◯荒巻隆三君
ぜひ、がん対策については、拠点病院の強みを生かして地域との連携強化を図って、がん対策の推進をしていただきたいと思っています。
1点。医療機関の整備促進については、近年、医療保険に先進医療の特約をつけた商品が増加をしておりまして、全国各地の医療機関においてさまざまな先進医療が実施をされております。例えば、先月の府民生活・厚生常任委員会において静岡県立静岡がんセンターに管外調査に行かれた旨をお聞きすると、重粒子線治療や陽子線治療といった先進医療技術が導入されているとのことでした。転移を防いでピンポイントで細胞を焼けるという、本当に先進医療の活用がされております。本府においても、がん対策推進条例にある医療機関の整備促進に当たり、先進医療技術の導入や、なお一層の促進策をこれから検討されるよう要望いたします。
緩和ケアについて、ぜひ患者さん本位の時間が過ごせるような、それを支えられる専門の人材の育成というのがやっぱり大事になると思いますので、その辺の強化もお願いをいたします。
国文祭については、先人たちが築いてくれた恩恵に、より感謝をするきっかけになると思いますし、特に若い世代が、いいものはいつまでも時代を超えて大事にしていかなければいけないという、そういう意識を持ってかかわっていくことが非常に大切と思うわけです。継承され続けてきたものの技術をうまく取り込む工夫を考えていっていただきたいと思います。
さらに加えて言えば、北から南まで幅広く京都の技術や魅力を発信していくべきで、それによって観光の活性と経済の循環をもたらす形であるなら、なお一層、京都の伝統文化の未来に明るい国文祭になると思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
次に、森林を守り育てる林業の担い手対策について質問いたします。
森林は、豊かな水をはぐくみ、災害から府民の生命と財産を守るという大変重要な役割を果たすとともに、地域の個性ある美しい景観や潤い、さらには二酸化炭素を吸収し地球温暖化を防止するなど、さまざまな形で私たちの暮らしを支えるかけがえのない府民共通の財産であります。
しかし、農山村では、長期にわたる木材価格の低迷による森林所有者の林業離れが進み、さらに、過疎化・高齢化の進行がそれを追い打ちするという状況の中で、杉やヒノキの人工林の中には間伐などの手入れが十分に行われていない森林も見受けられ、さらに、こういった森林の整備を支える林業に従事されている担い手も年々減少するという厳しい状況にあります。森林が荒廃し、公益的機能が損なわれることが大変危惧されております。
また、こうした森林の適正な管理という問題は、決して農山村地域だけのものではありません。昨年の春から京都市内で猛威を振るっておりますナラ枯れ被害においても、被害木の処理という専門の技術を必要とし、しかも危険を伴う難しい作業に森林組合を初め作業班員の皆さんに御尽力をいただいており、森林をしっかりと管理することの大切さと、それを支える林業の担い手の重要性を痛感しているところであります。
こうした中で、京都府では、実践的な技術を持った新たな担い手を育成するため、昨年、林業トレーニングセンターを開設され、間伐作業や機械操作研修などを重点的に実施し、森林組合や事業体で活躍する即戦力の担い手の養成に取り組んでいただいておりますことを評価するとともに、今後とも、この取り組みを拡大・推進されますことを大いに期待しているところであります。
今後は、即戦力の養成に加えて、将来現場を支える若いリーダーの育成、さらには、モデルフォレスト運動による府民参加の森づくりなどの活発化している森林ボランティア活動を推進するリーダーの育成なども大変重要であると考えておりますが、京都府では、昨年から林業大学校の開設に向けた検討を始められ、今議会にも開設準備費を上げられており、待ったなしの担い手対策に積極的に取り組む、時宜を得た取り組みとして大変心強く感じているところであります。
そこで、お伺いいたします。林業大学校の開設につきまして、改めて、未来に責任を果たしていかなければならない今だからこそ、林業大学校をつくる意義をどのように考えておられるのか。
さらには、大学校の開設に当たっては、歴史や伝統、さらには木の文化が脈々と受け継がれている京都ならではの環境に精通していく人材の育成に主眼を置いて、京都らしい魅力ある林業大学校というものをつくっていただきたいと考えておりますが、御所見をお聞かせください。
最後に、間伐材の有効利用についてお聞きします。私自身もナラ枯れの被害木の整理を手伝っており、その際に感じたことでありますが、これまで育ててきた杉やヒノキの森林についても、間伐により整備を進めることとあわせ、生産される間伐材を私たちの生活の中でもっと使っていくことが必要ではないかと思います。京都での間伐材を京都で使うといったことをしていかないと、間伐材が放置されっ放しになるといった状況があり、これをどう打開していくのか、間伐の出口をつくっていくことが大事であると考えます。例えば、他県が行っているような、活性炭にしてダイオキシン吸着の材料として環境政策の中で再利用していく方向を、森林整備と一体の仕組みで考えていかなければならないと思いますが、いかがでしょうか。
京都市域においては、京都市の廃木材再資源化モデル事業の中で、廃木材を従来の活性炭を上回る性能を持つ粉末状の複合炭素系ダイオキシン吸着材に変換し、クリーンセンターの焼却炉日量200トンに吹き込み排ガスのダイオキシンを吸着除去するといった技術も採用されているわけでありますが、必ずしも府内の木材が使われているのではないそうであります。有毒ガスの吸着や土地改良における水質浄化に活用できる環境改善資材として、府内の間伐材を有効利用していくべきだと考えます。
本府においても、自然循環型のリサイクルシステムのあるべき姿をなお一層構築していく上で、今既にある新しい技術と提携して取り組んでいくことを京都市に協議してみるのも一つなのではないかと思うわけでございます。そのあたりについて御所見をお聞かせ願います。
以上で私の質問を終わります。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)