◯文化環境部長(中井敏宏君)
国民文化祭についてでありますが、日本文化を代表する方々が集まっているという京都の特性を踏まえ、構想策定の当初から、プロとアマチュアの融合を重要な理念の一つとして取り組んできたところであります。プロの芸術家の方々に、開閉会式のプロデューサーや個々の事業の企画委員として指導いただくとともに、本番でもその卓越した技や芸術を披露してもらうなど、積極的な参画をいただくこととしております。
また、全国からの参加者が京都ならではのほんまもんの文化芸術に出会えるよう、各流派お家元による大徳寺茶会や宗家による能楽の祭典などの企画も進めております。さらに、プロとアマチュアが共演する音楽会などの「体感国文祭事業」や、幅広い文化関係者の協力を得て行う京都駅前でのウエルカムステージなどを実施することとしております。あわせて、能や狂言の第一人者に小・中・高校生等を直接指導していただくなど、次の時代の担い手を育てる取り組みも実施しております。
また、議員御指摘のとおり、幅広い層の皆さんの関心を高めることが重要でありますので、京都ゆかりの著名人に国民文化祭特命大使に就任してもらい、国民文化祭のPRをお願いしております。先日も、その一人である俳優の近藤正臣さんが出演されたテレビ番組の中で、京都国文祭が紹介されたところであります。
京都文化年については、一年間を通じて京都の文化芸術を体感してもらうというものであり、京都で生まれた代表的な伝統芸能を平安時代から近代まで時代順に紹介する「京都文化絵巻事業」、国民文化祭を盛り上げるプロによる公演や展示会に対する支援事業、京都文化博物館リニューアル記念の日本画展などを計画しており、所要の経費を今議会にお願いしているところであります。
伝統工芸につきましても、南丹市での工芸展で全国からの公募作品とあわせて京都の洗練された匠の技に触れていただくほか、学研都市で開催する「明日の暮らしの文化展」、京都市内や亀岡、宮津で開催する「食文化の祭典」、さらには「清水焼団地50周年記念展」、また、和の文化を普及・啓発する「京都きもの文化月間推進事業」などでも京都のものづくりの文化をアピールしていきたいと考えております。
さまざまな文化にゆかりの深い社寺や能楽堂など京都ならではの舞台も含め、こうしたほんまもんを通じて、京都が長年にわたってはぐくみ培ってきた日本の心を、京都から全国へ、世界へ発信するとともに、文化輝く「明日の京都」につながる国民文化祭となるよう取り組んでまいりたいと考えております。
◯議長(林田洋君) 荒巻隆三君。
〔荒巻隆三君登壇〕