会長
  • 京都府カヌー協会 会長
  • 元衆議院議員
  • 元株式会社ワコール社員

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